大久保祐子

音楽殺人→シュガースウィート。ひとりでブツブツと、 または誰かと音楽の話をしてるだけ。

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  • Lisztomania!

    各地に生息する音楽好きの方々にそれぞれの音楽遍歴や音楽にまつわるあれこれについてお話を伺う連載企画です。

  • コーネリアスのファンのすべて

    All About Cornelius Crazy。11年ぶりにアルバムをリリースしたコーネリアスの活動を応援するページです。

  • SUGERSWEET

    1994年〜1998年までのテクノやクラブ・ミュージックを中心としたミニコミ誌の記事を中心にピックアップ。近年書いた記事でいまもし自分がまだシュガースウィートをやっていたら載せただろう記事も追加しています。

  • FUJI ROCK FESTIVAL

    フジロックの思い出あれこれ

最近の記事

[Lisztomania!] Case 7:オタク気質とコーネリアスとドラムの話

 各地に生息する音楽好きの方々にそれぞれの音楽遍歴や 音楽にまつわるあれこれについてお話を伺う連載企画です。 ~Case 7:筒井なぎささんの話 ──まず初めに音楽を聴き始めたきっかけを教えてもらえますか? 筒井 はい。元々すごくオタク気質だったんですよね。幼稚園生の頃にいちばん最初にモーニング娘。にすっごいハマっちゃって、毎日のようにPV、MVを観たりとか、短冊のCDを親に買ってもらって聴いたりとか、ミニモニ。のグッズを集めたりとか、ハロプロの番組を毎週観たりしてまし

    • 2023 年間ベスト

      音楽についての文章を依頼される際にいつも言われることがある。その音楽のどこが好きで、何が特別なのかを書くこと。いたってシンプルな注文だけれど、これがなかなか難しい。最終的には自己を見つめ直し、掘り下げていく作業になる。年間ベストはすなわちその年の気分であり、その記録である。誰もが同じレコードを買い求める時代でもなく、まったく同じ景色を見ている人など誰一人としていないから、個人的なセレクトであるのが当然。いい音楽が常に生まれ続ける日々の中で自分は何に心を動かされたか、どんな1年

      • 霧中夢とアンビエント

        先週から始まった【Cornelius 夢中夢 Tour 2023】の特典カセット「霧中夢 Dream in the Mist 46min.」を聴いた。手に入れるまでどういう内容なのか不思議だったけれど、実際に聴いてみて、なるほどそういうことか!と。霧中夢で始まり、霧中夢で終わる、46分間の極上のアンビエント体験。深夜にカセットデッキから流れてくる「霧中夢」は、心を鎮めたり、或いはハッとさせられたり、緩やかな起伏があってとても心地よい。 数年前のインタビューで、ブライアン・イ

        • CROSS THE BORDER

          「CROSS THE BORDER」はもともと仮のパーティー名でした。時間がなくてサッとつけてしまった名前なので、今後変わる可能性もあります。わたしの心の中での最初の仮タイトルは「FLAG」でした。事の発端は今年6周年を迎えた武蔵境のカフェondのデリ担当の元さんと、近頃仲良くしてもらっている元新宿リキッドルームのスタッフのaokinokoさんと3人で、皆で好きな音楽をかけてお喋りできるようなゆるいパーティーをやりたいね、と昨年あたりから何度か話し合いをしていたのが始まりです

        [Lisztomania!] Case 7:オタク気質とコーネリアスとドラムの話

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        記事

          『 I Guess Nothing Will Be The Same 』/ Liss

          もしあなたがインディソウルやエレクトロニックミュージック、シンセポップやインディロックなどの音楽のどれにも抵抗がなく、むしろどれも好んで聴くタイプの音楽好きであれば、ぜひ手に取って聴いてみてほしいアルバムがある。デンマークの4人組バンド、Lissのファーストアルバム『 I Guess Nothing Will Be The Same 』という作品だ。アルバムは昨年の6月にリリースされていて、このnote内でも2022年度の年間ベストの記事などをはじめ何度かLissについて触れ

          『 I Guess Nothing Will Be The Same 』/ Liss

          フジロック2023

          今年も行くと決めたのは第1弾のラインナップが発表された2月の上旬のこと。まだ真冬で、寒かった。そのわりにチケットを購入したのは6月の上旬だった。どういうスケジュールで参加するかをなかなか決められないまま、あっという間に夏がやってきた。お気に入りのアーティストが出なくても会場のあちこちで未知の音楽に触れられて、行けばとりあえず楽しいのがフジロックの魅力。けれど年々上がっていくチケット代が私を苦しめる。他にもキャンプサイト代は以前より2千円アップ、シャトルバスや苗場温泉はコロナ以

          フジロック2023

          フリッパーズ・ギターとコーネリアスとあのころ

          2023年3月26日、慶應義塾大学三田キャンパスにて『小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか』(集英社新書)の刊行記念シンポジウムが開催されました。登壇者は私のほかに、著者の片岡大右氏、IfYouAreHere委員会を組織し検証サイトを立ち上げたkobeni氏、『炎上社会を考える 自粛警察からキャンセルカルチャーまで』(中公新書ラクレ)の著者で社会学者の伊藤昌亮氏、以上の4名です。オンライン配信も行われ、おかげさまで盛況のうちに終えることができました。ご参加いただいた皆様

          フリッパーズ・ギターとコーネリアスとあのころ

          変わる消える/ Cornelius

          コーネリアスの新曲がやっとリリースされた。といっても昨年はカルチャー誌「nero vol.14 VOICE」の創刊10周年を記念した限定7インチ(プライマル・スクリームのキーボード奏者で昨年12月に他界したマーティン・ダフィーとの両A面)用に発表した曲があり、今年1月にはお茶とアーティストを繋ぐ"BYSAKUU"というプロジェクトにてコラボ曲を提供しているし、mei eharaのヴォーカルで配信済みの"変わる消える"も、2011年にsalyuに提供した"続きを"も、既存の曲を

