2024ファジアーノ岡山にフォーカス6『 ≫≫フィジカル×サッカー×浪漫×夢≪≪ 』J2 第2節(A)vsいわき戦 プレビュー(いわき編)



1、クラブ名鑑2024(いわきFC)


『 基本情報 』
クラブ名称:いわきFC
主なホームタウン:福島県いわき市
創設年:2012年
ホームスタジアム:ハワイアンズスタジアムいわき(収容人数:5,030人)
クラブマスコット:ハーマー&ドリー

『 Jリーグ通算成績(JFL以降) 』
J2(1期):12勝11分19敗(45得点69失点)
J3(1期):23勝7分4敗(72得点23失点)
JFL(2期):27勝11分9敗(89得点52失点)

『 Jリーグ最高成績(JFL以降) 』
J2:18位
J3:優勝(1期)
JFL:優勝(1期)

『 クラブカラー 』
 フィジカルをベースとした攻守においてアグレッシブに戦うスタイル。JFLとJ3を優勝して、J2昇格してきたが、1年目は、残留争いに巻き込まれた。それでも、フィジカルが問われる夏場に勝ち星を稼ぎ残留に繋げた。J2の2年目も1年目に主力を引き抜かれた中、どこまで戦えるか注目ポイントである。フィジカルの育成理論に関しては、Jリーグ屈指のクラブとして、評価が定着して、J1クラブからの若手の有力な期限付き移籍先として定着しつつあり、いわきFCの主軸選手が完全移籍で他クラブへ移籍しつつある中でも、逆に確固たる評価を築きつつある。

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2、フィジカルと成績の検証


 シーズンを四期に分けて成績を比較することで、フィジカルがどう試合に左右したか検証する。

『 4分割での成績比較 』
1~11節(11試合)
3勝2分6敗(10得点16失点)
12~21試合(10試合)
2勝2分6敗(4得点21失点)
22~32試合(11試合)
4勝61敗(15得点10失点)
33~42試合(10試合)
3勝1分6敗(13得点22失点)

『 4分割比較考察 』

 前半の1巡目よりも後半の2巡目の方が、得点力が高くなっている。フィジカルが整う後半戦の方が高い得点力が発揮できるようだ。

 一方で、守備の方は、上位に対して大敗する傾向が強く、特に対清水では、2試合で16失点。10試合分の失点を2試合だけで記録してしまっている。

 これは、メディアから入って来るチームスタイルから推測すると、フィジカルトレーニングに時間を割いている分、戦術的な練習に割いている時間が限られている部分が影響しているのではないかと思う。

 主軸が引き抜かれた影響もあるとはいえ、J3で守れていた守備もJ2だと守れない。フィジカルだけではなかなか守り切れないという厳しさを痛感するシーズンなったかもしれないが、2年目の今季に、守備の部分をどこまで安定させることができているか。

 開幕戦で、栃木に完勝した岡山の試合で、その守備面が特に問われる事となりそう。


3、Jリーグで高まるいわきFCブランド


 J2昇格元年の2022~2023のストーブリーグで移籍した選手で主に活躍した選手は、日高 大 選手。移籍先の千葉でも超攻撃的SBとして、千葉のプレーオフ進出に大きく貢献した。同時に、いわき選手の凄さを内外に証明した。

 それもあってか、今季は、23シーズンに18位でありながら、多くの主軸選手の流出に繋がってしまった。

 J1の東京Vに永井 颯太 選手と河村 匠 選手。J1の札幌にも家長 玲衣 選手。更にJ1の新潟に宮本 英治 選手が移籍。J2でも山形に有田 稜 選手、そして、岡山に19岩渕 弘人 選手が加入した。

 順位以上に、クラブの価値を上げたいわきFC。クラブとして、主軸の流出を避けたいと思うだろうが、そんないわきFCに夢と浪漫を求めて加入してきた新人選手は多数いる。ネクスト19岩渕 弘人 選手のように、活躍が評価されて他クラブへというサイクルを作って行く中で、チームとしても大きくなっていく。いわきの2024シーズンの躍進があるのかは、注目と言える。


