【詩】今日の散歩道
どこで買ったかも覚えていない上下ねずみ色のスウェットで、湿った桜を踏み潰しながら歩く。今日はやけに風が強い。左手にはもう入居者がいないゴキブリだらけのアパート。右手にはマットレスが放置されたカラスだらけのゴミ捨て場。しわくちゃな老婆たちが杖を片手に談笑している。何をそんなに無垢に笑っていられるのだろう。その皺は何を証明しているのだろう。何を証明してきたのだろう。何だか無性に腹が立って、わざと音を立てて地面に唾を吐いた。しかし、気付きもしない老婆たちの代わりに、近くの木の根元に