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中川勝彦/してみたい~隠れ名曲、名演コレクション。

 林哲司さん作品で思い浮かぶのは、松原みきさん「真夜中のドア」や竹内まりやさん「September」、原田知世さん「天国に一番近い島」をはじめとする、女性シンガーへの提供曲が多いのではないでしょうか。
勿論、杉山清貴&オメガトライブなどの諸作品もありますので、そう言いきるのは適切ではないと思いますけど。。

 今回は男性シンガーに提供した中で個人的に大好きな中川勝彦さん「してみたい」を取り上げてみます。

・『林哲司ソングブック』(VPCD-81401/VAP)
中川勝彦「してみたい」収録。
画像をタップすると、「してみたい」のP.V.を見ることができます。

 この曲の編曲はムーンライダーズの白井良明さんで、印象的なコーラスやエレキシタール、ギタープレイは白井さん自身によるものです。
1984年2月22日発売ですから、ムーンライダーズとしては『アマチュア・アカデミー』やクリスの『プードル』辺りとレコーディングの時期が被っていたかもしれませんね。

 白井さんのコーラスが印象的に使われているのは松尾清憲さん「愛しのロージー」、ショコラータ「いつか見た青空」、黒沢ひろみさん「不思議あげます」が挙げられますが、「してみたい」を含む4曲は偶然にも全てメジャー・デビュー・シングルなんですよね(ムーンライダーズのファンの方は全て必聴な仕上がりです)。
中でも「不思議あげます」は1984年2月25日発売ですから、「してみたい」とかなり近い時期(3日違い)だったわけですね。

 プロデューサーとしての白井さんは沢田研二さん『MISCAST』やZELDA『カルナヴァル』を担当して、頭角を表し始めた時期でもあります。
『林哲司ソングブック』のライナーノートによると、林さんは中川さんに対して「僕はヴィジュアルも含めて<デュラン・デュラン>を始めとしたUKグループの要素が彼の中にはあるんじゃないかと思って、そういうテイストを意識して書いた曲です」というのと、「特にアレンジはいい形で気に入ってます」という発言を残してます。
林さんはご自身でも編曲をされる方なので、この発言はかなり重要ですね。

 中川さんはかなりのロック・フリークで、ムーンライダーズやはちみつぱいの音楽もチェックしていたので、白井さんとのコラボレーションは長く続きました。

・「ミュージック・ステディ 1985年6月号」(ステディ出版)
中川勝彦さんインタビュー掲載。
画像をタップすると、中川さんが注目を集めた「TESS」のCMを見ることができます。

 白井さんについての中川さんの発言を引用しますと「はちみつぱいとか好きだっていう意識もあって、任せられる人でね、最近面白い人いないかと捜しまして。(以下略)」とあります。
中川さん自身で全部の編曲もやりたいと思っていたらしいのですが、アルバム『ペントハウスの夏』では1曲のみ編曲したということになりました。

・Edited by VANDA「林哲司全仕事」(音楽之友社)
林哲司さんの提供曲リスト、中川勝彦さん『From Puberty』の解説を掲載。

 一方、林さんと中川さんの関係も継続していて、中川さんの1986年発売のアルバム『From Puberty』を林さんがプロデュースしています。

 その後、中川さんのバックをベースに井上富雄さん、ドラムスに池畑潤二さんが担当してライヴを行っています。
それは1989年位だった記憶がありますから、ルースターズが解散して、二人で演奏することが可能になったのかな?と思った記憶があります。
それと、中川さんは「星くず兄弟の伝説」に出演のオファーがあったはずです。代わりにISSAYさんが出演したんじゃないかな?と。

 中川さんも亡くなりましたが、昔の作品や中川翔子さんを通じて、中川さんの記憶は私の中で残り続けるのです。

 明日もまた隠れ名曲、名演コレクションをやりたいと考えてますが、どうなりますか?
楽しみにお待ちください。

 ではまたー。

 

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