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「ブレイブ・ブロッサムズ」と呼ばれた日:ラグビーワールドカップと日本代表(2)

 今日9/10は日本対チリ戦。いまは18時過ぎですからあと2時間くらいです。本当は今日は初心者観戦ガイドの第4回を書こうと思っていましたが、日本代表の愛称について書くことにしました。日本代表は、あるときから、「ブレイブブロッサムズ」と呼ばれるようになったのです。

1987年にラグビーワールドカップが始まって以来、連続出場している日本ですが、厳しい時代が続いていたのは前に書いたとおりです。

 特に差が開いてきたと感じたのが1995年大会と1999年大会でした。1995年は、アイルランドに絞って準備し、試合としては善戦したものの最終スコアは28-50。そして何よりもニュージーランドに145点を失うという歴史的な惨敗を喫しました。

 1999年は、平尾誠二が監督。この時はバショップとジョセフ(現日本代表監督)というオールブラックス経験者が日本代表に加わり、平尾監督の人気もあって「史上最強ジャパン」と呼ばれたものの、3試合でトライはわずか2本の惨敗でした。

 2003年は東芝府中で結果を出した向井昭吾が監督。しかし1999年と異なり、前評判は悲観的でした。2022年サッカーワールドカップ直前の森保監督への評価を思い出していただければと思います。当時の向井監督への評価はそれくらい低かったのです。

 私はこの時アメリカ留学中で、一切リアルタイム観戦はできなかったのですが、向井監督は本番で素晴らしいラグビーを披露しました。低く突き刺さるタックルを徹底し、スコットランド、フランスという同組の強豪相手に堂々と渡り合ったのです。

 スコットランド戦は前半を6-15、後半立ち上がりにトライを取って4点差に迫る(最終スコアは11-32)。フランス戦も、一時は19-20まで迫る戦い(最終スコアは29-51)。

 この二つの試合に徹底していたのは、とにかく膝下に低く突き刺さるタックル。どんな大きな選手でも、そこまで下に強いタックルを受ければ必ず倒れます。それまでの善戦した試合と同様、やはりリードした時間はなかったものの、なんとか追いすがることができたのです。

 そしてこの低いタックルを80分続けた日本代表を見て、現地メディアが、「ブレイブブロッサムズ」と呼んだのです。

 「ブロッサムズ」は桜のエンブレムにちなんだもの。つまり「勇敢な桜たち」という意味です。なんと誇らしく素晴らしい愛称でしょうか。

 結果が伴うようになるのは2015年に南アフリカを倒してからです。
 しかし2003年以来、「ブレイブブロッサムズ」と海外からは呼ばれるようになりました。ニュージーランド代表を「オールブラックス」と、オーストラリア代表を「ワラビーズ」と、南アフリカ代表を「スプリングボクス」と呼ぶように、日本代表は「ブレイブブロッサムズ」と呼ばれるようになったのです。

 なので私も胸を張って叫びたい。「頑張れ、ブレイブブロッサムズ!」と。


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