          変わる消える/ Cornelius

          たかがレコードのはなし

          先々週ふらっと覗いたレコード屋の中古コーナーにて、ものすごく欲しい12インチを2枚見つけた。これからライブハウスに向かうところで荷物を増やしたくないから買うとしても7インチだけにしよう、と決めて入店したのに、なぜかそういう時に限って出会ってしまう。しかも2枚とも初めて実物を見たので驚きのあまり動揺してしまった。それ以降は見るものすべてがほとんど頭に入ってこなくなり、脳が思考停止のままフリーズしてバグを起こし、同じ列の棚を何度も行ったり来たりする挙動不審な行動にでる始末。いかん

          たかがレコードのはなし

          2022 年間ベスト

          年間ベストのプレイリストをサブスクで作り始めてかれこれ6年になる。その年の振り返りのつもりで年末にいろいろと思い出しながら50曲ほど厳選し、順番を考えながら並べていく作業が楽しくてずっと続けている。 サブスクが普及して手軽に音楽を聴けるようになったと思う。だからといって、なにも手軽に音楽に心を動かされるようになったわけでない。それでも人と共有しやすくなったことは大きいし、好みの曲に出会う機会は間違いなく増えたように感じる。2022年は例年以上にいい音楽をたくさん聴いた。プレ

          2022 年間ベスト

          David HolmesとBelfastとSugar Sweet

          1970年代の北アイルランド紛争のさなかにベルファストにレコード店を開き、パンクとの出会いをきっかけにレーベルを立ち上げ、 " Teenage Kicks " でお馴染みのThe Undertonesなどの作品を世に送り出したテリー・フーリーの自伝的映画『グッド・ヴァイブレーションズ』を観た。当時の北アイルランドの宗教的対立を背景にパンクがいかに人々の心を奮い立たせるものだったのかがしっかりと描かれていて、コメディータッチでありながらも音楽愛に溢れた映画だった。2012年に

          David HolmesとBelfastとSugar Sweet

          イエスタデイ・ワンス・モア

          何年か前、もしかすると10年以上は経ったのかもしれない。とっくに再生機器を手放しているにもかかわらず聴けないままで部屋の隅に置きっぱなしになっていた両親の古いレコードやCDを実家で見つけて、数枚だけわたしが引き取って家に持ち帰った。アバやカーペンターズ、サイモン&ガーファンクルなど。しばらく眠っていたそれらのレコードを昨夜久しぶりに引っ張り出して聴いてみた。クレジットに1970〜80年代と記されたレコードは中古レコード屋に置いてある大昔の作品と同じようにジャケットが色褪せてい

          イエスタデイ・ワンス・モア

          Tableau/The Orielles

          The Oriellesの3rdアルバム『Tableau』が素晴らしい。発売前に公開された先行曲を聴いた時点ですでにそんな予感をビシバシ感じていたが、高まる期待を少しも裏切らずむしろ大きく越えていくようなバンドにとっての飛躍となるアルバムを、今秋のリリースラッシュのさなかで静かに花をひらくように完成させた。 イギリスのハリファクス出身で、マンチェスターを拠点に活動するジ・オリエルズは、ベース兼ボーカルのEsmé Dee Hand-Halford、ドラムのSidonie B

          Tableau/The Orielles

          空回るエモーション(編集後記)

          どんなインタビューでも毎回必ず、ああ、この答えを聞くために話を聞いていたんだな、と思う瞬間がある。流れていく会話のなかで一瞬だけ時間が止まって、しん、と空気が静まりかえり、言葉がはっきりと伝わるような感覚が。 今回の『Lisztomania!』のインタビュー「蘇るパッション 循環するエネルギー Mikio Kaminakamura インタビュー」では『Midmorning EP』のくだりがそれだった。しばらく休んでいた連載をなかなか再開できずにいたときに、ちょうどあのEPを聴

          空回るエモーション(編集後記)

          [Lisztomania!]Case : 6 蘇るパッション 循環するエネルギー Mikio Kaminakamura インタビュー

          音楽に関わる人の音楽遍歴などについて話を伺う連載です。 〜Case 6:Mikio Kaminakamura Interview ──まずは音楽を聴きはじめた時期を教えてください。 ミキオ 音楽として意識したのは、幼稚園ぐらいのときに親戚のおじさんがウォークマンを持ってたのを「貸してよ。」って2~3日借りて、アリスのアルバムをずーっと聴いてたことがあった。それかな、最初は。 ──ミキオはわたしの1歳年上だよね。幼稚園の頃なんてウォークマンが出たばっかりじゃない?音楽を

          [Lisztomania!]Case : 6 蘇るパッション 循環するエネルギー Mikio Kaminakamura インタビュー

          フジロック2022

          今年もフジ・ロック・フェスティバルに行ってきた。数えたら今回で10回目の参加だった。2003年に初めて参加したときは会場から徒歩圏内の民宿に1泊して、次は日帰りで近くの温泉施設で仮眠コース、車で参加もあった。ここ数年は毎年足を運んでいて、みつまたの民宿に土曜泊で日曜のヘッドライナー終了後にツアーバスで朝帰宅や、越後湯沢駅から送迎ありの旅館泊、1日参加で朝までコース、昨年はついにキャンプでテント泊の3日参加と、ありとあらゆるパターンを経験した。 その全部を一緒に過ごした友人が

          フジロック2022