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全然わからないという逃げ

これから私は好きなアイドルの誕生日を祝う文章を書こうとしているのに、タイトルがくそ暗い。
ここに文章を投稿して6ヶ月。結局私は何も成長しないまま半年を過ごしたことになるから。

ともあれ先ずは推しの話をすることにする。

そもそも、私はホソクさんの全てが好みなわけではないと思う。いつも、私は推しのことを考え始めると、どうしてその人が好きなのか、という理由を追求し始めるけど、答えが出たことはない。考えるのに飽きて眠ってしまう。
彼はグループの中でラッパーだし、個人でミックステープも出しているけれど、多分私の好みではないと思う。ナムジュンのミックステープの方がよく聞いている。
Hope Worldの曲が嫌いなわけではないし、聞いていたって特に不快なわけでも、ここが好みと合わない、と言えるほどじゃないのに、いつも選ぶのはmono.なのだ。グループの曲でも、好きなラップパートは大体ホソクさん以外なことが多い。
ホソクさんの声を聞くと安心して、落ち着くのに。
旅先で一人の夜、ずっと聞いていたのはmono.だった。

ダンスではジミンくんの踊りが一番好きだ。私がバレエを習っていたのも大きいけど、体の使い方、フリの表現、音の取り方。感覚が合うからか、彼の踊りを見ていると気持ちがいいし、何度見ても飽きない。
ホソクさんがものすごくダンスがうまいのを知ってるし、彼の徹底した体の制御とか、びっくりするほど細かい技術とかがわからないわけではないのに、それでも彼を目で追っていても、いつの間にかジミンくんを見てる。

じゃあ顔が好みなのか、と言われるとそうでもない。顔は正直、テテさんの顔が一番好きだ。テテさんの写真はホソクさんの次に多く、私のカメラロールに保存されている。
もちろんホソクさんの顔が嫌いなわけではない。彼の写真を見ると、うわあ美人.....。と毎回即保存するし。でも、これはかっこよくないな、と思う写真も多くある。テテさんにはそんなこと思わないのに。


ここまで書いてみると、私は本当にホソクさんのどこが好きなんだ、と自分でも疑問に思う。
なのに自信を持って言えることは、私は彼が一番好きだということ。推し、と答えられるのはグループの中で彼一人なのだ。

彼の好きなところを上げればたくさんある。
まず、細い指。大きい手のひら。綺麗な爪。細い手首、ちゃんと筋肉がついてる、鋼みたいな腕。以外と盛り上がった胸板。男らしい肉付きの鎖骨や肩。薄い耳。瞳。長い足。スタイル。
気を抜いた時の、歪に強張った表情。イラついた時のごまかし方。笑ってない目。演技がオーバーで下手くそなところ、やることはやるけど恥ずかしがるところ。
仕事への意識が高いところ、自分のコントロールが上手なところ。
他人を気にかける自然な思考回路。シンプルな考え方。大人っぽい思考。物事の切り捨て方。
一つ一つを上げればきりがない。だけどやっぱり私はホソクさんが好きで、時に切なくなるほど好きだ。悲しくなるほど。もう全然わからない。

ここまで上げてみて、私はアイドルに何を求めてるんだろう、と不思議になった。

実はこの前、初めて自分で海外旅行をした。
家族や学校行事で行ったことはあったけど、自分で予約し、計画を立て、自分のお金で旅行したのは初めてだった。
行き先はもちろん韓国。これまでの自分からは考えられないことだった。

こんなことができたのは、すべてやり遂げられたのは、やはりアイドルが好きだからだと思う。
今までの好きという感情とはまるっきり違う、私の心を動かす”好き”が、アイドルにはある。
アニメが好きだった頃も、グッズを集めたり自作したり、舞台になった場所へついでで行ったりしたけど、こんな風に、自分のモチベーションになるまでじゃなかった。
そう、今の私には、理由のないモチベーションが存在する。
異常事態だ。


だけど、それをいろんなことのモチベーションにすることはまだできない。
例えば、痩せること。バイトに休まず行くこと。将来のこと。そんなことを考えると、途端に”好き”の魔法は解けてしまう。

だから私はこの半年間、変わらない。

彼らを好きになる程、こんなに情けない自分を嫌いになる。

わからない。

どうしてホソクさんが好きなのか。どうしてmono.が好きなのか。どうしてDiorの衣装が好きなのか。どうしてDispatchの写真はそんなに好きじゃないのか。

どうして毎日決まったことができないのか。どうして人との関係を断ちたくなるのか。どうして急に自分が惨めに感じるのか。

私がこの先、どうしたいのか。


私は防弾少年団によって自分の好きを一つ、見つけることができたけど、どうやら私の好きは一つじゃないようだった。
もしかしたら私の好きの大きな輪の中に防弾少年団も含まれているだけなのかもしれない。

今まで、私はいろんなことを「わからない」と諦めてきた。考えることを放棄していた。
でも、防弾少年団が好きだということに気づいて、次いで私にはどうやら好きな系統、のようなものがあるらしいと気づき始めた。

とてもここにたどり着くのが遅いと思う。今更、どうして美大なんかに入れたのかが不思議だ。

でもきっと私は、この問題の答えを出すまでは次に進めないと気づいた。
今日も変わることができなかった、今日も私は人間の屑だ、と自分を責めることでは、先に進めない。当たり前だ、その先に行くところがわからないんだから。

穴の底から空を見上げて上に、上に、と飛び跳ねたって一生そこから抜け出せない。足場を見つけて、出口までのルートを知らなきゃいけない。見極めなきゃいけない。それは私にとってはとても、非現実的に思えるほど難しいけれど。


もしかしたら、私がホソクさんを好きな理由は、そういうところかもしれない。
きっと彼は、自分の好きなものをよく知ってる。自分の行くべき道を見据えてる。
私がなりたい、人間としての理想像が彼なのかもしれない。
あるいは、こんな、彼とは正反対の私をそばで見守っていて欲しい人、という認識かも。

今までは彼みたいにはなれないから、ジミンくんみたいになろう、と思っていたけど、私の勝手な認識の中でジミンくんみたいになるってことは結局、ただ焦ってすべて無駄になるだけだった。

ホソクさんはどんなことを思ってこの一年を過ごすだろう。
私は自分勝手な人間だから、本音を言うと、彼を私は利用したい。彼を利用して、幸せになりたい。
だから、こんなことを言うのは烏滸がましすぎるんだけど、でも、一緒にたくさん幸せになろう、と言いたい。もうあなたは幸せかもしれないけど、だったら私のためにもっと幸せになって。

お誕生日おめでとう、ホソクさん。来年には、あなたがなぜ好きなのか、ちゃんと言えるようになってたらいいな。

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