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【ふるさと納税】おすすめのブランド豚肉10選とその選び方を解説

「ブランド豚っていっぱいあってよく分からない」
「それぞれどういう特徴があるんだろう」
「選び方のポイントを知りたい」
ふるさと納税の返礼品で多くのブランド豚を受け取りたい人の多くはこうした悩みを抱えているのではないでしょうか。
この記事では食肉関連の会社に勤務し養豚場での業務経験もある筆者が、ふるさと納税の返礼品としておすすめのブランド豚を10商品ピックアップし、それぞれの特徴について紹介します。
ぜひ最後までお読みください!


ブランド豚の差別化ポイントは品種・飼料・飼育方法の3つ


ブランド豚の生産者は主に以下の3つの観点から一般の豚肉との差別化を図っています。
1.品種(血統構成)
2.飼料(えさ)
3.飼育および管理方法
これらの3つの要素において、ほかにはない特徴をもって生産された豚肉がブランド豚を名乗ることができます。
スーパーなどで売られている豚肉は生産性を重視して作られているのに対し、ブランド豚は地域の環境や特性を活かしつつ「味」を追究して飼育されています。
日本には現在400種類以上のブランド豚が存在しますが、それぞれに生産者さんのこだわりが詰まっているため、さまざまなブランド豚を味わいその違いを感じていただきたいです。
ふるさと納税では返礼品としてその地域の名産品などがもらえます。節税効果もあることから返礼品として高級なものを選ぶ人も多いですよね。
畜産業は地域に根ざした産業であるため、返礼品には多くのブランド豚が用意されてます。
そこでここからは「品種」「飼料」「飼育環境」の3つの要素に分けてふるさと納税の返礼品としておすすめしたいブランド豚について紹介していきます。


【ふるさと納税】品種にこだわって生産される希少価値の高いブランド豚


肉質には品種つまり血統構成が大きく影響します。そこでここでは生産者のこだわりと長年の研究によって作られた特徴的な血統をもつブランド豚を5つ紹介します。
(ちなみに豚の品種や血統についてはこちらの記事で詳しく解説しています。)


1.「鹿児島県南九州市『かごしま黒豚 さつま』」ブランド豚の王道

「かごしま黒豚」はいわずと知れたブランド豚の1つです。
国内で生産される豚のほとんどは経済性を重視した交雑種であるのに対して、かごしま黒豚は肉質に優れたバークシャー種の純粋交配により生産された豚を指します。
黒豚は他の豚と比べると筋繊維が細いため歯切れのよい食感があり、さらにグルタミン酸やイノシン酸といったうまみ成分を多く含んでいるのが特徴です。

さらにかごしま黒豚のおいしさには飼料も関係しているのです。
かごしま黒豚の基準として甘しょ(さつまいも)を10~20%以上配合したえさを60日以上与えることを定めてます。
甘しょを添加することで脂肪の質が良くなり、抗酸化作用のあるビタミンEが増加することも分かっています。

このようにこだわりの品種と飼料で育てられたかごしま黒豚は、歯切れのよいさっぱりとした味わいがするでしょう。
ブランド豚の王道ともいえるかごしま黒豚をぜひ1度は食べてみてください。


2.「沖縄県南城市 『あぐー豚』」島人がよみがえらせた豚

あぐー豚は沖縄在来種で世界的にも希少価値の高い品種です。戦後に頭数が激減してしまいましたが、沖縄県と地元農家の懸命な努力と管理によりよみがえりました。
現在は一般的な交雑種(LW)に、あぐー豚の雄を交配させることで安定的な生産が行われています。

あぐー豚の特徴の1つは脂肪の融点が低く、口の中で脂がとろける食感があることです。さらに霜降りの割合も一般的な豚肉よりも多いため、肉の柔らかさや脂のうま味、甘みを感じられます。コラーゲンも豊富なことから美容や健康にも良い、女性を中心に話題になっています。

あぐー豚特有の脂の甘み、口どけをぜひ体験してみてください。


3.「長野県飯田市 『幻豚』」今や絶滅危惧種

今では国内でほとんどみられなくなった「中ヨークシャー種」を交配させて生産した豚肉です。
中ヨークシャーは昭和の日本では主流の品種でしたが、より経済性の高い品種の台頭により飼養頭数が激減しました。
しかし、中ヨークシャーの肉質の良さに注目した飯田市の農家の努力によりブランド化に成功したまさしく幻の豚です。

