ひとときでいい、魔法をかけて
眠たいまぶたのうえで
眠たいきみの声をきく
ふれている場所から融けてゆくね
禁じられてみるのは容易くて
猫の真似してはしゃぐんだ
ほら、どこまでも満ちている
ひどく優雅に永遠を食べよう
散らばるばかりの音符は
背伸びしたヒールでは追えない
誰もいない喧騒の中
見つけてほしくてリボンを落とす
お気に入りのフレーズを教えて
ひとときでいい、魔法をかけて
今だけは、いまだけは
打ち鳴らす手拍子
やがて雨 溶けはじめて
「ほら、隠してあげる。」
涙を包み込むのは
どこまでも透き通ったままの
ああ、わかっているのでしょう
きみのおんどをちょうだい。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました