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その町並みが美しく残るワケ

「生きている町並み」として評価されているんですよ

 千葉県香取市は佐原。ボクはその町並みが好きだ。都心からはクルマで80分ほどにある。近くには利根川が流れており、江戸へ向かう水運の中継基地として栄えた歴史があるそうだ。そのため「江戸優り(えどまさり)」といわれるほど栄えていた。
 メインスポットは小野川沿いの町並み。かつてお金持ちであることが想像できるような商家が軒を連ねている。住民の暮らしが垣間見えながら、時代の変遷を映し出す建造物たちも魅力的だ。

情緒感たっぷりな風景


赤煉瓦調のレトロさを感じる洋館も


一緒に香取神宮にも行ったお話も書いています。


 せっかくなので船にも乗って水上散歩。船頭さんのガイド付きで、風景の見え方が変わっていく。生きている町並み、か。言葉が刷り込まれて、魅せられていった。

乗客の皆さんもカメラに夢中。船からのアングルも◎ですね

夏と秋で祭りを2度も楽しめる?ヒントは佐原の大祭にあった。

 歴史は約300年。関東3大山車祭りの一つと称される。日本三大囃子「佐原囃子」の音を町中に響かせながら、巨大な山車は川沿いの家々の軒先をかすめるか否かの瀬戸際を進む。そう船頭さんが教えてくれた。
 このような落ち着きと風格ある地区を伝統的建造物群保存地区及び景観形成地区というらしい。でも船頭さん曰く、その条例では特に電線地中化は規制されていない。単純に祭りの時に山車に引っかかるからだと。”全ては祭りのため”それはこの町の人々に支持され、強さを放つ言葉なのだろう。

町を歩くだけで、お祭りが愛されていることがわかりました

 さらに「この風景を見て何か気づくことはありますか?」と質問が飛ぶ。船に乗り合わせるお客さんの頭上に疑問符が浮かんでいた。頃合いを見計らって「柳の葉が全部、綺麗に川に向かって垂れ下がっているでしょ」と助け船が入る。ボクは勘が鈍く、”全ては祭りのため”という答えが出るまで少し時間がかかった。

山車にひっかからないように。って配慮だったなんて!
風景の中にも意味があるんですね。

 きれいな町並み。それは流行の写真映えだけじゃない。その大祭は風景に溶け込み、訪れる人を魅了し続けている。


*星野リゾート社員が「旅」について書いています。

旅を楽しくする

 飛騨高山や埼玉秩父のような山車で有名なお祭りがある場所では電線地中化はよく見られるみたいです。それだけ日本各地で祭りパワーは強いですね。佐原の観光協会の方は「電線あるとね、本来のポテンシャルの高さを出せない子もいるの」と山車への愛情を語ってくれました。些細なエピソードですが、なんだかグッときました。

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ここも国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された集落がある「沖縄の原風景」を残す島。ぜひ覗いてみてくださいね。

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