一緒に雨宿りをするために


星の降る夜に
花も降った
くるりと広がるスカートに
きらめきとはなやぎを施して
ふれていい、と尋ねる前に
約束がほしかったのだろう
月色の瞳が泣いていたから


こころの輪郭をなぞる
まだ眠り足りない、と
枕元に置いたぬいぐるみの
黒くつややかな
その世界を覗きこむために
必要なおまじないを忘れてしまって
裸足のまま、走ろうとしたの


雨音に紛れて、歌を。
君には届くはずもなく
軽やかなふりをして
踊ってみる足取りばかりが
本当の心を透かしている
一緒に雨宿りをするために
この体温があるならいいのに


ここまでお読みくださり、ありがとうございました