見出し画像

【企画メシ2021】企画生インタビューVol.2橘春花さん~内向的だった橘さんが「キカクの夜市」を立ち上げたわけ~

企画メシ2021に参加している杉山真太郎(企画生番号35)です。

前回から、企画メシ2021のユニークな生徒たち(企画生)にインタビューし、考え方について深掘りしていく取り組みをスタートしました。このインタビュー連載は、僕が退職したことを機に、いろんな人の価値観を学ばせていただきたいと思って始めました。

企画メシとは「企画する人を世の中に増やしたい」と願う主催の阿部広太郎さん(コピーライター、作詞家)が、企画することで道をつくろうとする企画生とともに学び合う連続講座です。2015年から開催されています。
https://kikakumeshi.jp/
https://note.com/kotaroa/m/m621b2f63bfd4

2回目のインタビュイーは、「橘春花さん(企画生番号41)」です。

橘さんは、企画メシ内での交流会「キカクの夜市」を運営している方です。自分の企画を「伝えたいもの、こと、想いをかたちにして届けること」と考えている彼女は、いったい何を想って、企画メシに参加し、交流会を立ち上げるに至ったのでしょうか。


企画メシに参加したのは、コロナ禍での不安から

橘:私は今、編集プロダクションで編集・ライターの仕事をしています。仕事でもプライベートでも交友関係をあまり持っていなかったので、コロナ禍になり、人とのつながりがほとんどなくなってしまいました。狭い世界で生きていたんだと実感しましたね。流石にこれはまずいと思って、とあるオンライン講座に通っていたところ、阿部さんがゲストで講師をしてくださったことがありました。その講義がきっかけで火がつき、阿部さん主催の企画メシにも参加することを決めました。


橘さんが立ち上げた交流会「キカクの夜市」

杉山:橘さんは、交友関係を構築することは得意ではないと自己分析されていましたが、企画メシでの橘さんは「行動力のある方」という印象があります。企画メシ内でのコミュニケーションや先輩たちとの連絡も積極的に行っていますよね。

橘:これまでの反動から、かもしれませんね。今までは交友関係の広げ方自体がわからなくて、悩んだまま行動できずにいました。だから企画メシでは、つながりを作る面でも、悔いを残さないように勇気を出して動こうと思っています。

杉山:今年の企画メシもまた、講義がオンラインで行われ、つながりを持つことが難しい状態で進んでいますよね。その中で、橘さんが運営しているオンライン交流会「キカクの夜市」は、貴重な交流の場だと思います。この立ち上げや運営に際して、迷いはありましたか?

橘:本当のところ、とても悩みました。でも、背中を押してくれた方と出会ったことがきっかけで行動に移せました。

最初は私自身も、つながりを構築できずにいたことに悶々としていました。あるとき、企画メシOGの方とお話しする機会があり、相談したところ、「橘さんならできるんじゃない?やってみなよ!」と言ってくださったんです。尻込みする気持ちもあったのですが、後押ししてくれた声に応えたいと思って、交流の場を自らつくることに決めました。いろんな方に相談して、また協力してもらって、「キカクの夜市」を実現しました。幸い、多くの人が参加してくれて、交流が生まれています。手伝ってくれた人にも、参加してくれた人にも本当に感謝しています。

杉山:「キカクの夜市」では部屋をいくつか用意して、その部屋ごとに交流するカタチをとっていますが、この形式にしようと思ったのはなぜですか?

橘:私たちは、その部屋をスナックに見立てています。企画生たちの個性を活かせる交流会にしたかったので、少人数の部屋に分けて交流してもらうカタチにしました。スナックなのは、お店の人もお客さんもその人らしさが現れる場所としてぴったりだと思ったからです。スナックなので部屋主を「ママ」と呼んでいますが、そのママも現役企画生がやってくれたり、OB・OGの方がやってくれてたりしています。10月開催時は、話をじっくり聞いて選書する部屋も登場しました。協力してくれている企画生のおかげで、個性豊かな交流会になっています。

杉山:部屋をひらいている人も毎回異なるので、僕も新鮮な気持ちで交流することができています。今はどれくらいの方が参加しているんですか?

