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「もの の まわり」 をみに

 「ものにはまわりがある展」ー「もの」の「まわり」と出会う14の旅

素敵なタイトルでないですか。「まわり」ってなにのこと?
もの、も、まわり も平仮名。

渋谷のHIKARIE7Fにあるd47 MUSEUMd47 museum は、47都道府県の地域の良い「もの」をとり上げた企画展をやっている。

オープン前の窓越しに吸い寄せられ、会場の中を覗いてみた。
ものを囲むようにして、まわりにいくつも、ものが置いてある。説明文もある。
時間がなかったのだけれどオープンと同時に入ってみることにした。

「もの」にはそれを取り巻く「まわり」がある (そうですよね)
「まわり」を5つに整理して、以下のように説明していた。

「地域」「仲間」「暮らし」「環境」「産業」
「地域」は、者が生まれた土地を訪ね風土を体感。
「仲間」は、つくる人、伝える人、使う人。 仲間。交流して応援する。
「暮らし」は、ものを通じて暮らしはどんなふうに豊かになるか、考えよう。
「環境」は、ものをつくりつづけていく上で、環境への配慮がある。
「産業」は、関心と愛着を持ち続けるために、ものが生まれた状況を知ろう。
(出所:D47 MUSEUM パンフレットより)

その土地らしいプロダクト、場所、食文化、活動を「もの」として捉え、その「まわり」を紹介していた。

展示会場に足を踏み入れたとき、最初に目にしたのはデンマークのハンス・ウェグナーがデザインした椅子「Yチェア」。職人技とシンプルなパーツで量産しやすくした生産体制で、世界中に質のよいリーズナブルな家具が届けられている。
この椅子が生まれた地はデンマークで、デンマークには居心地の良い空間や時間を大切にする価値観「ヒュッゲ」があり、暮らしの中でも大切にされている。
そんなことが書かれていた。


奈良の積み木「tsumi-ishi」は、不定形な形の木の塊で、優しい色合いのもの。素材の原木と木のくずが置いてあり、積み木はここから生まれたんだ、とイメージがしやすい。吉野杉や吉野桧地域で作られていること、この地域には村内のコワーキングスペース「オフィスキャンプ東吉野」をきっかけに、日本全国から20-40代のクリエイティブな人たちが100人近く集まっていてここから気の合う製作にかかわる人をみつけられること。地域資源を有効活用し、「かかわる全ての人が喜ぶ」をテーマにしていること、などの説明がきがある。50センチ四方くらいの小さなテーブル中央に、tsumi-ishi が置いてあって、その周りを囲むように、写真や現物をセットに展示してあった。

「もの」がうまれた背景(仲間はどんな人)、とプロセス(生産)、環境を大切にしていること、がたくさんの分量の文字を読まなくても、伝わってくる。
地域のキーマンを選んで、その方に地域の「もの」を選んでもらい、その「まわり」も考えてもらい一緒になって進めたのだそうだ。仲間は、クリエイターではなく、イベントには地域の主婦が活躍するらしく、地域をぐるぐるめぐって完成するのだそうです。

ほかにも、富山にある城端別院善徳寺、福島の西会津国際芸術村、沖縄の琉球紬などもの、場、活動を展示。

過去から現在、ものの背景を小さなスペースにぎゅっと詰め込んだこの企画に昨日はワクワクしました。この小さなスペースをみて、もっと知りたい、買ってみよう、この場所に行ってみたい、体験してみたい、と一瞬にして思ったから。思いがけない素敵な時間を授かりました。


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