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ライブレポート

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ライブレポート的な記事をまとめてみました
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記事一覧

Cornelius Performs Point

8月6日の「Cornelius Performs Point」のリキッドルーム公演にて。1曲目の「Point Of View Point」の演奏が始まった瞬間、過去の景色がフラッシュバックした。……いや、違う。フラッシュバックするのは『Fantasma』の最後の曲。戻りすぎてしまった。『Point』の再現ライブなのでここはバグを起こした、とでも言うべきか。同じ曲、違う場所、同じ人、違う風貌。 17

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9/17 OGRE YOU ASSHOLE日比谷野外音楽堂

9月の半ばにしてはだいぶ蒸し暑い夕方だった。傘マークのついた天気予報とにらめっこの末、着るつもりじゃなかった夏服に着替えて出かける。日比谷公園の最寄りのセブンイレブンに立ち寄ったらビールは売り切れで発泡酒しか残っておらず、レジ待ちの長蛇の列に並びながら閑散とした棚の一角を眺めて、なんとなく近頃の日本各地の辛い災害のことを思い浮かべてしまい、少し胸が痛んだ。会場時間よりもだいぶ遅れて到着して日比谷野

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こぼれたミルクに泣かないで

相変わらず来日アーティストのスケジュールだけはとどまることを知らずに毎月決まっていますが、自分の好きな人、興味のある人、来てほしいなぁと思う人がいても、実際本当に来るとなるとちょっと面倒くさくなったり、自分の都合の悪い日程だったりして、結局は行くのをやめたりすることがあると思います。でも生の音楽って映画みたいにいつ見てもそれ自体の質が同じってわけじゃないから、やっぱり損したくないとかあんまり良くな

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フジロック2017 コーネリアスLIVE

ステージの幕が落ちて姿を現したコーネリアスがまず最初に演奏したのは「さよなら さよなら バイバイ アディオス」という歌詞で始まる“いつか/どこか”だった。15年ぶりに観る私に向かってなんという挨拶だ、と心の中でツッコミながらも顔が緩み、軽快な演奏を笑顔でじっと見つめた。白いシャツに黒いパンツでシンプルに揃えた4人の姿はまるで測ったように等間隔に美しく並んで、このフェスティバルの1番大きなグリーン・

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2017.3.4. TEENAGE FANCLUB

六本木の駅で降りたのは10年ぶりぐらいかもしれない。
そう気付いたのは、大江戸線の長いエスカレーターを不安げに上り続けて日比谷線の改札口にやっと辿り着いた時で、そこから地上に向かうのにどの階段を登ればいいのかは表示を確認しなくてもちゃんと覚えていた。六本木通りに出てみると、相変わらず車はビュンビュン走っているし、思ったより雰囲気は変わっていなくて、麻布警察署も青山ブックセンターもお馴染みの場所に鎮

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フジロック2016 電気グルーヴLIVE

フジロック2016 電気グルーヴLIVE

長年活動している大好きなグループだし、フェスのライブレポなんて書くつもりじゃなかった。検索すればすぐにセットリストや沢山の情報を知る事が出来る時代に、メモすら取らない人間のその一瞬だけの曖昧なレポートなんて必要性がないだろうと思って。でもやっぱり、書く。何故ならそういう気持ちだから。

フジロック20周年のラインナップがほぼ出揃った後に、もったいぶるように最後の方に発表されたスペシャルゲストの電気

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小沢健二 魔法的 Gターr ベasス Dラms キーeyズ

小沢健二 魔法的 Gターr ベasス Dラms キーeyズ

魔法的のはなしのまえに、はこちら。

https://note.mu/sugersweet0416/n/n02677f221f45

2016年6月12日 Zepp Diver City TOKYO

ライブ当日。開場を待つ列。

62番という魔法的整理番号で中に入り、向かって右寄りの前から2列目を陣取る。こんなに早い番号で呼ばれることはまずないので、黙ってずっとステージの暗幕を見つめながらの1

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魔法的のはなしのまえに

魔法的のはなしのまえに

後悔している。やっぱりこの日の前にちゃんといろんな気持ちを思い出して書き留めておけばよかったと。

フリッパーズ・ギターが解散してしまい、その思いをぶつけるためにミニコミを作ったなんて言ってたくせに「音楽殺人」は手元に残っていないし、せっかく躊躇せず夜も寝ずにあーだこーだと書いてきた物のなかに、自分の核になる小沢健二について書いた文章がほとんどない。

自分の「シュガースウィート」では『球体の奏で

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