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Fラン大学に行く意味はあるか

そろそろ受験シーズンも終わりかけていて、ネットや雑誌の悩み相談などに「Fラン大学しか受からなかった。行く意味はあるのか」という相談を見受けられるようになった。
 回答はいろいろ。とにかく大学に行ったほうがいいという人、Fランでは就職に役に立たないから行かなくていいという人。両方の意見があるので相談してもしても迷いは尽かないという人、多いと思う。
 私なりに言うと、

Fランだろうが 何だろうが 大学は行ってください
 
世間には、受験勉強どころか高校さえ中退せざるをえなかった人がいる。家族の介護や、経済的問題などで。
 受験勉強でき、たとえ志望校に落ちたとしても大学には受かったのだ。このチャンスをつかまずしてどうしよう。
 大学に行くメリットをあげたい。

○とにかく勉強を続けられる。
ここ10年で日本の基礎教育レベルは非常に落ちてきていて、割り算ができない高校生なんてザラ。百人一首を一つも知らない大学生もいる。とにかくその状態で社会に出なくても済む。あと4年、高校の復習でも何でもいい、勉強を続けてほしい。
○たっぷりの時間
 いくらFランでも割り算くらいできるという人は、学校の勉強以外に時間があると思う。本を読んでください。英会話のオンラインレッスンを受けて海外貧乏旅行してもいいね。そんな時間があるのは学生のときだけ。
○一発逆転のチャンス
 4年間、ぼーっとしているだけなら、名の通った学校のほうが就活のとき「便利」だろう。しかしFランにそんな暇はない。
 大学生限定のアルバイトをする。ここで就職のコネをつけてください。あるいは将来何をしたいか自分で考えられるようになってください。
 就職は偏差値の高い大学などに限られていても、アルバイトはほとんどの場合学名問わず。ただ高校生は法規上どうしてもダメで、ここに学生バイトの意味がある。
 出版社の原稿とり、新聞社の使いっぱしり、一流旅館やホテルの夏休み限定住み込みバイト(今はコロナで難しいが)、海外ボランティア、映画や演劇のエキストラ、オンラインのNPO活動……大学生にしかできないバイトがいくらでもある。ここでコネをつけて、行きたい会社を見つけ就職した人を知っている。社会人マナーと技術を前倒しで身に着ければ、Fランで不利になることはないだろう。
 

要は自分の意思次第

大変申し訳ないが、Fランは、全体の授業レベルを落とすことが多く、まともに勉強して運悪くそこしか受からなかった人は、周囲のレベルの低さ、幼稚さに唖然とするはず。しかしここで「やってらんねええ」と中退しないでください。理由は上記あげたとおり。そういう「まともな大学生候補」が大変孤独になってしまうことが、Fラン大学の弱みだろう。
しかし、学内でまともに話のできる人が見つからなくても、今はオンラインがある。オンラインの学生サークルで友人を見つけてほしい。そして、これは講師としてぜひ言いたいのだが、Fラン大学の講師はたいへん孤独です。あなたがまともな勉強をして、まともな質問をしてくれれば、涙を流して喜んでくれます。友人が一人もできなくても、先生とは絶対にコンタクトを取ってください。教授の推薦があれば、就活や奨学金への道も開きやすくなります。 

中退でも単位は残る
それでも、どうしても「時間のムダ」と感じたら、中退する道もあるでしょう。その場合にそなえて、4月の履修届で教員免許や図書館司書、博物館主事、心理療法士などなど、国家資格と関係のある単位を早めに取っておくことをすすめます。
たとえ3年次で中退したとしても、また余裕のあるとき勉強を再開する際に、単位が使えます。履歴書に書くときも、高校卒業より「○○大学中退」のほうが映えるでしょう。
ちなみになぜ資格が必要かというと、資格の必要な仕事は、必要でない仕事より、概算・倍くらいお給料がいいからです。学費に何百万使ったとしても、1~2年でモトが取れます。いったん取った資格は一生使えますから、頭の働きがいい20歳前のうちに取っておきたいですね。

どんなときでも勉強はできるといいますが、やはり、18歳から20歳の間にしか感じられない青春の風というのはあると思います。貴重な時間を精一杯生ききってください。


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