AZUSA

編集者/図書館司書/古文講師 著書に『薫の君によろしく』(双葉社)、『なごみ歳時記』(…

AZUSA

編集者/図書館司書/古文講師 著書に『薫の君によろしく』(双葉社)、『なごみ歳時記』(永岡書店)、編集協力に『校閲記者の目』(毎日新聞出版)、『神様がやどるお掃除の本』(永岡書店)他。DMお気軽にhttps://note.com/suginasugisugi/message

マガジン

  • K451-AZUSAの宙@AZUSA

    日々のこと、本の話、映画、バレエ、仕事など書いていきます。武蔵野・三鷹(吉祥寺)情報はこちらにまとめています。https://creators.yahoo.co.jp/azusa/ 電子書籍、Eブック・編集などのお問い合わせ・原稿・取材ほか仕事依頼は shibasakik451@gmail.com へどうぞ

最近の記事

+16

山香荘入り口に展示されていました

    • +8

      陽春の御嶽山へハイキング。花曇りのやわらかい日

      • 「夕べにすべてを見よ」(ベートーヴェン)――時間は逆走する

        反骨の杉並区役所 確定申告間近である。きのう、区役所に健康診断の結果を取りに行く。職場に出さなければいけないので区役所の門をくぐったのだが、もんのすごい列! 「マイナンバー申告はこちらです」とか「ご相談は何人待ちです」とか、呼びかけの声も一階フロアに響き渡って、こんな忙しい時期に来ちゃってスミマセン、という思いだった。そうして椅子に座って待っているとき、ご年配の女性二人が通り過ぎていき、柔らかな声が耳に入った。 「私、マイナンバーは絶対に申告しないわ」 「でもみんなそろそろ

        • つながりを求めて

          ご覧いただきありがとうございます。 オフィスK451という自営事務所で以下の仕事を受けております。 ●電子書籍プロデュース(構成・編集・推敲込み) 様々に発刊していますが、現在は西洋占星術師、レイナ里亜 さんの、毎月占いを好評発売中。表紙デザイン込みで刊行させていただいています。ロマンティックである一方、地に足のついた編集が得意。目安は1字1円~。原稿のない方、文章を書いたことがない方もご相談ください。 ●インタビュー 雑誌、ウェブ問わず。個人の方、伝統芸能の方、俳優、

        山香荘入り口に展示されていました

        +15

        マガジン

        • K451-AZUSAの宙@AZUSA
          8本

        記事

          『日本文学盛衰史』(青年団)観劇ルポ

          坪内逍遥からAIライティングまでもう5年も経っていた。タイトルでこれは面白そうだと観に行った、『日本文学盛衰史』は、吉祥寺シアター初演から5年経っていたのだった。HPの紹介文には「日本文学の黎明期を辿る」とあるし、初演では確かにそうだった記憶があるが、再演時の今回は、この5年の間に大崩壊した出版文化まで取り上げ、最後はAIライティングによって誰もわざわざ書かなくなり読まなくなった近未来に足を掛けて、レイ・ブラッドベリの『華氏451』さえ想起させて終わる。 (そもそも初演時にヒ

          『日本文学盛衰史』(青年団)観劇ルポ

          助詞「に」「へ」の使い分け ヤフークリエイターズプログラム更新しました!

          助詞「に」「へ」の使い分け ヤフークリエイターズプログラム更新しました!

          k451―AZUSAの宙

          始めまして。 AZUSAの宙に起こしいただき、ありがとうございます。 本を編集したり、書いたり、僭越ながら書き方をお教えしたりしています。 とにかく本が好き。めくる感触、頁の厚みとともに過ぎていく時間、登場人物たちと過ごすもうひとつの宇宙。小さいときから、本の仕事をする! と思い込んできました。 そんな私に衝撃を与えたのが、学生の頃読んだレイ・ブラッドベリのSF『華氏451』。人々が本を読まなくなった近未来を描いています。本を燃やし、本屋をつぶし、それでも読もうと集う人たちを

          k451―AZUSAの宙

          懲罰は日本の文化なのか

          贋作の迷宮 贋作で逮捕された欧州の画家たちのノンフィクション『贋作の迷宮』をNHKBSで見た(再放送/8月29日10時~)。ゴッホやピカソ、マティスの贋作を200枚以上描いたジョン・マイヤットの半生を追う。少年時代は絵やピアノを習える比較的恵まれた生活を送っていただようだが、子供を抱えてシングルファザーになったのをきっかけに、家でできる仕事をするしかなくなり、美術講師をやめて家でひたすら贋作を描いた。  彼の才能を見出した美術商によって絵はオークションにかけられ、「幻の名作

