稲葉曇「きみに回帰線」考察 きみ=将来の自分?
僕の大好きな稲葉曇さんの曲に、「きみに回帰線」という曲があります。なんとなく歌詞に共感できる曲だなと思っていましたが、いじめを扱っているのではないかという意見を聞いて、もう少し深く知りたくなり、読んでみたところ、難しすぎて転げそうになりました。
特にタイトルにも含まれる「きみ」の意味がわかりませんでした。「きみのためと思えば思うほど嫌になる」「きみから奪ってしまえばいい」などのネガティブな歌詞と「きみのための景色を見たい」「安心をきみから借りる」などのポジティブな歌詞が混在しています。
ここでは「きみ=将来の自分」説を提唱してみます。
主人公は、筆箱の中身が盗まれるといういじめを受けています。
いじめを受けた主人公は助けを求めますが、周りはお前が悪いんだと主人公を責めます。
ここで「きみ」が出てきます。「きみ=将来の自分」なので、将来の自分のために、いじめを受け入れようとするが、今の自分は苦しいままなので辛い状態、だと解釈できます。
いじめとして解釈すると、靴を濡らされたか、または傘を隠され濡れて帰るしかなくなった状態でしょうか。
注目されるのが怖いので、主人公は朝の会が怖いです。周りからいじられる声が聞こえるのを、将来の自分の成功を考えることで塞ごうとします。
いじめに対して耐えれなくなった主人公はずる休みをし、やがて習慣化していくことになります。教科書は休んでいると追いつけなくなっていき、自分の好きなお絵描きだけをする世界を想像するようになります。
昔の頃はカーテンの隙間から野次を飛ばすような余裕があったのですが、現在はできなくなってしまいます。今の自分の努力が、将来に身を結ぶことを信じて頑張ろうとしていることを、「安心をきみから借りる」と表現しています。
これはそのままの意味だと思います
家の中で布団にくるまっていると「重いアンテナ=助けてという叫び」は無くなってきますがもどかしい気持ちになってしまいます。
主人公は将来の自分のために休むようになったことで、学校に間に合いそうなのに見ていた夢のことを思い出すように、だらけているのは自分のせいであると思うことができるようになりました。
こんな学校がいいという妄想だと思います。給食が出てくることから、小学校を理想としているような気がします。
すぐに早退するので軽いかばんで学校に行きます。早退してからはぐちゃぐちゃな時間割で過ごします。
ファーストクラスの教室とは自分の部屋です。きみのための景色とは、家での自分の努力を指します。
ここでも理想の学校像が見られます。
ここでは時が経ち、主人公は大人になっています。遠回りした正解とは、学校に毎日通うことで得られるものとは違った、家でコツコツしてきた努力によって、夢が叶っていったことです。「きみ」は現在の自分になり、昔未来の自分を想像することで得ていた安心が、自分に帰ってきているように感じています。
ここまで書いて、やっぱりこの曲は稲葉曇さんが自分の体験を語った曲であると思います。
こんな感じで無理やりな部分もありつつ、考えたことをまとめてみました。皆さんがこの曲の歌詞を見つめ直すきっかけになったら幸いです。ありがとうございました。
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