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1月22日(土)

午前1時半前に地震あり。日向灘沖が震源。携帯で警報が鳴る前に目覚める。予知能力が目覚めたか。
揺れまでの数秒間にどれ程の地震が来るのか、どう対処しようかと考えたが、結局、床の上でじっとしていた。小さな横揺れから来たので安堵する。

夢を見ていた自覚はある。断片はバラバラに浮かぶが、全体は霞の向こうから引っ張り出せず思い出せない。原稿の書き方をだれかに問われて、なんでもいいから少しずつ書けばいいと余計なお世話をした。すると彼が、毎日のように書いたものを持ってくる。そんなところだけはぼんやり覚えていた。

祖母の命日。好きだった砂糖たんまりのコーヒーを供えて焼香。

7時から、シュワルツコップのシューマン歌曲集《女の愛と生涯》、シュトラウスの《メタモルフォーゼン》、《四つの最後の歌》、《死と浄化》を聴きながら「8月6日のバット」修正・加筆作業。
カープス対マンハッタンズの親善試合の終了から、被爆後に広島市の郊外に疎開していた大田洋子の元にGHQのスタッフが尋問に訪ねてくる場面までやる。大田の作品「屍の街」を「死の街」に変えているのに、名前は実名になっていて、苗字を太田に変えることにした。

きのう映画「バイス」でインスピレーションを得た9.11の場面。あらためて読みなおしてみた。キッシンジャーがブッシュ一味と同席しているのは不自然らしいし、チェイニーが他のスタッフと高みの見物をしているのはリアリティーに欠けるようだ。
キャスティングを整理するために、また「バイス」観る。
イラク侵攻が石油利権を奪う目的で嘘とデマを口実にはじめられたことは今ではよく知られていることだが、その暴挙を一手に引き受けたのが大統領のブッシュではなくチェイニーで、そのチェイニーを強欲で無軌道な権力者に仕立てたのが1人の女(女房)の権勢欲だった。歴史が夜つくられるのは常道とはいえ、遣る瀬ない気持ちになってしまった。
きょうは核兵器禁止条約発効から一周年だ。これから着実に核の削減・廃絶は実現に向かっていくのだろうが、世界の政治は彼のミニチュアのような人物たちによって握られている現実を考えると、正義がやすやすと行使されることになるとは思えない。

火鉢

夕方、裏庭の手入れと、古い男の人が作った小屋の整理。昔、コピーライターをしていたとき、事務所で使っていた火鉢が出てきた。知人が紹介してくれた古道具屋で仕入れたものだ。和室を板張りにして、高床に畳を敷いたりして遊んでいたのだが、こんなものが似合う事務所でよくコピーライターを僭称していたものである。

ナイトシアターは「バイス」の監督に敬意を表して、かれの「マネー・ショート」。金融商品の内容と仕組みがさっぱわからず、茫然と眺めていただけ。ブレイン・ショートっすね。


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