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夏休み最後の独り言



大学生の夏休みはなんと約2ヶ月ある。7月の終わりから9月いっぱいまで。


終わる頃にはもはや夏じゃない。




もちろんバイトは多くなる。それだけちょっと大変かもしれない。

でも私の場合は教職も取っていないし選択科目の卒業要件単位も取り終わっているから、夏休みの宿題はレポート1本だけだ。

2ヶ月も夏休みがあってレポートを1本だけ書けばいいなんて、小学生や中高生から見れば、夢のよう!


そんな長い夏休みが今日で終わる。またハードな後期が始まる。



夏休みのほとんどを9月中旬の展示の制作に充てた。
バイトをかなり減らし、集中講義は取らず、遊びにも出かけなかった。
展示の制作に全集中した夏休みだった。

1日に何時間も制作をした。こんなに絵を描いたのは受験生の時以来だ。

前回の記事でも書いたけれど、自分でも、結構納得のいく良い展示ができたと思った。


そして展示が終わってからしばらくは、発送が終わっても茨木さんとの打ち上げが終わっても、なんだか「終わった実感」がなく、まるで受験が終わった後のようなソワソワ落ち着かない感じが続いた。何なんだろう。

展示が終わったらすぐに取り掛かる予定だった用事にも取りかかれないまま、ひどく緩慢な時間を過ごして、バイトに行って、ご飯を食べて、眠る生活。

自分こんなんでいいのか。

燃え尽き症候群というやつなのか……?



ようやく終わった実感が訪れて気持ちが落ち着いたのは展示終了から1週間後。


バイト帰り、一緒にご飯に行く約束をしていた高校の友人が急に体調不良になって行けなくなってしまった。

心配だなぁ。季節の変わり目、体調を崩す人が多いのだろう。

このまま普通に家に帰るか。
……いや、1人でご飯に行こう。

東京駅で降り、日曜の夜の人混みを進む。

茨木さんと展示2日目の晩に名古屋名物を食べに行ってから、私の中で名古屋ブームが起こっている。
名古屋のご飯には、何というか、とてつもない中毒性がある!

お店は駅の中にあって、行列ができていたけれども並んで、味噌カツとどて煮を食べて帰った。
濃い……!ご飯が進む味。
1杯だけお酒も飲んでみた。外で1人で飲むのは初めてだった。


ああ、終わったのか、展示……。


お店を出てからもしばらく東京駅の中を散歩した。
散歩なんて久しぶりだった。いつもは急いで焦った気持ちで歩く駅の中を、お店を、ゆっくり見て回った。何も買わない、ただ見て回るだけ。

帰り道、西の空に橙色のみかんのひと欠片のような、大きな月が浮かんでいた。

お店の前で楽しそうに話をしている人たち。
知らない人なのに、何だか温かい。

街灯も、車の灯りも、月の灯りも、星の灯りも、いつも以上に美しい。

焦りや不安がなくなったわけではない。
また新しい日々が始まる。


やらなきゃいけないことが沢山ある。
色々な締め切りが待っている。

来月の課題制作も何を描くか、まだ全く思いつかない。

授業もバイトも多くなり、どんどん埋まるカレンダー。



でも一つ、大きなことが終わってほっとしているのは確か。





夏休み最後の数日は、バイトも休み。


それにしても、堕落しすぎている。ダラダラと時間を無駄にしたり、深夜までおやつを食べては、「まあ、夏休みだし」というパワーワードで片付けてしまっている。


……あまりにひどい、これじゃ駄目だ。



夏休みが終わるまではあと数日ある!


夏休みを少しでも有意義に、学び、クリエイティブに過ごさなくてはと思い立った数日前。

まずは、何ヶ月もサボ…休んでいた通信講座の課題に取り掛かる。


コーヒーもペットボトルじゃなくて、豆から挽いて淹れてみる。
朝ごはんも毎朝食べるようにした。



30年代、40年代の古いシャンソン(というのか?)を聴きながら朝ごはんを食べるのにはまっている。


全然詳しくはないけど、なんか優雅な朝の雰囲気が出る!


古い音源特有の音質っていい。ざらっとしていて温かみがある。


あと、映画を観るようになった。


ジブリ映画、観てないものが結構多い。
意外、絶対好きそうなのに、と言われる。

昨夜は初めて「魔女の宅急便」を観た。

(これから観ようと思っている方がいたら……もしかしたら、ネタバレかもしれない)

「魔女の宅急便」、絵やストーリーはもちろんのこと、何と言っても音楽が美しい。

情景や心情を、というよりは「空気感」を、あれほど解像度高く音に置き換えるとは。

すうっと染み渡る、心地良いメロディー。

この記事も今、サウンドトラックを聴きながら書いている。
「晴れた日に」は全体を通してメインのモチーフとなっている。これは3/4拍子というだけで、もう好きだ。

そして「海の見える街」は、もはや絵画だ。

良すぎて涙が出そうになる。

良い曲に出会うと、一体どんな構造になっているのかが気になる分析オタク。

だから音楽理論には中学生の頃からずっと関心がある。
これも、全然詳しくないが。


そうそう、主人公のキキが「海の見える街」を見つけるシーンがあって、遠くから街の全体像が見えるのだけれど、幼少期に住んでいた街によく似ていてとても驚いた。

時々、それこそ「海の見える町」と呼んでいる故郷のことだ。

もちろんあんな都会ではないし小さな町だし、降り立ってみればド田舎だ。
時計塔もお店も電車も人通りも皆無。

ただ遠目の雰囲気が、どことなく似ていた。


……もう一度見返してみたら全然似ていなかった。


ジブリ映画を全部観たわけではないけれど、「魔女の宅急便」は空気感や街並みが、自分にとって一番「しっくりくる世界観」だったと思う。



この夏、鉛筆画を何枚か描いた。
そのときにヨーロッパ風の街並みを描くときに参考にしていた街がある。

そこが、「魔女の宅急便」のモデルになったのではないかと言われていたことを知った。
ほう、これも素敵な偶然。

しかも、パン屋さんも描いてた。

ごりごり、描いていてとても癒された一枚。

「いいかおり」
鉛筆画



そうして迎えた夏休み最終日の今日。

予定が結構入っていて、それも、そこそこ緊張する用事が入っている。


朝から電車で少し遠くへ向かっている。

新しい扉を叩きに行く。


この秋、新しい勉強を幾つか始める。


忙しくなるのは百も承知で、
今自分に必要なのは「同時進行力」そして「テキパキ動くこと」なんだと思う。


学年が変わるわけでも、引っ越したわけでもないのに、まるで「新生活」のような感覚がある。


また新しい日々が始まる。





独り言のような、日記のような記事になってしまいましたが、ここまでお付き合いくださり本当にありがとうございました。



秋はすぐそこ。


気温差が激しいので風邪などひかれませんよう、お気をつけください。



それではまた。

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