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美術展『モネ 連作の情景』感想

遅ればせながら大人気モネ展(東京展)に行ってきました。
知り得た情報を整理しながら、企画展を実際に観に行っての感想を書きたいと思います。

今回紹介する『モネ 連作の情景』(東京展)は、産経新聞創刊90周年・フジテレビ開局65周年事業として、上野の森美術館で開催されました。

モネ展のポイント①モネだけ

本展覧会のポイントの一つは、出展作品約70点全てがモネの作品であるという点です。画家の名を冠した『〇〇展』とした企画展の中には、純粋にその画家の作品だけではなく、画家に何らかの関わりのある他の画家の作品も前座的に展示されることがあります。
そういった意味では、世界中に点在するモネの作品のみを”一堂に会す”本展覧会は、とても貴重な機会であると言えると思います。

モネ展のポイント②テーマ《連作》

モネは、一つの主題に対して複数の作品を描く《連作》という手法・作品群を生み出しました。本展覧会は、その連作に焦点を当て、いかにして連作が生まれたのかをモネの作品を通じて、時系列に沿って展示されています。

感想

事前に本企画展の図録を通販で購入し、若干予習をしてから鑑賞に臨みました。図録によると、モネの作品において、印象派と呼ばれる以前の作品から、印象派の時期を経て連作に辿り着いたそうです。その点では、作風の変遷がよくわかるようになっており、解説文と合わせて満足のいくものでした。

解説文によると、モネは連作の絵を描く際、イーゼルを複数並べるなどして、同時に複数の絵を描いていったそうです。そして、それらの作品から最大の効果を得るためには、まさに”一堂に会す”とでも言いましょうか、一室に並べて、見比べる必要があるとのこと。

いざ、連作の展示室に足を運ぶと、「あれ?思ったより少ないな…」が第一印象でした。連作エリアは主に、「積みわら」「クルーズ渓谷」「ウォータールー橋」そして最後に「睡蓮」の絵画がそれぞれ約3点ずつ。もちろん、せっかく連作を楽しむ方法をかじったので、試してみましたよ!

残念ながら、美術レベルの低い僕には予想ほどのものを感じることができませんでした(笑)そこに立った瞬間どこかへトリップしてしまうような非現実的な効果を期待したのですが…

しかし、たしかに作品たちが訴えかけてくる何かは少し感じ、惜しい!という感覚でした。言ってみれば足りない…一つの主題の作品数が足りないのだ(そして自分の力量も)そう、自分の力量が足りないからこそ、数による圧倒的な迫力が欲しかったのかもしれません。

それでも、一つの主題の絵は同じ部屋で、きちんと見渡せるように配置されており、主催側の配慮は感じました。さらに、フォローするわけではありませんが、連作そのものがテーマというよりは、連作への過程がテーマなので、仕方ないかと割り切ることもできました。

最後に

やや不満っぽいことが強調されてしまいましたが、総合的には行って良かったです!異端者と言われてしまうかもですが、個人的にはモネの絵は印象派以前の方が好みだったりして、『昼食』や『ルーヴル河岸』を生で観れたのは嬉しかったし、連作について学べたのも良かったです。

モネのファンの方は間違いなく楽しめる美術展なんじゃないかなと思います。東京展はあと少しで終わってしまいますが、大阪展は2/10〜やるそうなので、ご興味ある方はぜひ行ってみてください!

ただし、混雑はご覚悟の上で(笑)もしゆっくり鑑賞したいなら平日の朝一か、閉館間際が良いかも?

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