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AFTERGLOW―光の破片をつかまえる

こんにちは、さようてんです。

前回のnoteでは自己紹介タグを付けたにもかかわらず、1ミリもプロフィールを書かなかったのですが、予想以上に多くの方が ”スキ” をしてくれて嬉しい限りです…

noteってやさしいせかい??

プロフィール的なnoteはいつか追々書くとして、最近すきなものを紹介したいと思います!

ヨコハマトリエンナーレ2020 

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【ニック・ケイヴ《回転する森》2016(2020年再制作)】

ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」では、インドのニューデリーを拠点とするアーティスト3名によるラクス・メディア・コレクティヴをアーティスティック・ディレクターに迎え、彼らとともに時空を超える思考の旅へと誘います。
― 公式HP「ヨコハマトリエンナーレ2020に向けて」より

7月17日に開幕した現代アートの国際展・ヨコハマトリエンナーレ(ヨコトリ)2020。総勢70名ほどのアーティストの作品が展示されていて、1日ではすべて見きれないほど沢山作品があります。私は2日かけて廻りました…

今回のヨコトリ2020には、アーティスティック・ディレクターを務める「ラクス・メディア・コレクティヴ」が挙げる5つのキーワードがあります。

独学」人に教えられるのではなく、自らまなぶこと
発光」学んで得た光を外に放つこと
友情」光の中で友情を育むこと
ケア」互いをいつくしむこと
 「」 世界に否応なく存在する毒と共存すること

ヨコトリ2020で一番好きなもの

見どころがたくさんあるヨコトリ2020なのですが、私がヨコトリ2020で何が一番すきかというと、「ごあいさつパネル」です。(アーティストの方に失礼かな… )

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【「ごあいさつパネル」の一部】

(「ごあいさつパネル」は多分正式な名前ではないです…)

ヨコトリの「ごあいさつパネル」は、主催者連名のパネルと、アーティスティック・ディレクター「ラクス・メディア・コレクティヴ」(以下、ラクス)のパネルの2つがあります。

とくにラクスのあいさつはほんとすきです。グサグサとささってきて、パネルの前で1人泣きそうになりました。

ラクスのごあいさつパネルの内容は公式HPに載っているので、お時間がある方はぜひ、リンクから全文読んでほしいです。上に載せた5つのキーワードに、最近の感染症拡大による社会の混乱と、この時代の私たちの生き方を絡めて書かれています。

特にすきなのが次の部分。抜き出している文も十分長いのですが、太文字だけでも読んでほしい。。

わたしたちは今、なじみのない、ウイルス性の、そして先が読めないところがある時代の残光(afterglow)の中にいます。誰もがよく知る手引書はまだありません。わたしたちはひとりで、そして仲間と一緒に、ぐらぐら揺れる目盛りを使いこなして航海を導いていかねばなりませんが、なじみのルールがどんどん変更されるので、目盛りの揺れはひどくなるばかりです。わたしたちはいま暴風雨のまっただ中にいて、みんなでその風圧にさらされているのです。
(略)
この展覧会でみなさんは、アーティストがじっくりと考えたことの間を歩き回りながら、わたしたちの内から宇宙にまで橋をかける虹のような光の帯を感じ取り、また自分で生み出すため、みずから学びたいという衝動を高めるのです。みずから学ぶもの=独学者たちは、あらゆることを学び、また学んだことをどんどん捨てていきます。彼らは必要なら、誰かが押し付けたもの、世の中で当然とされているものすべての中ではみだし者になることもためらいません。なぜなら、世界をうまくまわすためのマニュアルに書かれた機能や指示がまともに働かなくなったときには、機能や指示そのものを書き換えていかなければならないからです。
「AFTERGLOWー光の破片をつかまえる」はまた、関係を結ぶための、行動指針や強い感情のための、そしてがまん強さと驚きをもって世界を見、物語る力を支えるための、基盤のようなものでもあります。
―公式HP「AFTERGLOW」より

ここまで読んでくれてありがとうございます。。感動を少しでも共有できたら、もしくは、光の破片をつかまえてくれたらうれしいです。

AFTERGLOW: 破壊と回復 毒性と治癒

タイトル(ソース)にある ”AFTERGLOW”(残光)の意味も気になりませんか?ここまで読んでくれた方はきっと気になるはず。。

かつてアナログテレビがあった頃、放送終了後に流れた砂嵐の中には、ビッグバンの名残である宇宙マイクロ波背景放射と呼ばれる電磁波が含まれていたといいます。タイトルのAFTERGLOW(残光)とは、私たちが日常生活の中で知らず知らずのうちに触れていた、宇宙誕生の瞬間に発せられた光の破片を指すものとして選ばれた言葉です。ラクス・メディア・コレクティヴは、太古の昔に発生した破壊のエネルギーが、新たな創造の糧となり、長い時間をかけてこの世界や生命を生み出してきたととらえ、現代の世界もまた、さまざまなレベルでの破壊/毒性と、回復/治癒の連続性の中で、人間の営みが行われてきたと考えています。目まぐるしく変化する世界の中で、有毒なものを排除するのではなく、共存する生き方をいかにして実現するのか。ラクス・メディア・コレクティヴと共に、アーティストや鑑賞者、そのほか様々な形で本展にかかわる人々の間でこの問いを共有し、思考を続けていくことによって「ヨコハマトリエンナーレ2020」は形作られていくことになります。
―公式HP「ヨコハマトリエンナーレ2020に向けて」より


あなたの周りの ”光” は何ですか? ”毒” は何ですか?

ヨコトリ2020では、必ずしも、 "光" と "毒" がそれぞれポジティブ/ネガティブの代表として挙げられているわけではありません。

そして、それらが二項対立的に表現されているわけでもありません。

ラクスによると、ビッグバンの破壊のエネルギーが新たな創造の糧となり、この世界や生命を生み出したきたその一方で、太陽の爆発は、ある種のサンゴから紫外線の毒性への反応を惹きだしている、とのことです。


あなたの中の ”光” は何ですか? ”毒” は何ですか?

ここからは持論です。

人それぞれに『わたしにとっての毒』があるのではないでしょうか。

”理想の自分” になりきれない自分の性格や実力。過去の苦い思い出や失敗。もしくは身体的なコンプレックスなど。

『わたしにとっての毒』は色々だけど、でも、この目まぐるしく変わる世界では、”毒” と思っていたものも、連続性のプロセスの中で、きっと美しい光のパターンで輝きだすから、

みんなで「発光」していこうね。

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