橘:現役企画生80人のうち20人ほどが参加してくれています。もちろん強制参加ではないのですが、やはりもっと多くの人と交流をしたい気持ちはありますね。

杉山:今後、「キカクの夜市」でやってみたいことはありますか?

橘:より多くの人に参加してもらうことにも繋がるのですが、試す場にしたいと考えています。企画メシって、挑戦できる場だと思うんです。とはいえ、挑戦ってなかなか難しいものではあるので、「キカクの夜市」を挑戦のハードルがさらに低いコミュニティにしたいと思っています。ちょっと勇気を出して参加してみたり、ママに挑戦してもらって興味のあることを話すスナックをひらいてみたり、ですね。

杉山:考えすぎて挑戦できないときもありますけど、行動しないと何も変わらないんですよね。

橘:そうなんです。私はそれを、「キカクの夜市」を通じて感じました。私は講義で目立っていたわけでもないし、何か実績があるわけでもありません。それでも背中を押してもらって行動したら、いろんな人が助けてくれました。そして、その方々の協力もあって、「キカクの夜市」を運営することができています。挑戦したら、経験も積めたし、仲間もできたんです。

しかし、挑戦するには、勇気が必要。「失敗したら」と考えていては、なかなか行動に移せません。でも、一歩踏み出せば、誰かが助けてくれて、なんとかなったりするんです。せっかく学びやつながりを求めて企画メシに参加しているのなら、どんどん挑戦した方が良いんじゃないかなと私は思います。


橘さんにとっての企画

杉山:橘さんは自分にとっての企画を「伝えたいもの、こと、想いをかたちにして届けること」と定義していますが、お話を伺っていると、伝えたい対象は他者の魅力なんですね。

橘:そうですね。「キカクの夜市」も、自分はあくまで裏方で、人と人をつなげる場所です。

杉山:橘さんは媒体なのかなって思います。メディアをつくったり、自身を通して人をつなげたりする存在なのかなって。

橘:それを目指しているところはあるのかな。誰かに焦点を当てることは好きですね。

編集・ライターの仕事も、自分以外の人に焦点を当てる仕事です。今は編集プロダクションで旅行誌をつくっていて、お店や土地にスポットライトを当てています。この人の良いところを伝えるにはどうしたらいいんだろうってことを考える時間は多いですね。

杉山:他者に光を当てる仕事をしたいと、学生の頃から考えていましたか?

橘:就職活動時は、別の軸で会社を探していました。ですが、第一志望の出版社にご縁をいただくことはできなくて、新卒で入ったの広告代理店。働き始めたものの、マネジメント側ではなく、もっと制作よりの仕事をしたいという気持ちが出てきてしまって。結局、入社して数ヶ月でその会社を辞めて、今の編集プロダクションに転職しました。だから、一周回って、やりたいことをやっている感じですね。

杉山:一度やってみて感じることは大きいですよね。

橘:そうですね。今は編集の仕事が楽しいですけど、歳を重ねるにつれて、自分が楽しいと思えることも変化すると思っています。仕事も、プライベートも、動き続けて人と出会うことで、その時の自分が本当にしたいことを探っていきたいですね。

企画メシを通じて、行動することでこそ何かを得られると実感したので、仕事の他にも、やってみたいことや面白そうなことがあればどんどん挑戦していきます。

杉山:やはり、行動することは大事ですね。

お話をさせていただき、ありがとうございました!


人とのつながりを積極的に構築できずにいた過去の自分を振り払い、企画メシでは前のめりに動いている橘さん。企画メシ内での彼女しか知らない僕は、なぜそんなに行動力があるのか不思議に思っていましたが、そんな背景があったとは。

橘さんがおっしゃっていたように、行動することで見えてくるものや得られるものがあります。確かに、挑戦することはとても勇気がいることです。しかし、もし現状を打破したいのなら、それは動いて新しいものにふれることでしか達成できないのかもしれません。怖い気持ちや渋る気持ちと向き合いながらも、行動することで何かを得ていきたいと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?