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【企画メシ2021】企画生インタビューVol.1西村圭祐さん ~より輝ける舞台をつくる段取り職人~

企画メシ2021に参加している企画生の杉山真太郎(企画生番号35)です。

本日から、企画メシ2021のユニークな生徒たち(企画生)たちにインタビューし、企画メシに対するモチベーションや将来像について深掘りしていく取り組みをスタートします。このインタビュー連載は、僕が退職したことを機に、いろんな人の価値観や考え方を学ばせていただきたいと思って始めることにしました。

企画メシとは・・・「企画する人を世の中に増やしたい」と願う主催の阿部広太郎さん(コピーライター&作詞家)が、企画することで道をつくろうとする企画生とともに学び合う連続講座です。2015年から開催されています。

記念すべき初回は、福岡で会社員をしている西村圭祐さん(企画生番号57)です。

「チームの企画(5、6人のチームで企画を考える課題)」の時にご一緒した西村さんは、チームをまとめてくれるリーダー的な存在でした。僕は彼に対して、最初は「まとめるのが上手い人」だと思っていましたが、その印象は打ち合わせを重ねるにつれて「返答が上手い人」に変わっていきました。

いったい彼は何を想って、企画メシに参加したのでしょうか。


企画メシに参加したのは、変化がほしかったから

西村:自分の現状に停滞感を抱いていたことが、企画メシ2021に参加した一番の理由です。いろんな考え方や価値観をインプットして変わっていくことで、自分をアップデートできると思っているけど、ここ3年くらいはそれがあまりできていなかった。企画メシに参加したら、たくさんの学びがあるし、たくさんの考え方とふれることができる。そうすることで、停滞していた現状を打破していきたいと思ったんです。

杉山:なるほど。アップデートした先の未来で実現したいこととか、こんな企画をする人になりたいとかってあったりしますか?

西村:僕にとって、企画とは「選択肢」です。人間って自分だけで考えていると、視野が狭くなってしまう生きもの。自分の可能性を狭めてしまったり、殻に閉じこもってしまったり。でも、それだけじゃないよ、もっと他にもあるよって。その人だけだったら思いつかないような選択肢は絶対に存在していて、それらを与えてもらえることで、人間はもっと自由になれると思う。そういう「選択肢を与える企画」を作れる人になりたいと思っています。

杉山:西村さんにとっての企画は、「他者」が主体なんですね。自分にとって、というより、他者にとっての「選択肢」を増やしたいっていう。

西村:そうですね。自分が表舞台に立って旗を振ってというよりは、誰かを応援するような企画が、僕が理想とする企画です。

考え方の原点は、学生時代の違和感

 ​西村:僕は教育大学出身なのですが、在学中から「このまま学校で働くことになったら、学校のことしか知らないことになるなぁ」とぼんやり思っていました。いい意味でも悪い意味でもエキスパート、学校関係の専門家への道しかないように思えました。でも、そうなりたいのかと言われたら、そういうわけじゃない。僕はいろんなことをしてみたいし、いろんなことを体験してみたい。このまま教育だけで生きていくのはどうなんだろう、と心の底では思っていました。教育が嫌いなわけではないんですけどね。

卒業して1年間は学校で働いたのですが、退職。ラジオが好きなこともあって、今度はラジオ局のADとしても働いてみましたが、事情があって退職。そして、今の会社に就職して数年になります。

その中で感じたことは、選択肢がひとつしかないと思い込んでいたことは幻想だったということです。大学にいたころは教育関係の仕事しか選択肢になくて、それに対してモヤモヤしている節もありましたが、ふたを開けてみたら、好きなことに従事することもできたし、大学で学んだこととは全く違うIT関係の仕事をすることもできています。だから、自分が思う選択肢なんて、ほんの一部でしかないんだなって気づいたんです。

きっと昔の僕みたいに、自分で自分を限定している人も少なからずいる。そういう人たちが、自由に輝いているのを見てみたいと思うようになったのが、自分の企画の定義の出発点です。


西村さんの得意なことは、「返答」と「段取り」

杉山:「チームの企画」の企画でご一緒した時に、西村さんは「まとめるのが上手い人」というイメージがあったんですけど、今考えると、「返答が上手い人」っていう感じになってきています。

西村:返答ですか?

杉山:そう。打ち合わせをしているときって、結構熱が入っちゃって「先へ進みたい!もっと意見出そう!」みたいに前のめりになりすぎてしまうときがあるんですけど、そういう時に、西村さんはいったん打ち合わせのスピードを落としてくれる。そして、+αの意見を出してくれるんですよね。否定せずに足し算してくれる感覚。

西村:嬉しいです。僕自身、決めつけをしないことは常に意識しています。
実際に、人の意見には、共感することのほうが多いし。さすがに100%共感とはならないから、「ここは賛同するけど、あそこはどういうこと?」とか「あそこはこういうのもありかも?」といった具合に返答することを心がけているんですよね。

自分で「そもそも」を考えたりすることも好きなんですけど、いろんな人の価値観を聞いたり取り入れたりすることも好きなんです。だから、人間そのものとか考え方をインプットすることが好きなのかもしれません。

そういうことも相まって、自分はそこまで前のめりに行く性格ではなくて、受け身になることのほうが多いんですけど、だからこそ返答は大事にしようとは思っています。そんなことを意識していたので、返答が上手いと言っていただけたのはすごくうれしいです。

杉山:実際に、西村さんの返答で救われた回数が半端じゃなかったんで(笑)あと、西村さんってものすごい段取りをしてくれるじゃないですか。「チームの企画」の時もZoomの日程調整してくれたり、ルームを開設してくれたり。そういう幹事のような役割は昔からやってたんですか?

