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作品のテーマ|ニューロマン ニュータウン編

私の作品のテーマは 「高度経済成長期」です。

私は物心ついてからずっと、不景気な時代しか経験したことがありません。

小学1年生の時にバブルが崩壊し、就職した年にリーマンショックが起きました。

新卒で広告代理店の営業職に就職しましたが、毎日数字を追いかけて馬車馬のように働いても一向に景気の良くならない現代社会に疲れ果ててしまいました。

新卒で就職した広告代理店でのサラリーマン時代(photo=saori ohata)

そんなある日、古い喫茶店に立ち寄ったことが 高度経済成長期に目覚めるきっかけになりました。

時が止まったかのようにゆったりと時間が流れる空間、老若男女のとりとめのない世間話、アールがかった棚やカウンター、ベルベットのソファー、カラフルでポップなデザインの照明やゴージャスなシャンデリア…。

効率化とは程遠い、豊かな空間に胸がときめきました。そのような喫茶店の多くは昭和の高度経済成長期に作られたものでした。

2012年に制作した小冊子「今年は昭和87年」より

そして、自分が生まれるより前の 「今日より明日がもっと良くなると誰もが信じていた時代」に憧れるようになったのです。

そんな 幻のような時代を独自の解釈で作品化しようと、これまで屋台喫茶店をモチーフにした作品を制作してきました。


「まぼろし喫茶」あいちトリエンナーレ2013

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