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余白の美 | 空間に与える魅力と効果

『理論と感性から考えるインテリアデザイン』
をコンセプトに空間提案をしているSudoh Designです。

子供の頃、近所のお寺に習字教室があり兄弟と通っていました。
日本人の一般家庭で育った私は宗教とは無関係な家柄で
礼拝供養の仏堂は物珍しく、お線香の香りがするお寺は特別な場所でした。

また、大人も子供も同じように机を並べ学ぶことは
同じ歳の子達で教室に詰め込まれてた学校とは違った空気がありました。
時には母も一緒に学び、家族でお世話になっていました。

教室では、お住職である先生のお手本を見ながら
真似て書を揮毫(きごう)しておりました。
その時にたびたび言われたことがあります。

『よく見て真似なさい。
どのように書かれているかではなく
半紙の余白がどうなっているかを見るのですよ。』

美しい書は余白のバランスが良いから綺麗に見えるのです。
半紙の白と墨汁の黒のバランス。
つい書かれている文字としての墨汁の線を目で追ってしまいますが
上達のために見るのは “ 余白 ” なのです。


空間デザインにおいて、余白は美しさを引き立てる重要な要素です。
適切に配置された余白は、空間全体の調和とバランスを促し、心地よい雰囲気を作り上げます。
では、余白が空間に与える魅力と効果を詳しく解説していきます。


視覚的なゆとりと開放感

余白は、空間に視覚的なゆとりと開放感をもたらします。
部屋に大きな余白があると、そこにはっと息をのむような広がりを感じます。このゆとりが、心にも余裕をもたらし、リラックスできる雰囲気を作り出します。


焦点の強調とデザインのバランス

適度な余白があることで、特定の要素やデザインの焦点を際立たせる効果があります。
例えば、美しい絵画やアート作品がある壁面を囲む余白は、その作品をより引き立たせます。また、余白はデザインのバランスを保つのにも役立ちます。
あまりにも詰め込まれた空間は、目が休まる余地がなく、不安定な印象を与えますが、適切な余白があることで調和の取れたデザインが実現します。


心理的な安らぎとリラックス効果

余白がある空間は、心理的な安らぎやリラックス効果をもたらします。
狭苦しい空間や、あふれるほどの家具や装飾品が詰め込まれた空間よりも、余裕を感じられる余白のある空間のほうが、心にゆとりを与え、ストレスが軽減されます。


機能性と使いやすさ

余白が適切に配置されると、空間の使いやすさが向上します。
家具や物品が適切な間隔で配置されると、動線がスムーズになり、日常生活が快適になります。
また、余白があることで、物品を置く場所が増え、収納や整理整頓がしやすくなります。


明るさと開放感の演出

適切な余白が確保されると、光の反射が増え、空間全体が明るく開放感のある雰囲気になります。
例えば、窓際に広い余白をもたせることで、自然光がしっかりと部屋に差し込み、明るく爽やかな雰囲気を演出します。


まとめ

余白は空間デザインにおいて、美しさと機能性を両立させる重要な要素です。
適切に配置されることで、空間全体の魅力が引き立ち、快適で心地よい居住空間が実現されます。

空間における余白の大切さを理解し、その美しさを活かすことで、より魅力的な空間を作り出すことができます。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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