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ヤメIRの戯言

今年も始まりましたIR系アドベントカレンダー!!🙌

昨年、勢いでぶち上げたときは思いのほか盛り上がったので、今年は表と裏に拡大してお届けします!

<(表)IR系アドベントカレンダー>

<裏IR系アドベントカレンダー>

ご覧になってくださる皆様、ぜひTwitter(X)のハッシュタグは #IR系AC でお願いします。(※追ってトゥギャるときに必要になります!昨年トゥギャったやつはこちら

近況報告や前説

さて、昨年は某グロース企業のIR担当として働いていたのでその立場から書いてみたわけですが、諸行無常の世の中、1年もたてば色々と変化がやってまいります。

今や、私シゲマツはIR担当は引退し、現在は弁護士業と、法律事務所キャリア口コミサイト運営と弁護士・法務人材に特化した人材紹介サービスを提供するLawyer's INFO株式会社の経営という二足の草鞋を履いて日々頑張っております(弁護士・法務人材の需要がある事務所・会社さんはご連絡ください!!)。

IR関係はと言えば、今年3月にnote社と立ち上げたIRnoteマガジンのますますの発展のサポートをしていたり、CFO/IR担当者の勉強会コミュニティのIR向上委員会に運営側として関与するという形でライフワーク的に関わっているという状況です(一応各所で登壇もさせてもらいました)。

そんなもはやIRの現場にいない自分が、IR系アドベントカレンダーのオープニングに何を書けるのか?錚々たる顔ぶれが名を連ねるエントリーの初っ端にどうすんの?どうすんの俺?状態なのが今なわけです。

が、初っ端ということは前座なわけで、また、ここでハードルを上げ過ぎても後の人が書きにくくなると思いませんか?
なので、今年はIR担当を辞めた(そして多分今後IRの現場に立つことはないであろう)自分だから書ける
「IR担当はこんなこと考えながらIRをしていると思う」
「IRを辞めた今思えばやっぱ投資家はこう考えるよね」
について数点触れつつ、
「これらはIR担当や投資家にこんな示唆があるんじゃないの?」
を"ゆる~く"書いてみようと思います。

なお、予め一つ留意点を書いておくと、これはあくまで独断と偏見に基づく個人的な意見なので、当然異論は色々あると思います。なので、(愛のある)異論は歓迎ですし、(仮に愛なき批判がある場合には)批判は私シゲマツ宛のみにしてください。直ちに情報開示請求します。

"うちの株価はこんなもんじゃない"

これは、IRを頑張っている会社のIR担当、特にIRを頑張り始めた会社のIR担当が思っていることだと思います。

IRを頑張り始めて新たに色んな人に期待して買ってもらったのにすぐに業績低迷で株価が下がって失望を買う。そんなことをしたいIR担当はいないと思います。

ロジックや根拠は各社それぞれ色々あると思いますが、IRを頑張る以上は自社の株価はこんなもんじゃない又はこれからもっと良くなるはずと思っているIR担当がほとんどなはずです。業績が悪くなることが見えているのにIRを頑張っても徒労に終わることが多いですし、そこにリソースを割いても仕方ないので、会社がIRを頑張るのはそれなりの理由があると思います。

もちろん株価は業績のみならずマクロ環境に大きく左右されますし、業績自体も会社側の思うようにならないこともたくさんあります。なので、会社側の思惑通りにいかないことも多いです。

ですが、少なくとも
"会社としてIRを頑張っている
⇒自社の株価はこんなもんじゃないと思っている"
ということは、投資の際の一つ株価の選定の一要素に入れてもいいんじゃないかと個人的に思っています。

投資家としては、
「あ、この会社最近以前とは違ってIRにかなり熱入れだしたな」
「投資家向けのIRの頻度や姿勢が明らかに違うな」
という会社があったら注意深く見てみると良いかもしれません。

"サプライズは起こしたくない"

IR担当は、株価のボラティリティが高いことをあまり好みません。ボラティリティが高いほどハイリスクハイリターンと認識されて株価が低く評価されることにつながるからです。

なので、IR担当としては勿論インサイダー規制等の種々のルールを念頭において細心の注意は払いつつ、決算説明資料等の一言一句のワーディングに開示期限のギリギリまでこだわり抜いて先行き等について示唆を織り込んでいくことを試みたりします。もちろん先のことは会社自身もわからないので、その示唆があてになるかはわかりません。ですが、投資にあたっても一定の示唆を与えてくれるものなのではないかな~と思っています。

なので、例えば季節性の話が書いてあれば傾向としては大体その通りになるはずで、その年に何か通常の季節性とは違う変動要因がありうるのであれば、IR担当としてはどうにか示唆できないかなぁと考えたりするのではないかと思います。

というわけで、決算説明資料のワーディングをよく見ていくと投資家としても思わぬ示唆があるのではと思っています(そこまで見てられねーよというのも後述の通りよく理解できますが)。

もっとも、多分、投資家側からすると、根底にあるのは果たして「その会社やIR担当が信用できるのか」というところなのかと思いますが、そこはやはり会社のIRセミナーに参加して経営陣やIR担当に会ってみて判断するべきところなのかなと。

"投資家の見方を変えるのは難しい"

さて、IR担当を辞めて、あまり熱心でない爆損個人投資家になってみると、IRに対する見方が結構変わりました。

そもそも、自分の業務で忙しいからIRをそんなに見ないし、見てもそんなに熱心にはみません。

なので、見方はすごくシンプルになります。

「(短信一枚目見て)売上と営利はこれくらいなのね~」
「(決算資料の最初の方だけ見て)進捗こんな感じか~」
「この会社の年の営利どれくらい出るんだろう。あ~この四半期でこれだけ出たらこれを4掛けした感じに行ったりするかな~」
とか。

よほどのことがない限り短信や決算説明資料を全部見たりしないし、そもそも見る会社も何かのきっかけで興味を持った会社に限られます(そしてそれは大体ツイッターきっかけだったりする)。

もちろん、すごい投資家の方はいっぱいいますし、熱心な投資家の方はすごく詳細に見ていることも知っています。でも、そうでない私みたいな人もそれなりにいる気がしています。

そうすると、そういう投資家を惹きつけて見方を変えさせるのってやはりすごく大変なんだなとあらためて思います。

「売上や営利じゃなくて粗利を見てください」って言ってもなかなか伝わらないなど、他社とは違う見方を推奨してもなかなか伝わらないし、実際にそのような見方をしてもらうのはなかなか難しい。また、単純に年の営利が四半期の4掛けとかにならないのであれば、その理由を目につきやすいところで書かないと誤解を生みかねないとかもあるように思います。

なので、IR担当としてはしつこいくらい自社の評価の仕方を繰り返しアピールするか、投資家の見方に寄り添った開示をしっかりしていくかしかないのかなぁと思ったりしました。

終わりに

つらつらとゆる~く書いてきてしまいましたが、こんな感じで大丈夫でしょうか?(急に不安になってきた)

でも大丈夫、今年は裏IR系アドベントカレンダーも開催していて、きっとそちらでFiguroutの中村さんが面白い記事を書いてくれているはず!

そして、きっと明日のはりねずみさんが今年もIR系アドベントカレンダーを盛り上げていってくれるはず!!


というわけで、本日以降25日まで、IR界隈の色んな方から「IR系Advent Calendar2023」の記事が続々公開されていくので、#IR系AC のハッシュタグをつけて呟くなど、ぜひ一緒に盛り上がっていきましょう!🙌🙌🙌

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