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誠樹ナオ『薬膳の料理人〜番外編 武官東水の恋〜』最終話

大晦日を前に、一兵卒の武官東水は上級女官の翠蓮に淡い好意を抱いていた。なぜか彼女も東水を憎からず思っている──?そんな中、薬膳料理人の芦燕が年末の餃子パーティーの準備をすることになり、東水も手伝いに駆り出されるが。

「鄭様と寿明様の腕に同じ刺青がありましたわ。あれは、肉刑を受けた証でしょう?」

 咎人には、罪の内容に応じて刺青が入れられる。その刺青自体が刑の一つで、それがある限り自らの罪から逃れることができないのだ。
 さすれば、翠蓮殿の姉君の夫たる人が犯した罪も、付け火であったのか。
 寿明殿は、過分に寛大な処置を受けて尼寺で出家したが──
 
「大黒の飼育のために引き継ぎを受け、翠蓮殿は寿明殿の刺青を見てしまったというのですか」

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