書けないときの映画「インテリア」
書けなくなるといつも思い出す映画。
はじめは画面の「静謐」な美しさにうっとりする。わぁ、この映画大好き、と座り直す。どの画面もいちいち美しい。美術館みたいに静かで。
やがて、その美しさは三人姉妹の母親が強迫的に作りあげてきたインテリアによるものだとわかってくると、整った画面が暗く重く響いてくる。あふれる情熱とか血とか、そういったものに蓋をされて息が苦しい。「静謐」は静かにおさまっていなさいという圧力。
私のなかには、蓋をしている母と蓋をされている娘が両方いる。書けなくし