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【視聴録】「光る君へ」第六話

2024年42日目。
今回の「光る君へ」、古典の知識も感性も乏しい自分にはなんとも難しかったけれど、世の中には物識りな方がたくさんいて、かつ、そうした人たちが知識を共有してくれる時代なので、助かります。

そう、ラストの三郎(道長)からまひろに贈られたあの和歌。

ちはやぶる神の斎垣(いがき)も越えぬべし
恋しき人のみまく欲しさに

・ちはやぶる=「神」という言葉を出す時の枕詞(決まり文句)
・神の斎垣(いがき)も越えぬべし=神域の神聖な場所の境界をも超えてしまおう
・恋しき人の=恋しい人を
・見まく欲しさに=「見るだろう」+「欲しい」で見たい(会いたい)

かなりストレートに、「どんな困難があろうともあなたに会いたい」と言っています。

この和歌は『伊勢物語』からの本歌取りとのこと。下記のリンクによれば、「道長は他人の歌の技巧をまねするのが得意だった」とのことなので、それをも踏まえてここにこの和歌を入れているのだとしたら…なかなか凄いドラマですね。ゾワゾワッとしました。

その元の和歌。

ちはやぶる神の斎垣も超えぬべし
大宮人の見まくほしさに

…ほぼ同じ。σ(^~^)
ただ、こちらは「宮中に使えるあの彼に会いたい」という女性から男性に送った歌とのことで、劇中の和歌より一歩引いた感じがします。(少し違うだけで感じ方がここまで違うというのは…日本語というのは、奥深いというか不思議というか。)

で、これには返歌があります。

恋しくは来ても見よかしちはやぶる
神のいさむる道ならなくに 

=恋しいのであれば来ればいい、そうして会うことは神が咎めるようなものではないのだよ

…次回予告では三郎とまひろは手を繋いでましたが、さて返歌はあるのか?楽しみです。

余談。
漢詩の一連のシーンもとても面白かったです。
具体的には、『貞観政要』を学んでいるであろう公任の漢詩での唐・太宗への言及、終わった後のききょう(清少納言)を評する若手貴族3人(公任、斉信、行成)の会話と立ち位置、ききょうの白居易への細かい言及と詠まれた漢詩の評価…
この後の話にも繋がってくると思うので、こういうシーンでの台詞は、よく憶えておくとよりドラマが楽しめるのではないかと思いました。

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