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憂歌団/どす黒いやつ~隠れ名曲、名演コレクション。

 めんたいビートの後にテクノ歌謡というのはちょっと狙い過ぎたかな?と思ったので、日本の代表的ブルース・バンド憂歌団の隠れ名曲を紹介したいと思います。

 そもそも憂歌団の代表曲って?と私の中でも迷ってしまうような疑問が頭の中に。
「パチンコ」や「おそうじオバチャン」とかのトリオ時代~初期の楽曲か?
夜のヒットスタジオに出たのはフォーライフ時代の「嘘は罪」だし、当時ライヴでやっていた「渚のボードウォーク」も素晴らしい。
ドラマ主題歌だったのは「胸が痛い」かな

もしかしたらワーナー時代の「ゲゲゲの鬼太郎」かも?
この件についてはまだまだ結論が出せません。

 それはともかく憂歌団といえばライヴだし、そんな彼らにはライヴ盤がそれなりにあります。
トリオ時代の『生聞59分』が相倉久人さんとタモリ一義(PIPERのジャケットを撮影した時もその名義でしたね)さんによるライナーも相まって、代表作になるのかな?

 これまでの記事を読んだ方ならお分かりの通り、ちょっとだけキンキーな私が選ぶのは『UKADAN LIVE '89』というアルバムが好きで、一曲というならその中の「どす黒いやつ」が一押しなんですよ。
「どす黒いやつ」は元々アルバム『気分』の収録曲で、内田勘太郎さんの炸裂するギターと木村秀勝(当時・現在は充揮)さんのヴォーカルが印象的なんですよ。
そして、花岡憲二(当時・現在は献治)さんのベースと島田和夫さんのドラムスはひたすらストイックにリズムを刻んでいるのです。
初めて聴いたのは私が高校生の時で、宝島で憂歌団を絶賛していたから、貸しレコード屋さんから借りてショックを受けた記憶があります。

 大学に入ってブルーハーツが出るライヴ・イベントに友達に誘われて行ってから、私の憂歌団熱が再び!盛り上がったのです。
その時期、フォーライフ時代のアルバムがCD化されて、彼ら初のライヴ・ビデオ『アナログ』が出たりと燃料が次々と投下されたんですよねー。

・憂歌団『UKADAN LIVE '89』(FLCF-3620/フォーライフ)
「どす黒いやつ」収録のライヴ・アルバム。
画像をタップすると、「どす黒いやつ」(スタジオ・ヴァージョン)を聴くことができます。

 ちなみにこの『UKADAN LIVE '89』はそのビデオ『アナログ』用の録音をCD化したものなんですが、「どす黒いやつ」はビデオには入っていないのです。
つまりこのCDが発売された1996年に初めてこのライヴ・ヴァージョンを聴いたというわけですね。
内田勘太郎さんのギターは相変わらず炸裂していますし、木村秀勝さんのヴォーカルも最高!ですし、花岡憲二のベースと島田和夫さんのドラムスもストイックにビートを刻んでいるのですが、ライヴのサポート・メンバーである難波正司さんのキーボードが絡んでくるのが言葉にできないくらい素晴らしいのです。

 ちなみにこのライヴにはコーラスでスージー・キムさんと佐々木久美さん(山下達郎さんのツアーにも長年コーラスで参加していましたね)が参加しています(「どす黒いやつ」には不参加)。

 『アナログ』のDVDは現在紙ジャケット盤の『Complete Best』の一枚として入手可能です。

 憂歌団の単行本、「UKADAN DELUXE」はリアルタイムで購入したものですが、奥付を見ると1988年発行とあります。昭和ですねー。

・憂歌団「UKADAN DELUXE」(白夜書房)
画像をタップすると、フォーライフ時代の代表曲「大阪ビッグリバーブルース」(『UKADAN LIVE '89』収録曲)のライヴ映像を見ることができます。

 メンバーのインタビューや座談会は勿論、仲井戸麗市さんやブルーハーツからのメッセージや、中島梓さん、山下洋輔さん、景山民夫さんの文章も掲載されている充実した本です(カバーデザインは久住昌之さん)。

 ブルースは暑苦しい、憂歌団は聴いたことないけど、ブルースに興味ないという人にも、一度くらいは聴いてほしいと思いつつ書いてたら、こんなに長くなってしまいました。ひとつよろしく。

 ではまたー。

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