見出し画像

飲食店の経営において、最も大事なこと

宇宙一外食産業が好きな須田です。

セールスの大切さを深くご理解いただいていない方がいらっしゃいます。

多くのお店で、「おすすめは苦手で、お客様の好みも分からないし、断られるのがわかっているし、第一どうやってやればいいかわからないので」と、聞きます。

異口同音にこのようなお話をなさいます。

そのお気持ちは理解出来ます。
おすすめをして煙たがられたらいやな気分になりますし、それが原因で二度とお客様が来店しなくなったりしたらどうしようかと考えてしまいますよね。

でも、シッカリとおすすめして売りきっているお店もあります。
お客様からの支持も集めて、繁盛しているお店もあります。

飲食業界に限らずこの国では、セールスを教わる機会が少ない気がします。

私は、若い頃がたまたまバブルだったせいもあり、高級品をおすすめして販売する楽しさを知ってしまったので、セールスに対する拒否感が無くなりましたが、このような経験は中々出来るものではないと思います。

ただ、セールスのテクニックを手に入れると、扱い品目に制限はなくなります。
どのようなものでも売れるようになります。

今日は、本の中にもセールスについて書いた箇所があるので、その部分をご紹介します。

法則19
マニュアルや台本を使わずにスタッフがおすすめ上手になる方法

・おすすめのセールストークは、個々のスタッフに「自分の好きなもの」を
「自分の言葉」ですすめるように作ってもらいましょう。
・セールストークには、「ポーション」「味の方向性」「シズル感」のうち
最低2つを入れるようにしましょう。


--------------------------------------------------


自分の気持ちを自分の言葉で伝える

「今日、初めて売り方がわかりました。こんな簡単で楽しいものだったんですね!」
――これは、私のセールステクニック講座を受講した鹿児島県の定食屋さんのパートの方たちからいただいたお言葉です。彼女たちが目を輝かせて楽しそうにおすすめをした結果、このお店の売り上げはかなり増えました。
 おすすめを成功させるためのシンプルな方法があります。
 もちろん商品自体が心からおすすめしたい商品であることが前提ですが、私がお教えするおすすめのテクニックはマニュアルや台本などは使いません。個々のスタッフが自分でセールストークを作り出すものです。
 しかも、お店が決めた「おすすめ商品」ではなく、各人が心から紹介したいと思ったもののセールストークを作ってもらいます。
 そのためにはまずは、試食をして、自分が気に入った商品、お客さまにおすすめしたい商品を決めます。
 次に、「なぜその商品をおすすめしたいのか」の理由を説明してもらいます。そのときに出る素直な感想、つまり一消費者としての感想が、そのままその人のセールストークになります。

 ただし、セールストークには次の3つの要素のうち、最低でも2つを入れてもらうルールにしました。
 3つの要素とは「ポーション」「味の方向性」「シズル感」です。
 ポーションとは量のことです。「一口サイズ」「みんなでシェアできる」「山盛り」「メニューには3種類と書かれているけれど、実は5種類が提供される」などです。
 味の方向性は、「爽やかな酸味」「しびれる辛さ」「甘さは控えめ」などです。
 シズル感は「キンキンに冷えています」「鉄板でジュージュー」「外側がカリッとして中はトロっと」「フワフワしている」などです。

 このうち最も大切なのが、シズル感です。
 シズル感はイメージが浮かぶように伝えるのがコツです。
 たとえば、「トロっ、と」だったら「何かが溶け出している」、「ジュージュー」だったら「肉汁がじわりと出てくる」絵が浮かぶといった具合です。
 人間は70%以上の情報を視覚から得ているといわれているので、視覚化しやすい言葉は伝わりやすくなります。
 セールストークを聞いたお客さまは、それが本当かどうかを確認したくなってオーダーします。そして「本当にトロトロだ」「肉汁たっぷりだ」ということであれば、「損しなかった」「だまされなかった」「後悔しなかった」その結果、「このお店は間違いがない」となるのです。
 ここで注意していただきたいのは、重要なのは単にそれっぽいセールストークを言うことではなく、スタッフが自分の気持ちを自分の言葉で伝えることです。
 また、3つの要素は毎回まったく同じ言葉で説明する必要はありません。そのときの自分の感情に応じて、自然と出てくる言葉で伝えればいいのです。

おすすめするとお客さまもスタッフも楽しくなる

 では、ここまでのまとめとしてセールストークの例を挙げてみます。

--------------------------------------------------
 おすすめというよりも私の好きな料理でいいですか。
 私が好きなのは○○です。この前、試食したんですけど、
鉄板の上でジュージューと焼かれて、外側がカリッカリで、
食べると中から“とろ~っ”としたチーズがあふれてフワトロが楽しめます。
 ナイフを入れてパカっと割るとチーズが “とろ~っ”と出てくるんです。
みんなでシェアできるので、アルバイトの子たちに大人気で、
私は大好きです!

--------------------------------------------------

 いかがでしょうか? 思わずイメージがわいてきませんか?
 店員は自分の感想を言っているだけにもかかわらず、聞かされたほうはこの料理に興味がわきますよね。
 ここでのポイントは、おすすめしているのではなく、料理のお披露目なので、売り込み臭が一切ありません。だから、お客さまはワクワクするのです。
 ワクワクさせたあとに、「いかがですか、ご注文なさいますか?」とお客さまの判断にゆだねるクロージングをかける。
 この場合、お客さまがオーダーしてくれなくてもOKです、なぜなら、スタッフは自分の大好きなものを表現できて、その会話をお客さまと一緒に楽しめたのですから。それで十分なのです。
 オーダーをする/しないは、お客さまにおまかせすればいいのです。
 むしろ、そのほうが興味を持っていただけるし、すすめられたというプレッシャーもないので、気軽にオーダーしていただけることが多いのです。
 このセールストークができるようになったスタッフは、「おすすめするのが楽しくて仕方ない」という状態になります。

法則の19番目です。

noteの記事でも何度の触れているセールステクニックですが、ここで紹介しているスクリプトはあるイタリアン業態をサポートしたときの19歳のアルバイトの女性が話してくれた内容を元に書いています。

それまで彼女はおすすめをしたことが一度もなく、おすすめをするということが頭になかったそうです。

お客様におすすめを聞かれても「少々お待ちください 店長に聞いてきま~す!」と、店長から聞いたことをお客様に伝えていただけだったと言っておりました。

でも、みんなで試食をして、商品についての感想を言い美味しい理由を知り、商品のUSPを理解して、自分の言葉で商品のお披露目をしてくれました。

何より、このお店の商品のこと、チーフ(料理長)の料理への情熱が知れたことが一番うれしかった、自分もこのお店のメンバーなんだと、そんな気持ちに成れましたと、言ってくれました。

短時間の練習で再現性が高まり、やってみたい、おすすめをしてみたいと思ってくれたようで、本当に楽しそうに自分の好きな商品をお披露目していました。

お客様からオーダーが入った時の喜んだ顔は忘れられません。

今は地方の企業に就職しましたが、「面接で一番だったとほめられました、このお店で働いたことが面接で役に立ちました!」と、話してくれました。

おすすめを学んで、仕事が楽しくなって、お客様と繋がれて、お店の仲間とも繋がれて、そんなことが現実になるおすすめトレーニングを導入してみませんか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?