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20世紀最後のボンボン 第一部 東京篇 第二章 出逢う

ココからご覧になっている方はこの一つ前の記事、111回アクセスお祝い(2)に第一部第一章がありますので、ご興味がおありの方はご参照下さい。この小説は2017年に書きましたが、今回は私のNOTEの記事が10月末のアップロード以来、アクセスが111回を超えたお祝いとして、いつもは有料でやっております、四柱推命を元にした独自の統計を使ったカウンセリングをプレゼントするということで、その説明として、私の最初の結婚がどのようにリンクしているのかを説明するために昔の小説の一部をご紹介しています。

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20世紀最後のボンボン

第一部 東京篇

第二章 出逢う 

師匠は電話をしながら、PCを操作して、

これから会う人の命式を私に見せてくれました。

私は自分の目を疑いました。

こんなにすべての柱が私と合致している人の命式を今まで

見たことがありませんでした。私は半分結婚をあきらめていながら、

心のどこかではそういう人に会えるのを待っていたと思います。

芸能人や有名人でも誕生日のわかる人は全部、命式は調べていました。

その中でそれまでで相性がいいだろうと思われた男性は榎木孝明さんと

吉川晃司さんです。

共通点は非常に繊細な女性的な面を持つということだと思います。

私は見た目は女性なんですが、いろいろ非常に男性的なので、

陰と陽での組み合わせだと思いました。

待ち合わせの時間までちょっと時間があったので、

それまでにある男の子に電話をしました。

その子は8歳年下の大学のときの知り合いで、

命式が私と合致していた人でした。その子は好きだと

言ってくれたのですが、私は倫理的に、そんな子供を

だましてはいけないなどと考え、

一切、受け付けませんでした。

けれども、目の前に誰よりも相性のいい人が現れそうに

なった時に、私はたぶん、お別れを言おうと電話

したのだと思います。完全な。

その子も

「そういうのは場数を踏んでいると思うから、がんばって。」

と言ってくれました。

これから会う人はそのくらいインパクトのある命式でした。

さすがにこれから起きる出来事を想像して

心が震えました。

こんなに期待していくとろくなことはないぞとか

自分を戒め、冷静になるよう努めました。

また師匠の研究所に戻り、車で、

赤坂東急のラーメン屋で

待ち合わせました。


誂えのいいダブルのスーツと

よく磨いてある黒い靴。

名前をなのりあって、握手をして、目が合ったとき、

息が止まるかと思いました。

この子供っぽい目。

手の感触。

独特の低い甘ったれた声。

その瞬間から私はこの人のこと好きだなと思いました。

正確にいうとこの時もう自分の気持ちに気づいていたと

いうことです。好印象ではあっても、ただそれだけで

どうこうならない。大人ですから。

それでもその人の放つ雰囲気は

irresistable!そのものでした。

英語ではこういう風に表現すると思います。

現代風の日本語だと「秒殺」でしょうか?

でもこの人は独身だろうか?

と私が考えているのがわかるかのように

「奥さんは元気?」

と師匠がたずねました。

「2年前に離婚したんだ。」とブスッと答えました。

料理の上手ないい奥さんだったらしいことが

二人の会話でわかりました。

さらに話を続けていくうちに不意に私が

「これ、お見合いのセッティングですか?」

と思わずきいてしまうと、

師匠が驚いて、いやそんなつもりはないと

手を顔の前で振って否定しました。

けれどもその人は私の名刺をじっと見つめて、

何かを言おうとしていました。

「次の店には僕たち二人だけで行く。」

とその人は師匠に宣言していました。

師匠は帰り際に小声で、

「大丈夫?代議士のボンボンだよ。人間はいいけどね。」

と言い残して、店の前で別れました。

私たちの目の前にはエスカレーターがあり

さらに先には

夜の赤坂の景色が広がっていました。

そこから私たちはほど近い、

赤坂プリンスのトップ・オブ・アカサカへ

移りました。

第三章につづく

今日が幸運な一日でありますようお祈りいたします。

Suji Atherton


What an amazing choice you made! Thank you very much. Let's fly over the rainbow together!