2024.03.18『"変な家"堂々とケチを付けたくて映画館へ』
私はオモコロ関連のコンテンツを喜んでムシャムシャしているインターネットのオタクである。
『変な家』が映画化された。
元々オモコロの特集記事だった『変な家』。
雨穴さんは当時、ちょっと不思議な世界観ではあるものの、割と「オモコロらしい」記事を書いているイメージが強かった。
『変な家』の記事がリリースされて一気に"体験レポート風ホラー小説"というスタンスを確立し、オモコロの顔の一人となった雨穴さん。
書籍が発売されたときはキャッキャ喜んで購入した。
ちなみにしばらく読めなかった。
買ってから今日まで時間をかけて小説を読める精神状態じゃなかったので……。
まあ雨穴さんに金が行くと考えればいいか、とか思っていた。
そして映画化。
噂に聞いたけど映画化した作品の作者への還元は渋いらしい。
正直プロモーションの仕方が気に食わなかった。
話題性重視のプロモーション。
原作の世界観、雨穴さんの世界観を完全無視したプロモーションをしていて、オモコロのオタクとしてすっっっっごい嫌だった。
そして、オモコロの人間を試写会に誰も呼ばなかったらしい。
永遠に募りつづける不信感。
オタクが許せないことを全部やってくるぞこの映画化。
この時点でめ~~~~~ちゃくちゃ文句を言いたい。
Twitterでその不信感をぶちまけてオタク達からの共感を得たい。
しかし、作品を評価するときに作品を観ずに文句を言うという行為は人間として流石にどうかと思った。
なので観た。
しっかり金払って観て、そのうえでちゃんと文句を言おう。
-------------------※以下映画の感想※------------------
私はホラー小説が好きだ。
自身の想像力を活用して、全力で怯える。
このマゾヒズムな行為がとても読書の体験として好ましかった。
ただしホラー映画、ホラーゲーム、テメェはダメだ。
ジャンプスケア!!!!!!!!!!
お前を許さない!!!!!!!!!!!!!!!
絶対にだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
※※すべて個人の感想です※※
「恵まれた原作・恵まれた美術から繰り出される
”しょーーーーもなびっくりムービー”」
まず原作でいうところの雨穴さん(筆者)がオカルトYouTuberにされていて、原作では雨穴さんの一人称視点でストーリーが進む(あくまで雨穴さんが体験したレポートという体なので)のだが、映画は主人公の雨宮を中心とする三人称視点で進行し、原作の良いところが一個潰されているという点。
登場人物が全員とにかく変な奴で、誰にも感情移入できないし、映画の世界観がなんとなくよくわからない。
原作は徐々に明らかになる違和感や狂気にゾクゾクするのがホラー要素なのだが、映画は完全にジャンプスケア演出とか役者の演技にホラー要素を全頼りしている感じがした。
まあ多分、ホラー小説をそのまま映画化するっていうのは難しいのだろうし、多分製作される中で何度も何度も協議された点なんだと思う。
ここ良かったなと思うのは、例の間取りの家に入ったシーン。
最後は雑なビックリで誤魔化された感じがしてそれは腑に落ちないが、あの間取りの家がきちんと再現されていてそこは素直に感動した。
まあ子供部屋に立派な鍵が付けられていることになぜか言及していないとかそういう意味わからん部分はやっぱり気になる。
ジャンプスケアとかが特にそうだが、映画を観ていて『誤魔化された』と感じる部分が多かった。
変な家の向かいの家のおばさんの写真はあんな綺麗に映るわけないし。
後半の因習(パニック)ホラーパートの人々の行動とか、「普通この時点で違和感に気付くだろ」という部分をガンスルーしてその伏線(?)を回収したりしなかったりする部分とか、所々で『えぇ……?』と思って我に返ってしまった。
あと因習ホラーパートはチェーンソーババアだったり村の人々の露骨な怪しさだったりと、それネタでやってますよね????ウケ狙いなんですよね??????と何度も思った。ネタでやってると言ってください。お願いします。
謎に佐藤二朗の足を刺されたのはチェーンソーババアから逃げる時の演出のためとしか思えないし、『薬による洗脳』とか『幻覚作用のある薬を飲まされていた』とか、最終的に愛ですべてを解決していたり、雑やな~~と思った。
ジャンプスケアに関してはとにかくホラー要素を稼ごうとしているを感じて、必要ない所でもジャンプスケアを挟んでくるので、観ていてず~~~っと「この部分いる?」としか思えなかった。
あと祭壇に飾られているウシオ(呪いの元凶の女)の遺影、あれどうにかならんかったんか……?どう見ても変だろ……
好きな作家の小説や漫画が実写化されて原作レイプされるっていうのは正直慣れてるし、今回も私は文句を言おうと決めて、文句を言うために鑑賞した部分があったので、多分普通に楽しもうと思えば楽しめるんだと思う。
私もこんな幼稚に作品に文句をnoteに書き散らかすなんてするべきじゃないと思う。
でも私の好きなインターネットカルチャーが都合よく利用され、消費されているこの現状が気持ち悪くて仕方が無かった。
なのでこれはその悪心を解消するためのゲロみたいな記事だと思ってください。
原作やオモコロ記事とかそういうバッグボーンや事情を知ったうえで、私はこの映画をあまり他人に勧めたくない。
不動産ミステリーである前半部分は割とあっさり終わっちゃって拍子抜けだし、後半の因習ホラーパートも雰囲気全振りでこっちに関しては謎解きとか伏線とかはまるで無くて、多分映倫とかに配慮したのかスプラッタもそんな無いし、アクションなんかもっとないので映画全体として見所が無い。
個人的にはいっそPG12とかR15とかの枠にしてもっと過激で見ごたえのあるスプラッタとかにしてくれた方が楽しく鑑賞できたと思う。
あと、映画館のほとんどが高校生だった。
恋愛要素もエモい要素もないこの映画になぜ高校生が集まったのかが普通に理解できなかった。
マニア向けの媒体でマニア向けに作られた作品が原作なのだから、その映画もマニア向けにした方が良かったんじゃないか?と思うけどお金が絡むとそうもいかないんだろうな。
とりあえず雑なジャンプスケアはやめてください。
別の製作陣でもう一回変な家作って欲しい。絶対観に行きます。
スタッフロール、原作協力でBHBの人間の名前載ってたね。
長島社長、原宿さん、そして高杉未来之進。
高杉未来之進
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