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一倉定の社長学

「マンガで学ぶ一倉定 社長の姿勢」が出版されたのを機に『一倉定 社長学シリーズ』を読み返してみました。シリーズ中の『経営計画・資金運用』は私にとってのバイブルです。何度も繰り返して読みました。


(1)経営計画

経営計画を明文化し社内外に宣言することで会社の未来を作り上げる、これが社長の最大の仕事であることを教えています。「将来あげられる収益」ではなく「将来あげなければならない利益」を目標に設定しこれを達成するためにとことん努力する、ことが社長には求められます。社長の考え方と行動が会社を変えるのです。

(2)資金運用計画

経営計画ではまず利益計画をを作り、次に資金を計画し、まとめの目標貸借対照表を作り上げる、という流れになります。決算書は分析するものではなく、社長の意思で作りあげるものなのです。

資金に関する計画がこの本の真骨頂です。資金には「運転資金」と「固定資金」があります。手形取引がほとんどなくなった今日ではこの本当時の状況とは異なっていますが、重要ポイントは変わりません。「運転資金」で神経を使うのは売上の増大です。売掛金と在庫が増えるのです。

「固定資金」では固定資金余裕をまず確保しなければなりません。これに影響を及ぼすのが税金支払と長期借入金返済です。長期借入金返済は設備投資の後始末です。設備投資計画を慎重にしないと後々の「固定資金」が目減りします。「固定資金」の源泉で一番重要なのが「当期経常利益」ですが、これが一番不安定です。この「当期経常利益」を利益計画でまず作るのです。利益計画が達成できないと資金ショートに陥ってしまうのです。

(3)一倉定の名言・指導

①電信柱が高いのも郵便ポストが赤いのも社長の責任である。
→外部環境変化や社員の行動も社長の責任であると考えよ。

②穴熊社長
→社内ばかりにいないで外に出て顧客の要望を社長の目で確かめよ。

③オス鮎を捨てろ
一倉先生が京都の料亭へ指導へ行っているとき、昼食に子持鮎が出ました。指導先の社長は一口食べるとすぐに料理長に電話し「献立と違うオス鮎をだすな」と叱りつけました。
→お客様の要求を満たすことは、面倒くさく能率が悪く経費が掛かること肝に銘じ、ただひたすらにお客様の要望を満たすことこそ正しいサービスである。

④塵を払わん、垢を除かん
お釈迦様が物覚えの悪い弟子シュリハンドクにお与えになった言葉です。
→環境整備こそ人々の活動の原点、十カラットのダイヤモンドがゴロゴロ転がっている宝の山である。








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