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音ゲー曲×ヒップホップソウルでDJイベントのOPミックスを作った時に考えていたこと

こんばんは、ゲーム音楽DJ/キュレーターのすいそです。

2023年10月14日の土曜日に「SHOXXXX」というDJイベントがありました。

SHOXXXXは、自分がレギュラーDJで参加している、音ゲー楽曲中心のクラブイベントです。実は今回育休中だったので現地参加は見送ったのですが、オープニングミックスを制作させてもらったので、そのミックスについて語っていきます。

ミックスは動画化してYouTubeにアップしているので、よかったら聴きながら読んでもらえるとうれしいです。

先にセットリストです。

nine seconds 2011 / nouvo nude / beatmania 3rd MIX
Yellow, Black And Blues / COZY KUBO / beatmania APPEND GOTTAMIX
花火 / aiko / GUITARFREAKS 11thMIX & drummania 10thMIX
Nothing Without You / 鈴木あみ / モンスターファーム2
been so long ~m-flo TRIBUTE~ / AILI / beatmania IIDX
Keep On Liftin' (club edit long) / dj nagureo mixed on PMA / beatmania III
MOON LIGHT PARTY ~ CLAP YOUR HANDS / DJ HASEBE featuring EMIKO / バスト ア ムーブ 2 ダンス天国MIX
hipster (scratching) / Hiro / CRACKIN' DJ
朝がまた来る DOSCO prime Version / DREAMS COME TRUE / Dancing Stage featuring DREAMS COME TRUE
Surrender / Javine / DanceDanceRevolution SuperNOVA
ウェカピポ / SOUL'd OUT / jubeat plus
Finesse (Remix) / Bruno Mars feat. Cardi B / JUST DANCE 2019
全員集合 / 松浦雅也 / パラッパラッパー

今回のセトリを組む際に意識していたことは大きく3つ。クラブイベントに遊びに来た感、パーティーが始まる前のわくわく感、そして新しさと懐かしさが混ざり合うSHOXXXXというイベントらしさです。

少し具体的に言い換えると、ビートがしっかりしている曲アッパーすぎずグルーヴィーな曲フックのある未知な曲という感じでしょうか。

「SHOXXXX」は、音楽好き音ゲーマーが集まって発足したイベントです。特に5鍵『beatmania』好きが多く、古めの音ゲー曲がよく流れます。

1曲目2曲目にその『beatmania』の曲を持ってきたのは、"SHOXXXXへようこそ、ここはこんな曲が流れる空間ですよ"という、いわばレペゼンSHOXXXXですね。居酒屋のお通しのように、いきなりスパイシーすぎるものやヘヴィーすぎるものは出さず、まず安心してこの後のお酒や料理を楽しめるムードになってもらえたらという選曲でした。

ついでにいうと、まだお客さんも入りきっていなくてスタッフ陣がそわそわしている時間帯だと思ったのと、今回現地に行けずの参加だったので、イベントメンバーへの愛も込めてのルーツミュージックという思惑もありました。

3曲目「花火」も飛躍のようで実は意外と堅実で、"ビートがめちゃくちゃヒップホップな、誰もが知ってるポップス"として選んでます。繋ぎもお気に入り。ただ、この音ゲー曲の流れの中でべたべたなポップスが流れると、知ってる曲も新鮮に聴こえるんですよね。こういったクラブならではの音楽体験は、イベント全体としても大事にしているコンセプトのひとつと思ってます。

4曲目「Nothing Without You」はさすがに攻めた自覚ありです。何なら唯一音ゲー収録曲じゃないですし。そしてこの曲の解説をちゃんとしておきたくてnoteを書いたまであります。というのもこの曲、編曲がCOZY KUBOこと久保こーじさんでして。つまり2曲目の「Yellow, Black And Blues」と同じミュージシャンが手掛けた楽曲なんです。

"音ゲーで知っているアーティストが手掛けた音ゲーじゃない曲"に出会う悦びというのは、音楽好き音ゲーマーならわかってもらえる感覚だと思ってます。もしくは"音ゲーじゃない曲を調べていたら音ゲーで知っているアーティストに辿り着いて震えた"という経験はありませんか。ありませんかね。まあ、こうやって解説している時点でひとりよがりな自己満なので、ほどほどにしておきます。

