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税理士 親の家を売る

一人暮らしをしている母が老人ホームに入ることになり、空家になった家を母に代わって売却しました。


(1) 売却

・家は築40年で兵庫県の郊外住宅地にあります。昭和40年代に宅地造成をした大和ハウスグループの不動産会社に売却を依頼しました。
・中古住宅として住めないことはないのですが更地にして売却しました。近隣は新築物件ばかりの新興住宅地なので、見栄のいい更地にした方がいいと考えました。
・不動産登記簿の抵当権抹消手続をしました。住宅ローン完済時に抵当権はなくなるのですが父は手続をしていなかったのです。抵当権が残ったままだと不動産売却は困難です。
・売りに出してから1月程で売買契約が成立しました。近隣の古家付き土地の売買価格と比べて坪単価で25%程の高値での売却となりました。知合いの建設会社に支払った解体費や測量会社に支払った測量費や建物滅失登記費を差し引いても十分ペイできました。

(2) 税金

・不動産(土地や建物)を売却した時は譲渡所得に税金がかかります。譲渡所得の金額はこのようになります。
→ 譲渡所得金額 = 収入金額 - (取得費 + 譲渡費用) - 特別控除額
・取得費は土地や建物の購入費用です。取得費がわかる資料は購入時の売買契約書です。古い土地や建物の場合は何十年前の契約書が必要になります。
取得費がわからない場合は売却価額の5%を取得費とします。

母は不動産の登記簿と権利証は大切に保管していましたが契約書は雑に扱っていました。ごみ同然のその他書類のなかからようやく発見しました。契約書は譲渡所得算定の時に必要になります。権利書と同じように重要なのです。
・譲渡費用は不動産会社へ払った仲介手数料や測量費など譲渡のために直接要した費用です。
・特別控除額は一定の要件を満たす場合に適用される特例です。

・マイホーム(居住用財産)を売った時は所有期間の長短に関係なく譲渡所得から3,000万円を控除できる特例があります。「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」です。
・この特例の適用を受けるためには一定の要件があります。住んでいた家屋を売るか家屋とともに敷地や借地権を売ること(以前に住んでいた場合は住まなくなった日から3年を経過するまで売ること)などです。
・特例の適用を受けるためのみの目的で入居したと認められる家屋を売却した場合には特例は受けられません。
・この特例の適用を受けるためには、一定の書類を添えて確定申告をすることが必要です。


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