西村:実は、大学時代に新入生歓迎の担当をやっていたことがあります。それが段取りを本格的にやり出したきっかけかもしれません。そこから社会人になっても、段取りを任されることが結構あるんです。友達との飲み会でも仕事でも、いつの間にか段取りをする立ち位置にいることが多くて、結構やってますね。

しかも、段取りをすることが嫌なわけじゃなくて。むしろ、ストレスなくできることも多いし、なにより自分のやりたいことも組み込めたり出来るのは段取りする人の特権じゃないかなって思ったりしています。肉食べたい気分だから肉系の居酒屋でセッティングしようかな、みたいな。

新入生歓迎の企画でも自分が思う舞台を用意したりできたので、いい経験をしたと思っています。こういう段取りって直接表には出ないことが多いんですけど、僕の考えとか僕の思考は間違いなく表舞台の一部として残るんですよね。段取りを通して自分が残っていく感覚や自分が用意した舞台で輝いている人を見るのは好きです。


現代における「段取り」の重要度

杉山:なるほど。確かに、自分の好きなことを組み込めるのは、幹事の特権だったりしますよね。でも、段取りってめんどくさいことが多かったりしませんか?僕も幹事をやったことあるんですけど、連絡が返ってこなかったりすると萎えちゃって。

西村:確かにそういう意味で嫌な部分はあります。でも、面白いことなら、段取りの時から面白いじゃないですか。文化祭とかも本番は絶対に面白いけど、準備しているときも楽しいみたいな。あんな感じで、面白いときは段取りの段階から面白い。逆に考えると、段取りを面白くできたら、本番は絶対に面白いんじゃないかとも思うわけです。

杉山:確かにそうですよね。めんどくさいことが多い段取りの段階で面白かったら、本番も絶対に面白いのは、真理な気がします。とはいえ、自分も表舞台に立とうとか、立ってみたいとかの気持ちもないわけじゃないですよね?

西村:思わないこともないけど、自分より面白い人がいることも、また事実なんですよね。決してネガティブな意味ではなく、すごい人たちが存在しているのは紛れもなく事実なわけです。でもだから自分がダメっていうわけじゃなくて、単純にそういう人たちを尊敬しています。

だからこそ、そういう人たちにはもっと輝いてほしいとも思うんです。そして、彼ら彼女らを輝かせることが、段取りが好きな自分にできることだという気もしています。僕にできることは、そういう人たちがより輝ける舞台を作ったり、そういう人たちがもっと自由に行動できるように選択肢を与えること。そういう企画ができるようになりたいなぁって思っています。

杉山:それって今の時代において、より需要ある気がします。現代って昔と違って唯一絶対の正解がない時代ですよね。

西村:一昔前だったら、大学行って就職してっていうのが幸せのロールモデルだったけど、現代だとそんなことはない。でも、「じゃあ、何を選べばいいの?何をしてたらいいの?」っていうのはすぐにはわからないし、自分だけで考えていたら視野が狭くなってしまう。だからこそ、いろんな人の考え方とか生き方とかにふれる機会があったら、いろんな意味で指針ができるし、視野が広がる。

僕にとっての企画は、面白い人やすごい人が思いっきり駆けていけるように、新たな選択肢を提示したり、舞台を整えたりすることです

杉山:共感します。と同時に、西村さんをより応援したくなりました。本日は、ありがとうございました!


 「選択肢を与える企画」を信条に、企画メシに参加した西村圭祐さん。彼の根底には、敬意が存在していると思いました。きっと人間は、もっとやれる、もっと変われる、もっともっと輝ける。人間の可能性を信じているからこそ、自身が表舞台に立つことはなくとも、その舞台をつくる段取りを楽しんでやることができるように思えます。

また、「他者が進んでやろうとしないことで、自分はストレスなくできること」の領域に、その人の適性が隠れているのではないかとも思いました。確かに、段取り自体はあまり人気のある役割ではないかもしれません。しかし、西村さんは前向きに取り組むことで「自身が表舞台にいなくても、自分の考え方は残る」感覚を発見しています。それは西村さんが前向きに取り組んだからこそ発見できた価値観ですし、だからこそ西村さんはその領域で人から任される立ち位置を獲得していると感じました。

西村さんの描く未来に共感を抱きましたし、より応援したいと思いました。


#企画メシ

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