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神保町のブックホテルに泊まった話

そうだ、ブックホテルに泊まろう。

今年度は4月からほぼフル在宅。
夫も同業でほぼフル在宅、最近はどちらも休日作業が多く、オンオフの区別がつかず、気が滅入ってきました。

よく考えたら、昔は年に一回は一人で海外旅行に出掛けていましたが、仕事が忙しくなったり、結婚したり、そしてこのコロナ禍で、色々とままならず。
とは言え、1日くらい休みをとって、ビジネスホテルにこもって本でも読みたいな。移動に時間がかかるのは疲れるから首都圏近郊で。

そう思っていたら、ドンピシャのものを見つけました。それがこちら、BOOK HOTEL神保町。

通常のは10000円ですが、旅行割で4000円オフ、さらに3000円のチケットもつき、実質3000円。
もう、これは行くしかないでしょう!

ということで、衝動的に休みを取り、BOOK HOTEL神保町に行ってきました。

神保町の本屋

ご存知の通り、神保町は古本街ですが、新刊本を扱っている本屋も結構あります。

個性的なお店が多いですが、特に気になったのは以下の2店舗。

にゃんこ堂

神保町交差点の前にある、小さな本屋。猫の本だけを扱ってるます。
名画に猫が紛れてる本が良かったです。

PASSAGE by ALL REVIEWS

仏文学者・鹿島茂さんがプロデュースした、共同書店。建物も素敵で、棚ごとにセレクトが異なるので、見ているだけでも飽きないです。
香水沼の方に、大きな声で言いたいこですが、ここはラニュイの香水が試せる、都内でも数少ないお店です。

BOOK HOTEL神保町について

フロントについて

まず目を引くのは、大量に並べられた本。季節ごとにセレクトが変わるようで、行った時はクリスマスの本が並んでいました。

「クリスマスの12日」はギミック詰まった飛び出す絵本

フロントサービスは最小限。とは言え近くにコンビニ・薬局が多数あり、必要なものは調達できるので特に不満はありません。

部屋について

部屋はよくあるビジネスホテル。
ちょっと古い間取りですが、2021年にリニューアルしたばかりとあって清潔感は抜群。

部屋にもそこかしこに本があります。

猫の本が2冊ありました

各フロアにおかれた本について

ブックホテルのシステムとして、基本的には本の調達は以下のいずれかになります。
①部屋に置いてある本を読む
②フロントの本を借りる
③各フロアの踊り場にあるテーマ毎の本を借りる

各フロアの本は(フロントや部屋の本もですが)
基本的には、軽めのものが多いです。例えばファッションの本だったら、「セーラー服の社会史」でも、「100年前の写真で見る 世界の民族衣装」でも「Chanel Catwalk: The Complete Collections」でもなく、「少ない服で着回す13のルール」的な本。
前者が読みたかったら六本木の文喫に行こう。文喫のセレクトはゴツい。好き。

プラネタリウムも借りられます

とは言え、ミステリーのコーナーには、宮部みゆきの「模倣犯」、東野圭吾の「白夜行」、そして私の最愛の小説である桐野夏生「グロテスク」など、一晩では消化しきれない激重本も混じっているので、ミステリーの棚だけはご注意を。

ブックホテルで私が読んだ本

ということで、参考までに私が滞在中に読んだ本を並べます。これだけ読めば十分元は取れたのでは?
流石に流し読みや部分読みの本も混じってます。

ダルちゃん/はるな檸檬

これ、資生堂のWebで読んでたんだけど、「生きづらさを抱えた主人公に友達ができて、ちょっとだけ生きやすくなった」の辺りで離脱したんだよね。それまだ解決してないだろ、と。
すみません、最後まで読むべきでした。
読めて良かった。

大人のためのワイン絵本/ファニー・ダリュセック

香水にハマると、ワインにもちょっと興味が出てくる。「干し草のような香り」とか言ってみたいじゃん?
抽出方式とか、香りのチャートとか、オタク心が刺激される記述にドキドキ。
ただ、ワインの基礎知識が無さすぎて、結局ちんぷんかんぷんで終わりました。何事も基礎力大事。

スピリチュアルズ 「わたし」の謎 (幻冬舎単行本)/橘玲

帰ってから気づいたけど、私、この本持ってた。橘さんの主張は割と一貫してるのですが、この本は「人生100年時代、死ぬまで学びと仕事を続ける必要がある以上、好きなこと、向いていることを仕事にしなさい」という至極真っ当な主張をしてます。
なお、橘さんの本で一番好きなのは「『読まなくてもいい本」』読書案内」です。読まなくてもいいと言いつつ、ここで紹介されてる今となっては時代遅れの哲学書への愛も溢れてるところが秀逸。

黒いカーニバル/ブラッドベリ

ショートショートは結構好き。ブラッドベリはちょっとブラックで小洒落ててちょっぴりセンチメンタルで、日本人好みって感じがする。
ちなみに海外のショートショート作家だとサキが好き。「開いた窓」なんか完璧。

ジョーさん。のカマンベールチーズやみつきレシピ/ジョー。さん

カマンベールチーズは正義。
でも最近、高いからあんまり買えないんだよね。

東京イラスト建築さんぽ/mini_minor

多分これだけど違ったかもしれない。
とにかく都内の建築物をイラストで紹介してる本がフロントにありました。
東京の洋館大好き。お気に入りの穴場は丸の内にある明治生命館だったけど、美術館になったから入場有料になっちゃったんだよね。
2日目の予定を決めていなかったので、コレを見て、東京ジャーニーに行ってきました。

歴史の中で語られてこなかったこと おんな・子供・老人からの「日本史」 /網野善彦

この本はブックホテルにあったわけではなく。チェックインする前に近くの本屋で買いました。日本史・世界史を少しずらした視点で読むのは好き。
蓑に関する記載で思い起こしたのは、火の鳥3巻。主人公と従者が尼御前の元に向かう時と最後に従者が立ち去る時、蓑姿なんだよね。これはやはりこの世とこの世ならざる場所を行き来するということとと無関係ではなかったのでしょう。
ただ、この本は網野さんの他の本に書いてある「百姓は農民だけじゃない」という話がほとんどで、ちょっと消化不良。

終わりに

いやぁ、楽しかった!
急に思い立った久しぶりの一人旅でしたが、随分リフレッシュできました。
何というか、普段と異なる刺激に身を置くことって大事ですね。
日常に閉塞感を覚えているあなた、BOOK HOTELという選択肢はいかがですか?

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