飯田幻豚の特徴は真っ白できれいな脂身と赤身のきめが細かいことが挙げられます。これは中ヨークシャーだからこそ出せる肉質といえます。
そのため口当たりがよく、脂のしつこさがない豚肉になっています。脂身が苦手という方でもおいしく食べられるのでおすすめです。

養豚業界では絶滅危惧種ともいえる中ヨークシャーの豚肉をぜひ味わってみてください。


4.「岩手県花巻市 『白金豚』」一般には流通していない希少な豚

花巻市を代表するブランド豚でプラチナポークとも言われていますが、通常はレストラン用に生産されていることから一般には流通していません。
ふるさと納税だからこそ手に入る貴重なブランド豚です。

品種はランドレースと大ヨークシャーの交雑種(LW)に黒豚で知られるバークシャーを交配させています。
母親由来の赤身のすっきりした味に、父親由来の脂肪の厚みとうま味が重なった非常にバランスの良い肉質が特徴です。
さらに国産のトウモロコシを使用したえさと、奥羽山脈から流れるミネラルたっぷりの水を与えており、地元の自然にこだわって大切に育てられた豚です。そのため、豚本来の自然なうま味や食感が感じられます。

品種はもちろん飼料や飼育環境にもこだわりのある総合力の高いブランドです。


5.「静岡県富士宮市 『ルイビ豚(LYB豚)』」唯一無二の血統構成

名前が特徴的なブランドですが、これは交配させている品種に由来しています。ランドレース(L)、中ヨークシャー(Y)、バークシャー(B)の3原種をかけ合わせて生産されており、それぞれの原種の頭文字をとってLYB豚(ルイビ豚)と名づけられました。

この3つを交雑させることは非常に珍しく、まさに唯一無二のブランド豚です。
長年の研究からそれぞれの品種の良さを最大限に引き出した血統構成になっており、しっかりとした赤身の食感と脂の口どけの良さ、濃厚なうま味が詰まっています。

飼養環境についても富士山麓で飼育し、空気・水・気候にまでこだわったまさに最高級のブランド豚です。
豚肉のみでの調理でも十分おいしいですが、脂から溶けだすうま味は他の具材の美味しさも底上げするため、どんな料理でも堪能できます。


【ふるさと納税】特徴的な飼料で差別化をはたしたブランド豚


飼料は豚肉の成分に非常に大きな影響を与えます。豚肉の味わい、香り、脂の甘みなどさまざまな部分が飼料によってコントロールされています。
さらにその地域特有の原料が使われることが多いため、ブランド豚の中でも飼料の要素から差別化をしているものが最も多いです。


6.「宮崎県都城市 『きなこ豚』」植物由来のまろやかな甘み

養豚の一大産地である宮崎県のブランド豚で、その名の通りきなこを加えたオリジナルのえさで育てられた豚です。

きなこのような植物性タンパク質を多く含んだえさで育てると、脂臭さが軽減されサッパリとした味わいが特徴です。
さらに、きなこに含まれる植物性脂のリノール酸は融点が低く、口に入れるとまろやかな甘みが広がっていきます。

柔らかさと甘みがおいしさを生み出しており、しゃぶしゃぶやとんかつとして食べることで素材のおいしさをより感じられるでしょう。コクのある旨味に対し、脂っぽさがないため年配の方なども食べやすい豚肉です。


7.「香川県三豊市 『オリーブ豚』」フルーティーな味わい

オリーブの名産地として知られる香川県で生産され、オリーブオイルを絞った後の果実を給与して育てた豚です。

オリーブに含まれるオレイン酸やポリフェノールなどの抗酸化成分によって健やかに育った豚は、赤身のしっかりした肉質に仕上がります。
さらにオリーブ飼料を給与すると果物に含まれる果糖(フルクトース)の量が通常の豚肉と比べ多いことも分かっています。

豚肉のしっかりとした食感の中にフルーティーな味わいが感じられる特徴的なブランド肉です。


8.「青森県つがる市 『つがる豚』」地産地消のエコフィード

青森県つがる市の木村牧場で生産された豚です。
特徴は津軽りんごの搾りかすや20種類以上の食品残渣を原料にしたエコフィードに、津軽のお米を40~60%以上配合した地域の特徴を活かした飼料で育てています。

これらの飼料を与えた結果ビタミンB1、オレイン酸、グルタミン酸を多く含んでおり、赤身が柔らかく脂肪に甘みがある豚肉ができます。

また、2021年に開催された「食べるJAPAN美味アワード2021」において特別賞を受賞したブランド豚です。
資源循環や地域密着型の生産体制も非常に魅力的ですね。


