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メディア運営するWebディレクターに必要な戦略思考(応用)

以前のnoteWebディレクターこそ戦略思考が必要な理由について、以下のように書きました。

(インハウスでメディア運営している)Webディレクターとしては、決まったものを作るだけでなく、その勝ち筋を見極めて戦略を立て、企画・実行に落とし込めるかどうかが重要です。サイトやサービスはユーザーにとって価値があって初めて成り立つものなので、この戦略思考が欠けていると作り手の自己満足にもなりかねません。
特にWebディレクターは前述の4PのうちのProductやPlaceに深く関わっているわけなので、フレームワークを活用しながらビジネスディレクターやマーケターといった意識を持つと活躍の幅が広がるかと思います。

その後も社内で何度かフレームワークを活用した戦略思考の仕方について話す場をもらいましたが、整理してアウトプットする中で自分の中でも改めて気づきがあったので、それを<応用編>として書き残しておこうと思います。

紹介したフレームワーク

ひとことでWebディレクターと言っても、社内には色んな機能(サービスの最重要KPI達成に向けた改善施策、SEO、プロモーション、クチコミ獲得、品質管理、広告枠管理など)があってそれぞれ担当も分かれているので、共通して使えて、再現性を持てそうな以下の5つのフレームワークを紹介しました。

ロジックツリー:要素や解決策を考えるために、物事をMECEに分解していく方法

4P分析:Product/Price/Place/Promotionという4つの視点から分析

ポジショニングマップ:自社と競合の関係性を整理し、立ち位置を明確にして分析

SWOT分析:内部環境と外部環境をプラス面とマイナス面に分けて整理して分析

TOWS分析(クロスSWOT分析):SWOTを掛け合わせて施策を立案

それぞれについては詳しく解説したサイトとかも多いのでここでは割愛しますが、Webディレクターが活用する際のポイントとしては大きく次の2つあると思います。

①フレームワークの使い分け

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上記の表にざっくり記載したように、それぞれのフレームワークにはメリットとデメリット(注意点)があるので、特定の手法を使うことに固執するとせっかくのフレームワークも逆効果になりえます。

例えば、自分が担当しているサービスの中長期的な戦略立案をする際に、SWOT分析だけやればいいというわけではありません。SWOT分析の中で弱みだとは思ってなかったことでも、競合のPlace戦略の変更によっては弱みとして顕在化してくる可能性もあります。

ここで挙げた以外にも、マーケティング関連では様々なフレームワークが存在しますが、逆に言うと万能なフレームワークはありません

したがって、目的に応じて完全に使い分ければいいという訳ではなく、SWOT分析から考えた戦略が4P分析の観点でも成り立つかどうかなど、相互に確認・見直しすることも重要です。

②実務での活かし方(第一歩の踏み出し方)

次に、フレームワークの中身は理解した上での実務への活かし方です。理論は分かったけど、じゃあ第一歩としてどうやれば…という方がいたら、まずはミクロな視点で取り掛かってみることをお勧めします。

いきなり競合他社のヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源まで考慮して分析するのは正直難しいと思いますが、普段自分が担当しているサービスのイチ機能にフォーカスした分析であればだいぶハードルは下がるはず。

例えば、自身がサービスの中でユーザーによるクチコミ機能を担当しているのであれば、「CGMによる情報提供機能」といった観点で競合分析してみるイメージです。

普段から意識すること

最後に、こういったフレームワークの効果を最大化するためにも普段から意識すべきことについて触れたいと思います。それは、ビジネスパーソンとして当たり前のことでもありますが、常日頃から考えを巡らせることです。

Webサービスを運営していく中で、サービス自体の成長に比例して組織も大きくなると、自然と業務工程の分業が進んでいくと思います。それは効率的に成果を最大化することにもつながりますが、情報の分断にもつながりやすくなります。自分の担当領域だけを見ていると、サービスとして正しい分析ができなくなり、競争力が低下していまいます。

Webディレクターとして、自分自身も情報をオープンにしながら他の領域に対しても能動的に情報を取りに行き、常に考えを巡らせておくことで、フレームワークも活きてくるし自身の価値向上にもつながります

今回社内での講義を通して、改めて自分自身も実感したことです。偉そうなことを言いながら普段自分も十分できてはいないので、マーケティングリードとして肝に銘じていきたいと思います。

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