蒲公英が土に綿毛を撒くような ~月刊うたらば「土」に応募した歌たち~

月刊うたらば「土」に応募させていただいた歌たちです。残念ながら採用はありませんでしたが、自分にとってはどれも大切な作品なので、ここで紹介させていただきます。

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犬は死後、花壇の土に溶けこんで育む側の喜びを知る

永劫に生命体を知らぬまま土星は今日も死を司る

撃ち殺し記憶の土に埋めた過去が咲かす光の色の蒲公英

雨雲は豪雨を土に打ちつけて傷つくだけの性交でした

やっと知る盛られた毒は母なりに土に肥料を撒いたつもりと

父からの不器用な愛ぽつぽつと種を土へと落とすのに似て

蒲公英が土に綿毛を撒くようなセックスをするのでしょう君は

土を這う 同情されないため敢えて気持ち悪く生まれた命

「もうちょっとじっとしてれば土曜日にてりたま出るよ。ねえ、希死念慮」

生まれ落ち、生き、育ち、老い、死に、土に還り、生まれる。花に生まれる

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以上です。読んでくださり、ありがとうございます!来月の月刊うたらばでの採用を目指して頑張ります!

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