手作りの永遠を信じていた


溜め息でふくらんでいた
しゃぼん玉がぱちんと割れる
星がこぼれたように見えたのは
きっときっと錯覚なのだけれど
少しだけ優しくなった空気が
頬を撫でたから許したくなる
深呼吸をすれば空の匂いがした


「あのね実はね」
耳元で囁かれるお話
秘密ばかり食べているのは
長い三つ編みの女の子
約束をした小指に
白詰草を結んで
手作りの永遠を信じていた


声が見える季節だから
微笑みはどうかやわらかく
頬が冷えたと言うのなら
赤いリボンを贈りましょう
祈ることも、願うことも
思うよりはたやすいのです
例えば、そう、そのてのひら。


ここまでお読みくださり、ありがとうございました