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奈良でみつけたアートの森 - アートとデザインが新しい仕事をつくる

「映像もつくる。これは私がつくったものです」GoodJob! センターKASHIBAで活動するふーちゃんがセンターでの活動について自ら作ったパワポ資料をつかって説明してくれた。

GoodJob!センター香芝(かしば)の外観

GoodJob! Center 香芝(かしば)のこと


酷暑で35度を超える8月下旬、奈良県の香芝(かしば)にある「GoodJob! Center KASHIBA」にいた。一緒に訪問した元同僚の岡村さんと道に迷いながら5分遅れての到着。
なんとも気持ちのいいおしゃれな建物。入り口は開放感にあふれ、「カフェも併設されています。ホットドッグがおすすめ」と聞いていたそのカフェはエントランスに面しなんとも居心地が良さそう。地元の方がランチを食べに打ち合わせらしき地元の人もいる。

はりこの商品たち(干支など動物)、近隣の神社からの受注もあるという


「アート x デザイン」による新しい仕事の創出を実践し、「異分野をつなぐプラットフォームの構築」、「所得の再分配から可能性のある再分配へ」をめざしている。地域にひらかれた表現や学びの場も生み出している。ここで販売されるプロダクトは、奈良発で「日本の工芸を元気にする!」取り組みを全国的に行う中川政七商店、無印良品とのコラボ商品があり、OEM共有しているケースもあるという(無印良品とのコラボ張り子セット。限定商品らしく売り切れていた..涙)「全国から来訪者が多く、有料で見学もオープンにしています。岩手発のヘラルボニーも立ち上げの頃にはここに視察に訪れました」と運営母体である一般財団法人たんぽぽの家の小林さんが話してくれた。

無印良品とのコラボ商品「張子」


「町並みをつくるアートの森」がテーマの「Good Job Center! KASHIBA」は、2016年9月にオープンした。2017年には「奈良県景観デザイン賞」の知事賞・建築賞、グッド・デザインベスト100を受賞している。「大きなワンルーム」のようでひとの気配が感じられるひと繋がりの空間となっている。インフォメーションの裏手にあるバックオフィスもオープンスペースながら人の顔は見えないよう絶妙な工夫がされていた。

木の仕事シリーズの作品(2022年11月のニュートラ展でも展示されていた)

最初のきかっけ、ニュートラ展


同地を訪ねさせていただいたキカッケは、昨年11月、(PLACE) by method で開かれていたニュートラ展(NEW TRADITIONAL)。
「福祉と伝統工芸の可能性」に着目して新しいものづくりを考えるという展覧会だった。展示は「あえて説明を少なくし作品に自由に触れてもらって感じてもらいたいんです。必要な時にはいつでも声をかけてくださいね」と説明を極力抑えていた。障害者の作品だからという先入観をもたずに、ということだった。創造力の自由さと作品の美しく、特に、端材を素材に石で叩き、藍で加工したという木工作品は、「使い手に用途を考えてほしい」というもので素晴らしかった。
この時の記憶がずっと残っていた。ファブラボ品川の方にこの取り組みのことを教えてもらい、ご縁をいただいてニュートラ展を運営・企画する「たんぽぽの家」にたどり着いたのだ。


GoodJob!センター アトリエの様子

たんぽぽの家は、1996年には「トヨタ・アート・ムーブメント」を始動、東京都都美術館で、日本初の障害のある人の表現を公立美術館で紹介する企画室「エーブル・アート97 魂の対話」を開催するなど、”すべての人にひらかれた場をつくる”組織として、先駆け的な取り組みをしている。

創意工夫のストックルームとショップ


GoodJob! センターには50名の(障害のある方)登録者があり、1日平均30名程度の来訪者がある。
2階建ての建屋の1Fは先ほどのカフェ、工房とギャラリー。2Fにはショップ(GoodJob!で開発されたグッズ、障害のある作家さんの作品、他地域の福祉施設でつくられた商品がある)、ストックルームがある。

ショップの作品はどれも「欲しい!」ものばかりで限られた時間のなか、いくつかの商品を購入させてもらった。写真はそのうちの1つ。工房で見学させていただいた張り子の「鹿コロコロ」だ。手作業で丹念につくっていく様子も見せていただいた。手のひらにすっぽりと収まるサイズとつぶらな瞳が愛らしくて持ち帰った。

GJコロコロ鹿

さらに、驚いたのはストックルーム。「流通拠点」に当たるのだが、誰でも自由に出入りできてここからの購入も可能だという。美術館でいえば「見せる収蔵庫」ですね! 流通の機能は、上記のストックルームだけではなく、商品を販売するための写真撮影や加工、オンラインショップ、広報冊子の作成まで広範囲にわたる。冒頭で紹介したふーちゃんが説明してくれた。

ストックルーム 書籍など
ストックルーム兼ショップには魅力的なデザインの商品が居並ぶ

工房からうみだされるもの

工房ではさまざまな作業に集中している人たち。作業現場をみせていただいた。カフェの人気商品ホットドッグの元商品なのだろうGooDog や 来年の干支(龍)の張り子を製作中だった。

1枚づつ新聞紙を貼っていく作業。奥にあるのが制作途中の張り子

別建屋となる北館には、ホールとアトリエがある。ホールは創作ワークショップが開かれるなどアートをとおしたコミュニケーションが生まれる場所だった。昼時にはここでランチを取る人も。アトリエは創作スペース、制作活動に集中している人がいた。

くつろぎスペース。アートをつうじたコミュニケーションが生まれそうだ


同センターのパンフレットには「個人、企業、地域の垣根をこえ、だれもが能力を発揮できる社会の実現に向けて、さらなる提案・実践を展開する」と書かれていた。情報発信の仕方も素晴らしくそうした学びもあったのだが、地元にあったなら”泊まり木”のような場所となるとおもえた。じゃあどんな形で関われるのかなと考える。ノベルティ商品などデザイン制作の依頼もできるようだ。まずは、時間切れだったショップのオンラインショップをのぞくところからはじめよう🫶

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