【ふるさと納税】他にはない飼育方法で育てられたブランド豚


美味しい豚肉を作るには、豚にどれだけストレスを与えずに育てるかが非常に重要です。
ここでは豚をより快適な環境で育てるために、特別な飼養管理を行って生産されたブランド豚を紹介します。


9.「千葉県東庄市 『林SPF豚』」徹底した衛生管理でストレスフリー

SPFとはSpecific Pathogen Freeの略で、SPF豚特定の病原菌を持っていない豚です。病気によるストレスがなく、ワクチンや抗生物質の使用も抑えられるため、非常に健康的に成長します。
SPF豚を名乗るには、日本SPF協会が定める厳しい基準のもと徹底的な防疫と衛生管理が求められるため、まさに養豚業界の精鋭ともいえる豚なのです。

ストレスが少ない環境だと豚は順調に発育するため、えさに発育を促進するような素材や油脂を添加する必要もありません。そのため余計な臭みは少なく、純粋な肉の旨味と脂の甘さ、軽さが特徴的です。

安全・安心な豚肉であり、素材の味を活かしたシンプルな調理法がおすすめです。


10.「北海道厚真町 『放牧豚』」自然な環境で育った豚

日本では珍しい自然放牧で育てられた豚です。
豚は基本的に屋内の豚舎で限られたスペースの中で暮らしています。しかしファーマーズファクトリーでは北海道の広大な土地でのびのびと豚を育てており、生後90日を目安に100日以上の放牧飼育を行っているとのことです。

さらに抗生物質も一切使用おらず、限りなく自然に近い形で飼養管理がされています。そのため育った豚は、豚肉本来の豊かな味わいをもっているのが特徴です。

放牧豚は通常の豚よりも赤身が濃く、肉締まりも良くなるため適度な弾力とほどよい甘みのある脂を持ち合わせています。豚肉本来の味、食感を感じてみたい方におすすめです。


【ふるさと納税】筆者が考えるブランド豚を選ぶ時のコツ


ここまで「品種」「飼料」「飼育方法」のそれぞれの観点からふるさと納税の返礼品としておすすめのブランド豚を紹介してきました。
いろいろと説明してきましたが「結局何を基準に選べばいいの」と思っている人も多いでしょうか。そこで、私が考える個々のニーズにあったブランド豚の選び方について提案します。

例① 希少価値の高いものを食べたい人

「品種」にこだわっているブランド豚から選んでみてはいかがでしょうか。血統構成は豚肉そのものの品質を変える力があります。そのためブランドごとの違いもより強く感じられます。
品種の要素からブランド化されているものは血統的価値が高く、味も保証されています(個人の好みはあると思いますが…)。
色々な種類の豚肉を味わってみたいという人は「品種」という観点からブランド豚を探してみてはどうでしょうか。

例② 素材の味が強い豚肉が好きという人

「飼育環境」にこだわっている豚肉を選びましょう。良い環境で育った豚はストレスが少なく、豚肉本来の風味や肉締まりが良いです。そのためシンプルな調理方法でも旨味や甘さを感じられます。
私は仕事柄いろいろな豚肉を食べ比べすることがあるのですが、良い豚肉は味付けをしなくても素材の味だけで十分おいしいです。

例③ 豚肉の風味や脂っぽさにこだわりがある人

「風味が良い豚肉がいい」「脂っぽくなくてさっぱりした豚肉がよい」というような味や匂いなどに好みがある人は「飼料」に注目して選ぶといいでしょう。
風味や味、脂の溶けやすさ、栄養素などの食品の機能性に関わる部分には飼料が大きく影響しています。特徴的な原料を使うことで豚肉に新たな付加価値を生み出しているのです。
そのため、豚肉の好みがはっきりとしている方は、えさにこだわっているブランド豚の中から自分にあったものを選んでみましょう。


【まとめ】ポイントを意識して自分に合ったブランド豚を見つけよう


ここまでふるさと納税の返礼品としておすすめするブランド豚について紹介してきました。
ブランド豚を選ぶときに見るべきポイント以下の3つです。

  • 品種、血統構成

  • 飼料

  • 飼育環境、管理方法

これらのこだわりは豚肉そのものの食感、ジューシーさ、風味、脂の質などさまざまな特徴を生み出します。
そのため自分の嗜好にあったブランド豚を探してみるといいでしょう。

今回は10個しか紹介していませんが、これ以外にも日本にはたくさんのブランド豚が存在し、それぞれに生産者の努力が詰まっています。
この記事から豚肉に興味をもって、いろいろなブランド豚を味わっていただけたら幸いです。


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