          懲罰は日本の文化なのか

          マスメディアのうそ

          いま持っている生徒たちが中3なので、卒業式が終われば学校に来なくなる。一週間前から授業の多くは予行練習でつぶれており、他の学年よりひと足早く最後の給食がやってきた(写真)。 給食はいわゆる「盛って」いないので、この写真は全くおいしそうに見えないと思う。献立名は、鶏肉とあさりの炊込ご飯、けんちん汁、ちくわのきつね揚げ、わかさぎ揚げ、白菜と糸昆布の浅漬。漢字かなまじりの献立名はただの沢庵でもおいしそうにみえるが、実際、これは食べてみるとおいしいのである! 給食センターではなく、自

          マスメディアのうそ

          Fラン大学に行く意味はあるか

          そろそろ受験シーズンも終わりかけていて、ネットや雑誌の悩み相談などに「Fラン大学しか受からなかった。行く意味はあるのか」という相談を見受けられるようになった。  回答はいろいろ。とにかく大学に行ったほうがいいという人、Fランでは就職に役に立たないから行かなくていいという人。両方の意見があるので相談してもしても迷いは尽かないという人、多いと思う。  私なりに言うと、 Fランだろうが 何だろうが 大学は行ってください  世間には、受験勉強どころか高校さえ中退せざるをえなかった人

          Fラン大学に行く意味はあるか

          日本よ、呪われよ

          もう10年以上前だが、『地球の歩き方』(ダイヤモンド社)という海外ガイドブックをつくっていて、フランスに取材に行ったとき、パリ在住の日本人と話す機会があった。  貿易会社を経営している方で、様々な外国人、職業人と会うという。その中には、今も存続する貴族階級もいる。在住氏に言わせれば、たとえ苗字に「de(ドゥ)」がなくとも、貴族は見てわかるのだという。ちなみに貴族と庶民を識別する、苗字のドゥは、18世紀のフランス革命で廃止されている。国民はみな市民となり、貴族も「表面的には」

          日本よ、呪われよ

          人は見たいところしか見ない

          ……って本当? 人は見たいところしか見ない、とネットの普及につれ言われるようになった。サイトで商品を検索すると、履歴とAIに記憶される。すると、今こんな商品が流行ってます、おすすめ、という画像とリコメンドが追随して送られてくる。ああ、私が好きなものをみんなも好きなんだ、やっぱりこんな流行ってるんだ、と似たような品を買って満足……ネットは、その人が見たいものをのみ届けてくれる。それ以外のものがあることを検索者は知らないでいてしまうが、必要のないものは要らないのだとしたら、ネッ

          人は見たいところしか見ない

          書くことのつながり

          きのう#NOTEに初めてアップしたところ、スキ というリアクションをいただいた。しかも「読者の心に届いてます!」という嬉しいPOPつき。ふだん雑誌に書いていて、読者の反応などほとんど見えないところにいるため、はっとした。 何を書いてもウンともスンとも反応がなく、編集者が(まあ、仕事だから)褒めてくれるだけ……という活字媒体で始まった身には、「いいね」「スキ」の反応があって当たり前、というSNSネイティブに育つ人の身が今いち信じられないところがある。向こうからしたら、何の反応も

          書くことのつながり

          ミステリと言う勿れ

           本格ミステリ、それも探偵役が歩き回りもせず汗もかかず、椅子に座ったままで謎を解決する「安楽椅子探偵もの」が大好きだ。元は上品な老婦人が車椅子に座って状況を聞くだけで犯人を当てる「おばちゃまシリーズ」だと思うが、なんと手足の動かないALSが探偵になる話とか、落語家が話を「する」のではなく、客から話を「聞く」だけで日常の謎を解いていく北村薫の円紫シリーズなど、様々な安楽椅子探偵ものが内外で出ている。  だが、実は、漫画でも出ていたのだった! それが田村由美さんの「ミステリという

          ミステリと言う勿れ