4、いわきFCに夢と浪漫を求めて


 J3とJ2で残したいわきFCのインパクトは、凄かった。それは、今季の新加入選手にしっかりでている。

『 期限付き移籍選手 』
DF:34番 大森 理生(FC東京)
MF:7番 西川 潤 選手(セレッソ大阪)
MF:23番 大迫 塁 選手(セレッソ大阪)
FW:28番 棚田 遼 選手(サンフレッチェ広島)

 実に4名もJ1のクラブからいわきFCへと期限付き移籍で加入している。所属元へ戻る事を前提としている可能性の高い期限付き移籍だが、主軸選手が引き抜かれる一方で、五輪にも出場できる可能性のある選手を含めて、今後もいわきFCへ期限付き移籍するという流れができていくのではないかと感じる。

 それだけ、現代サッカーでは、フィジカルが、評価されるようになっている。各クラブもできれば、J2でという意向が強いかもしれませんが、クラブとしても経験値を積んで行く中で、どういった編成で、今後のJ2を戦って行くのか注目したいクラブである。

『 完全移籍の選手 』
GK:21番 立川 小太郎 選手(湘南ベルマーレ)
DF:3番 照山 颯人 選手(FC今治)
DF:4番 パク ジュンヨン 選手(安山グリーナーズ)
DF:22番 生駒 仁 選手(レノファ山口FC)
FW:11番 ブワニカ 啓太 選手(ジェフユナイテッド千葉)

 完全移籍した選手は、流石に期限付き移籍してきた選手と比べると、実績や知名度という点では、そこまでかもしれないが、オファーを受けた段階で、筋トレで、自身を鍛え抜くという覚悟で、いわきFCへの加入を決めた筈だ。

『 新人選手 』
GK:39番 ジュ ヒョンジン 選手(大東税務高校)
MF:6番 坂岸 寛大 選手(新潟医療福祉大学)
MF:19番 大西 悠介 選手(国士舘大学)
MF:20番 加藤 悠馬 選手(拓殖大学)
FW:9番 近藤 慶一 選手(名古屋学院大学)
FW:18番 白輪地 敬大 選手(桐蔭横浜大学)

 今回は、詳しくは経歴を調べないが、ここからネクスト岩渕 弘人 選手や日高 大 選手が出てくるだろうか?


5、ミラーゲーム


 前節のいわきは、3-4-2-1で、並び上は岡山と同じシステム。

田村 雄三 監督

ーーーーーー10有馬ーーーーーー
ーーー14山口ーーー17谷村ーーー
8嵯峨ー24山下ーー40下田ー15加瀬
ー22生駒ーー3照山ーー19大西ーー
ーーーーーー31鹿野ーーーーーーー

GK:1田中
DF:5速水
MF:6坂岸、7西川、13鏑木
FW:11ブワニカ、18白輪地

『 開幕メンバー入りした新加入選手 』
スタメン
DF:3照山 颯人 選手、19大西 悠佑 選手、22生駒 仁 選手
リザーブ
MF:5坂岸 憲伸 選手、7西川 順 選手
FW:11ブワニカ 啓大 選手、18白輪地 敬大 選手

 今節は、どうか分かりませんが、DFラインに新加入の選手だけのDFラインです。チームの始動日が早かったとしてもフィジカル的にも戦術的にもまだまだ隙があるんじゃないかと感じます。

 一方で、中盤より前の選手は、既存選手で組まれている。水戸戦では、水戸のほぼ2倍の14本のシュートを放ち、ポゼッションでも上回った。

 そう考えると、前からのスピード感のある仕掛けやハイプレスというのは、岡山にとって脅威になるだろうし、そこでどれだけ繋ぐ、もしくは前に蹴るかの判断を的確にできるかが、問われることとなる。

 昨年の対戦でも足下の安定していなかったが、アバウトなボールに岡山の選手が競り負けて、押し込まれるシーンというのが、何度かあった。開幕戦に完封できた岡山のDF陣とはいえでも安心できない部分はある。

 いわき対策で、20井川 空 選手の起用も考えられるし、その辺り、どういった決断して、11人+7人を選ぶのか。そこが、開幕戦以上に問われる事となるかもしれない。


6、いわき戦へ向けて


 ミラーゲームがどう左右するか。DFラインの隙を突けるか。いわきの鍛え抜かれたフィジカルの攻撃を抑えられるか。この辺りがポイントとなりそうだ。

 岡山のハイプレス、9グレイソン選手のポストプレー、サイドの主導権争い、中盤の攻防、DFラインの対人守備。こういった岡山の良さを第2節いわき戦でどれだけ出し切れるか。

