それでも、それでも。

久しぶりに美容院に行った。一度タイミングを逃して、ずるずると先延ばしになっていたのだが、年も明けたことだし、と。
髪質は、自分の中で気に入っているところ、ふたつのうちのひとつ(ちなみにもうひとつは、右手の小指の爪の形)。
自分はどう頑張ってみても自分でしかいられないのだから、なるべく、気に入っておきたい。実際はずいぶん難しいことなのはわかっているけれど。

「自分のコンプレックスになっていることには、たくさん手をかけてあげると好きになっていけるよ」

と、いうようなことを、聞いた覚えもある。それが上手にできるようになったら、とても素敵だと思う。
もちろん、どうにもならないことだってある。割り切り、折り合いをつけねばいけないこと。もしかしたら、そんなことのほうが多いかも知れない。

自分で言ってしまうのも情けない話だが、私はあまり生きやすくはできていない、と思う。些細なことで落ち込み、酸素が足りないなどと騒ぎ、打ちのめされて塞ぎこむ。好きになれるところなどなかなか浮かばない。

それでも。
それでも、だ。

希望的観測というものを捨てられもしないので。いつかきっと、を大事に抱えていくのだろう。ほどほどに諦めてしまうほうが楽であることにも、気がついていて。

それでも、
それでも、と。

おまじないみたいに。もういい歳になっているのにいつまでも、と苦く笑って。
今年の「こうなりたいリスト」に、もう少し自分が好きになった自分、を書き加える。
さらさらに仕上げてもらった髪を撫でながら。


ここまでお読みくださり、ありがとうございました