それにしても後半のソウルというかゴスペルっぽいコーラスが入ってくる展開、最高ですよね。ここを使いたくてちょっとエディットしました。

中盤は割と手堅くジャンル意識しながらの繋ぎです。文脈的な方では、イベントの縮図的な、"ミニSHOXXXX"感を意識しました。ポップスの流れを受けてのm-flo(リミックスなのは後の伏線)、5鍵レジェンドのdj nagureo、からのBEMANI以外の音ゲー。

しかも今回はスマホ音ゲーや海外音ゲーではなく同時代の国産音ゲーで攻めてます。『バスト ア ムーブ』も『CRACKIN’ DJ』も好きな曲多いんですよね。SHOXXXXではたまにこういうタイトルも流れる(し、流しても比較的受容される)ので好きです。

ここで一度軽めのアテンションを入れたくてドリカムを持ってきました。しかもリミックス版なので、原曲は知っていても音的には新鮮さを感じてもらえたらと思ってのこのバージョンです。

"音ゲーに収録された版権曲の、音ゲーとは関係ないところで行われたリミックス"も果てしない世界ですが本当に面白くて、日々ディグってはひとりでキャッキャウフフしてます。

終盤は少しギアを上げてアッパーに。そしてここは曲名にもちょっとした意味を込めていました。「Surrender」(=降参)は好きな曲が流れてうなだれたりひれ伏したりする様子、「ウェカピポ」は好きな曲が流れてみなぎったりはしゃいだりする様子のイメージ、そして「Finesse」(=策略)はDJのたくらみですね。"刺す"というあれです。

あと、「Finesse」は『パラッパ』への繋ぎでニュージャックスウィングを何か挟みたいと思っての選曲でした。

最後は完全に曲名先行です。ただ、この曲を聞いて『パラッパ』だとはわかっても曲名が「全員集合」だとわかる人は中々いないと思うので、あとでセトリを見てもらう前提の遊びです。今回こういうの多いですね。家でじっくりセトリ組むとこうなるんですね。

少しエディットしましたが、この曲は終わり方もちょうどよくて好きです。あまりにもエモい感じで終わるとイベントの終わり感出ちゃいますし、かといって歯切れ悪いと緊張感が抜けてしまいますし。そういう意味でも自分の中では理想的な〆になったかなと思ってます。


さて、そんなSHOXXXXですが、2024年4月6日(土)に次回の開催が決定しています。場所は東京・浅草STELLAです。ちょっと古めの音ゲー曲中心に、ポップスやゲーム音楽も流れるDJイベントです。

ふらっと気軽に立ち寄れる、和やかな空間です。「suisoさんのnoteを見て来ました」というと多分主催がよろこびます。音楽好きならきっと楽しめると思います。キャッチフレーズは「あなたの音楽ライフに衝撃を。」です。

さらに、このnote公開の週末、2月3日(土)にはイベントメンバーで集まってのラジオ配信をTwitchでやります。自分も何かしゃべります。「こんなメンバーでやってるイベントなんだ」というのが雰囲気で感じられると思うので、ちょっとでも興味あればぜひ聞きにきてください。イベントアカウントのフォローもよろしくお願いします!


最後に個人的な話ですが、おうち事情(お子爆誕)もあってなかなか現場DJをする機会が減ってしまっているので、ミックス持ち寄り系のオンラインイベントとかがあれば積極的に参加していきたいなと思ってます。もしそういった情報がありましたら教えてください。

音ゲー以外も、レトロなものからヒップなものまで古今東西のゲーム音楽いけます。音楽ジャンル的な解釈での繋ぎが得意です。

それと、このnoteの意義について。ここでは日々のディグり報告も兼ねつつ、現場でバリバリまわしまくってるVGMDJさんやゲーム音楽ファンに少しでも何か届けられたらと思って、キュレーション記事を色々書いています。

フォローやスキいただけると励みになります!どうぞよろしくお願いします。

それでは、読んでいただきありがとうございました。

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