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娘が教えてくれた、人間本来のパワー。

 娘とふたりきりの夜。冷たいリビングの床に寝転がってぼくは、「お父さん、泣いちゃうよ〜」とおどけて、袖を目に当てて涙をぬぐいました。目の前では娘が椅子につかまって、小さな足をプルプル震わせながら立ち上がろうとしていたのです。

 彼女はついさっき、立ち上がることに失敗して、硬い木の椅子に頭をゴツン。急いで抱きかかえてぶつけたところを撫でてあげている最中もワンワン泣いていました。泣きやんだからとそばに寝かせると、またむくっと座って、えへへと笑ったかと思うと、また椅子のところまでずりずり這っていきます。また椅子をつかんで立ち上がろうと試みはじめました。

失敗して痛い目にあったって、
思いっきり泣いて、ニコッと笑って、
また立ち向かう。

 あぁ、これこそ人間本来の姿なんだよなぁ、娘がそう思い出させてくれたのです。失敗や痛い目に合うのを恐れて、うじうじしている自分がなんだか恥ずかしくなりました。

 きょうの「末吉さんの文章喫茶店のようなところ」では、人間が本来備えているパワーの取り戻しかたについて書きました。いつも行き先、つまり結論は決めずに書きはじめるのですが、「はぁ〜、きょうはこういう締めになりますか」と自分でもびっくりしました。それでは、ごゆるりとどうぞ。

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