 シンプルに楽しみですし、期待も大きい分、不安も大きい。そこを勇気と自信に変えるプレー、勝利に期待したい。ただ、楽しみでしかない。

文章=杉野 雅昭
text=Masaaki Sugino


筆者紹介
 冷静さと熱さを両立した上で、自分の感じた事を自分の言葉で表現することを大事にしている。ハイライトやテキスト速報をレビューを書くために確認するが、極力SNSは、情報を遮断して、レビューを執筆している。流石に通知なので、軽く目にすることこそあるが、綿密に分析するというよりは、サッカーというスポーツの魅力を発信することを一番大事にしており、ファジアーノ岡山だけではなく、対戦クラブにも最大限のリスペクトの気持ちで、サポーターとの交流や魅力を語り合うことが好きで、レビューを書き始めて、中断期間や書けなかった試合もあるが、10年以上、ファジアーノ岡山を中心にサッカーのある生活をエンジョイしつつ、応援してきた。


7、アディショナルタイム(ファジ造語24)


『 ≫≫力を出し切る三原則≪≪ 』
「決め切る・勝ち切る・逃げ切る」という課題と語ったGMの服部 健二 氏の言葉から想起した「力を出し切る三原則」という2024シーズン第一弾のファジ造語とさせていただいた。来季を観て行く上で、勝利するために、チームがどう強くなったのか、是非、結果から「力を出し切る三原則」をクリアできているか注目したいですね。

『 ≫≫虹色の右足≪≪ 』
24シーズンがルーキーイヤーとなる24番吉尾 虹樹 選手の右足から放たれるパスやクロス、シュート、プレースキックの全てが、高精度であることをより魅力的に伝えるファジ造語。24吉尾選手の名前の「虹樹」の「虹」があり、「虹色の右足」に相応しい選手であると思います。プロとして経験を積む中で、「虹色の右足」は、大樹のようにチームを支えることができる可能性を秘めていることも間違いないでしょう。

『 ≫≫木山マジック≪≪ 』
固定概念を作らない木山 隆之 監督の自由で大胆な決断により、チームを勝利に導くことができる試合采配や選手起用を指すファジ造語。誰にも思いつかない自由な発想と大体な一手で勝利を手繰り寄せてきた将棋で一時代を築いた羽生 善治先生の一手が「羽生マジック」と呼ばれていたが、そこに由来して、「木山マジック」と命名した。22シーズンは、サポーター間でも浸透した。24シーズンでも聞きたいワードですよね。

『 ≫≫剛よく剛を制す≪≪ 』
「サッカーにおいても剛強なものが、剛強な力によって、無慈悲にも剛強なものを押さえつけてしまうという弱肉強食の世界である」という意味の造語」本来は「柔よく剛を制す=柔軟性のあるものが、そのしなやかさによって、かえって剛強なものを押さえつけることができる」という意味の造語だが、99ルカオ選手のフィジカルが、あまりに凄すぎるので、諺(ことわざ)を弄ることでその強さを表現したファジ造語。

『 ≫≫木山曲線≪≪ 』
将棋の藤井八冠が、AI評価値で、一度リードしたらそのまま最後まで右肩上がりで完勝してしまう強さを表現して「藤井曲線」と言われていました。まさしく、開幕戦の木山ファジの勝ち方のようで、そこを可能にした選手起用やチーム作り、ゲームプランから木山マジックの進化系であり、90分間でほぼ圧倒して勝った時の勝利を表現するファジ造語。

『 ≫≫三本の矢24ve≪≪ 』
以前、ファジ造語として紹介していたが、24シーズンでの三本の矢は、11人で繰り出される隙が無い攻撃(途切れずらい攻撃)の事を指す。木山ファジの特色である選手の個性を引き出すサッカーの下で、3Dアタック×3=「縦×横×高さ」×「速さ・強さ・巧さ」×「パス×ドリブル×シュート」が、その方程式の下で、異次元の破壊力を生み出させる攻撃。まさしく、三本の矢に相応しい攻撃を表現したファジ造語。


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