徒然短編小説 10/8 酒の沙汰
私は今、地獄にいる。
そう、生前に悪い事をした人が行く、あれである。サークルの旅行ではしゃぎ過ぎた結果、アルコールがどこか悪いところにまで回ったのか視界がくるっと一回転してパーッと倒れてこんな所にいるのである。
まさかそんな死に方で地獄行きの基準を満たしてしまうとは思わなかったが、確かに悪いことといえば悪いことではあったから、やや不満ながらも飲み込んだ。
地獄というと、まるでどこまでも広がる溶岩が冷えて固まったような、そんな景色を想像していたが、実際のところは綺麗な石畳