学習する人のためのファクトフルネス-あなたの学習を邪魔する10種の本能-
学習者が陥りがちな10種の誤った思い込みをまとめました
自分の学習を振り返ってみてください
(「ファクトフルネスの内容を学習者向けにまとめたものです」)
①分断本能
この世は二種類の人間に分断されているという思い込み
頭の良い人と頭の悪い人
センスがある人とセンスがない人
にこの世は分断されている、という思い込み
学習指導を日々行う立場として言えるのは
頭の良い人、悪い人というのはありません
たくさん練習した人と、練習してない人がいるだけです
逆に言えば、練習すれば解決するケースがほとんどです
②ネガティブ本能
「自分の状況がどんどん悪くなっている」という思い込み
全然伸びてない気がする
自分だけ落ちる気がする
という気持ちになりますが、多くの場合特に根拠があるわけではありません
伸びた部分やできている部分もあるのに、
できない部分ばかりを気にしてしまうのは本能です
③直線本能
今のペースがずっと続くという思い込み
新しい学習を始めるとき、始めたばかりの時期と、慣れてきた時期で学習のペースは異なります
自転車に乗れるようになったばかりの頃は、最寄り駅まで行くのも大変だったはずです
でも今では何の苦労も感じないでしょうし、スピードを出して乗ることもできますよね
勉強を始めた時、
「こんなペースでは間に合わないのではないか」
「時間が足りないのでは無いか」
という思いに囚われて、手を止めてしまうことがありますが、
あなたの学習速度はやるほどに速くなっていきます
直線本能にとらわれず、初めのうちは時間がかかること、学習効率はやるほど向上していくことを認識しましょう
④恐怖本能
危険ではないことを恐ろしいことのように思い込んでしまいます
受験に落ちることを命を失うことのように感じ、模試の点数が悪ければこの世の終わりのように振る舞うことがあります
実際には誰も死にませんし、この世は終わりません
過剰な恐怖心は学習を妨げてしまいます
別に失敗しても死ぬわけじゃ無いし
失敗してもまたチャレンジすればいいや
くらいに捉えていた方が、学習に取り組みやすく、かえって上手くいくものです
⑤過大視本能
目の前の数字が決定的なものだと思いこんでしまう
数学のテストで100点満点中30点だった場合、どう感じますか?
低い、ダメだ、平均点くらいは取らないと
など、色々思うでしょう。
前々回のテストが0点、前回のテストが10点、今回のテストが30点だったとしたらどうでしょうか?
この生徒は確実に成長していますし、今後も伸びていく可能性は十分あります
しかし、30点という結果だけを見ればネガティブに感じてしまいますね
あらゆる数字は分析の仕方次第でポジティブにもネガティブにもなります
目の前の数字にとらわれず、落ち着いて分析していきましょう
⑥パターン化本能
一つの例がすべてに当てはまるという思い込み
早稲田に受かった◯◯先輩はこの時期過去問をやっていたらしい
慶応に受かったお兄ちゃんが、このテキストは意味ないって言ってた
よく聞きますし、よく言いますよね
◯◯さんちのお子さんは模試を沢山受けていたそうだけど、あなたは受けなくていいの?
というパターンもありますね。
正直人によります。
残り期間が3ヶ月で、アルファベットが書けないけど、志望校は慶応な生徒と、
残り期間が2年で帰国子女で英語がペラペラで、青学に行きたい生徒では、
学習する教科も時間もテキストも受けるべき模試の種類も何もかもが違うでしょう
低血圧で朝が弱い生徒に対して「朝勉強する人の方が合格率が高いらしい」と言って無理矢理起こしても、良い結果は得られないでしょう
睡眠不足で学校の授業中に寝てしまう、みたいなことになれば非常に効率は悪いです
一つのパターンがあなたに当てはまる可能性は低いです。
有村架純さんが着ていた服を着たからといって女優になれるわけじゃないですよね?
ジャニーズっぽい髪型にしても、ジャニーズに入れるわけではありませんし…
自分の現状と目標とを考え、自分だけの道を歩んでいきましょう
⑦宿命本能
すべてはあらかじめ決まっているという思い込み
結局受かるのは地頭の良い子
素直な子だったからうまく行ったのよ
高校選びを間違えたから大学受験も失敗したんだ
よく聞きますね。
地頭は存在しないですし、素直だろうとひねくれていようと勉強すれば受かります。
(性格の悪い高学歴の人、身近にいませんか?)
受験で必要な知識はどこでも学べます。YouTubeでほとんどの科目の授業を受けることができますし、本屋にいけばありとあらゆる知識を得ることができます
あらかじめ決まっていることなど何もありません。
これから次第で何もかも変わります。
⑧単純化本能
結局◯◯ってことでしょ?という思い込み
英語なんか英単語さえやればいい
日本史は結局教科書だけ読めばいい
あるあるフレーズですね
たしかにそう言えなくもないですが、
試験の内容によっては英単語以外にも必要な知識はあるでしょう
人間は楽をしたい本能で、あらゆることを単純化しがちです
「結局顔だよね」
なんていうフレーズは、単純化本能の極みですね。
世の中にいろんな人がいるように、何事も色んな要素が混ざって成り立っています
単純化して思考停止に陥らないようにしましょう。
⑨犯人探し本能
誰かを責めれば解決するという思い込み
学習がうまくいかない時、犯人探しがはじまります
担任の先生が冷たいからやる気が出なかった
お母さんがうるさかったから集中できなかった
塾の先生の説明が速すぎてついていけなかった
「あいつのせいだ」
という思考は本能的なものです
その人に対して怒っても学力が伸びることはありません
怒るよりも真の原因に目を向けるようにしましょう
⑩焦り本能
今すぐ手を打たないと大変なことになるという思い込み
新しく塾に入って1ヶ月、2週間前に受けた期末試験の結果が返ってきて、赤点だらけだった時
この塾では結果が出ないかもしれない
すぐ手を打たないと、ということで塾を変えたり、家庭教師を増やしたり
というケースはよくあります
模試の結果が返ってきてから急に焦り始めたりしますが、
模試を受けたのは2ヶ月前で、今のあなたの状況を表しているとは言えません
どうせ焦るなら模試を受けた時に焦るべきですね。
教材を変えたり、塾を変えたり、手を打つことで安心したくなる気持ちはわかりますが、
焦ってコロコロ方針を変えてしまうことが、うまくいかない原因かもしれません。
沢山当てはまった人は、長期的な目線でサポートしてくれる人が必要です。
そう言われてもどうしていいかわからない、という場合にはコメントに質問してくださいね!
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