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「本贈り愛」離れていても、本でつながれる。

本を贈ることは、愛だと思う。

読んでくれる相手を想い、
本を書いてくれた人の力を借りて
その人のそばに、ずっと
大切な”ことば”を届けることができるから。

さらに、お互いに本を贈り合うことは、
愛を交換することではないだろうか。

だから、「本贈り愛」

離れていても、本でつながれる。

#ことばの日には本を贈ろう
そう名付けた企画に参加したのは5月18日。
あっという間に一ヶ月が経った。

ことばの日には本を贈ろう1


やったことはとてもシンプルで、

「相手の読んでみたい本5冊の中から
1冊を選んでメッセージを添えて贈る」
「自分自身にも、読んでみたい本が届く」

たったこれだけのことが、
愛をたくさん感じる体験になった。

贈ってもらった本を見ると
今でも、しあわせな気持ちになる。

おすそわけしたくて、紹介してみます。


読みたかった本が教えてくれた今の気持ち

いざ、読んでみたい本を考えると
初めての感覚に戸惑う。

いつもは読みたいと思ったら、
すぐに買うか、買わないか悩んで
それで終わりにしてしまうから。

さらに贈ってくれる相手に、
その本を読みたい理由を伝えるのも
考え込んでしまった。

なぜその本を読む(読みたい)のか
言語化することなんて
ほとんどないことに気づく。

おそるおそる、選んでいった。

1.
BRUTUS(ブルータス) 2021年 5月1日号 No.937[やっぱりマンガが好きで好きで好きでたまらない]

読んでみたい理由:
rootsに置いて、高校生とマンガの話をしてみたい。自分が学生時代ほぼマンガを読んだことがないので、新しく入っていきたい分野だから。

rootsとは、私が働いている高校生と地域の人が集う居場所。
【roots 京丹後市未来チャレンジ交流センター】
壁一面が本棚で「高校生の”わたし”に贈る一冊」というテーマで地域の方や友人などに本を寄贈してもらっている。


2.
ただいるだけで/相田 みつを

読んでみたい理由:
小学生の時、担任の先生が学級だよりにコピーして毎週読んでくれた詩。私のベースになっていることばがたくさんあるが、本は持っていないことに気づいたので。


3.
自分と他人の許し方、あるいは愛し方/三砂ちづる

読んでみたい理由:
大好きな出版社、ミシマ社さんの本。発売当初から気になっていたものの、読んでいないことに気づいた。読みたい。


4.
名作コピーの時間/宣伝会議 書籍編集部

読んでみたい理由:
ブレーンのこのコーナーがめちゃくちゃ好きで読んでいた。まとまっている書籍があるのを初めて知ったので。


5.
あおくんときいろちゃん /レオ・レオーニ

読んでみたい理由:
小さい子も来てくれるので、rootsに絵本を置きたいとずっと思っていて。「青と黄とが重なってまったく違った緑になる」ぜひ子どもたちにも、高校生たちにも、大人たちにも知ってほしいと思った。


この「5冊を選ぶ時間」がとっても豊かで驚いた。

本のことを考えているはずなのに、
自分自身と向き合っていて、
静寂の中から情熱が生まれてくる感じ

本を読むことは、新しい自分へ
一歩踏み出していけることなんだと思った。


そして、5月18日の少し前、
私のもとには『あおくんときいろちゃん』が届く。


このあいだ、5歳の女の子が、大事に読んでくれた。
あおくんときいろちゃんを知っている子は、
「これ、おうちにある〜!」と教えてくれる。

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嬉しい。
想像していたよりもずっと嬉しい。
これからも嬉しい時間が生まれると確信できる。

素晴らしいプレゼントになった。
瞳ちゃん、あたらめてありがとう。


本を贈る、がきっかけで生まれる歓びの交換

実は、私は昨年秋に「本を贈ってもらった」ことがある。
それも、たっくさん。

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rootsがオープンして一ヶ月が経ったころ、
郵便屋さんも驚くほどの大量のレターパックが届いた。

言葉の企画の仲間たちが「Book to Roots」と題して
全国各地から高校生に向けて本を贈ってくれたのだ。

そこには、それぞれの人生や想いがつまっていて
丁寧に書かれたお手紙やメッセージカード、
サインなどが一緒に届いて。
(これは、ほんとの一部です…!)

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あれからもう半年が経つけれど、
高校生や地域の方が本を手にとってくれる度に
私は贈ってくれた人を思い出して
嬉しい気持ちになっている。


本を贈ることは、贈り合うことは、
未来の関係性のきっかけにもなる。

それを、教えてもらった。


本棚のたくさんの本を、そして言葉を
日々いろんな人たちが受けとっている。

本に出会えた歓びを私に伝えてくれる。
私はそれを贈ってくれた人に伝える。

みんなで、ちょっと嬉しくなる。

そんな習慣まで、贈ってもらったのだ。


あたりまえに過ぎていく日々を、
ドラマチックにする。

一年に一度でも、本を贈り合う日ができたら
そんな文化が育まれていったら、
きっと素晴らしいし、希望だと思っている。

離れていても、つながりを感じられるのだから。


本を通して、心を通わせることができたお話も
良かったら読んでみてほしい。



5月18日は、ことばの日。だから

なぜ、5月18日だったのか。
最後にこの話をしたい。

5月18日は、ことばの日。
「ことばを大切にする日」だから。

ことばの日とは、2019年5月〜10月に開講されたコピーライター阿部広太郎さんが講師を務める連続講座『言葉の企画2019』のメンバーでつくった5月18日の記念日です。(「5+10+8」の語呂合わせで「ことば」)

初回講義が行われた2019年5月18日に出題された課題、
「みんなでできる一生忘れられない経験を企画してください」
に対して、

ことばを学ぶために集まったわたしたちが出会った5月18日を、
「ことばの日」の記念日にしよう


と提案があがったことが
「ことばの日」制定にむけて動き出すきっかけでした。

半年間の活動の後、日本記念日協会への申請を経て、
正式に記念日登録された現在では、

ことばを大切にする日

として「ことばの日」が愛される記念日になるよう、
プロジェクトメンバー一同、楽しみながら活動しています。

引用↓

このnoteにも書いてある、
「言葉を、もっと人に贈りたくなる」
って、どういうことかを考えていて。

言葉をかける、ではなく
言葉を「贈る」。

そんな気持ちで、認める言葉。

一本のメールでも、LINEのお返事でも、
「心が動いたとき」「伝えたい想いがあるとき」
私は言葉を贈っているなあと思った。

本を贈ることは、心が動く。

相手をたくさん想像して、
本のこともたくさん想像して、
選ぶ、という行為にドキドキする。

本を贈ることは、伝えたい想いに気づく。

メッセージを書くその瞬間、
その本を贈る理由がはっきりと輪郭をおびる。
たった数行でもメッセージを添えることで、
言葉を贈ることになっていた。


言葉を贈りたい相手は、
この先もつながっていたい人。

未来へ約束するように、
言葉を贈るのだと思う。

これからも、言葉を添えて
本を贈っていきたい。

そして、来年ももしよかったら
あなたとも一緒に「本贈り愛」を
やってみたいです。





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