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【復興】能登半島に行って参りました【業務】

おことわり

これはわたしが能登半島へ行った時点(令和6年(2024年)4月)での情報に、適宜執筆時の情報を追加しています。被災地の状態は刻一刻と変化しています。最新の情報は必ず調べてください

はじめに

令和6年1月1日に令和6年能登半島地震が発生して間もなく4か月が経過しようとしています。わたしは、会社から被災地復興支援の命を受けて輪島市に行って参りましたので、その様子をご紹介します。最奥が輪島でしたので、今回のお話は輪島要素が濃いです

能登半島までの道のり

能越自動車道やのと里山海道を通って輪島まで行けます。これは、応急復旧として頑張って片道だけでも通れるようにしたためです。とはいえ、道路の状況はとにかく悪いです。道はガタガタですし、場所によっては対向車線を走らせたり、本線を逸らして仮設の道路を敷いていたり、インターチェンジで一度本線から車を流出させてまた本線に戻している状況です。これだけ工夫してやっと片側開通です。最高速度を 40 km/h とされていますが、道の状況がひどいので頑張って速度を出しても到底 40 km/h は出せません。特に、ダンプや荷物を運ぶトラックが 40 km/h を出すのは自殺行為に等しい、それぐらいの状態です。そんな状態でも、片道だけでも開通させたインパクトは大きいです。

能越自動車道やのと里山海道ですが、7月末から対面通行できるようになる見通しとのことです。実際に自動車で能登半島まで走った身としては、7月末ならかなり早い開通だと思います。かなり思い切っています。

帰りは一般道を使えば戻れます。道の状態としてはこちらのほうがいいです。穴水まで行けばそこまでガタガタしていません。

行った感想

とにかくひどいです。もうすぐ4か月が経とうとしていますが、全壊した家屋があちこちに残っています。大きな道に倒壊した家屋は片付けられていますが、一本細い道に入ると道路にがれきが散乱している状態です。これから家屋の解体が始まるところですからそういうものでしょう。

少し裏道に入るとこんな状況。こういった所が至る場所に存在する。

輪島の倒れたビルも、まだそのまま残っています。

よくテレビに映っていたRC造の建物。地震の際は隣の木造建物をプレスし(がれきは撤去された模様)、木造建物に住む人がここで亡くなった。合掌。

地盤変動も起きているので、マンホールが浮いているところもかなりあります。車に乗っているならそれらはよけないと車が壊れると思います。

能登半島にいる人は地元の被災者か復興支援業務に従事している業者さんの2択です。反射ベストを身に着けた作業服の方が本当に多かったです。

ライフライン、食事、コンビニ、宿泊施設

行った先で気になると思うことを書いていきます。これから復興のために向かう業者さんの参考になればと思います。また、能登半島に行かない人には、能登半島のリアルが分かってもらえるといいなと思っています。

ライフライン

電気が通っています。電気がある安心感は大きいですね。電気さえあれば照明はもちろんのこと、ご飯だって温かいご飯が食べれますから。

水道は、まだ断水しているところがありますが、中心街なら復旧していると思います。少なくとも、わたしが宿泊したところは水道が使え、大浴場も使えました。大浴場が使えなくても自衛隊のお風呂があるので、公衆衛生はなんとかなります。

ガスについては正直わかりませんが、ホテルの浴場や飲食店が営業再開しているあたり、ガスも復旧していると思います。

携帯電話も使えます。テレビも地上波・BS共に観れましたしラジオも聴けました。ですから、情報収集には困らないと思います。

食事

食事は、場所によっては時短ながらも飲食店が営業再開しているので、意外と困りませんでした。一応、食べるものを持っていきましたが、一口も食べずに能登半島から出てきました。温かい食事が食べられるのは精神衛生にいいです。ただし、もともと飲食店がそこまで多い地域ではないですし、地震の被害が大きい地域ですので、食べたいものを食べられるかどうかは別問題です。栄養バランスを考えた食事も難しいです。外食やコンビニ食はどうしても脂質や炭水化物がメインになりがちですから、タンパク質やビタミンの摂取を工夫したほうがいいでしょう。

輪島ではゴーゴーカレーを食べることもできます。

コンビニ

ファミリーマートしかありませんが、お店によっては営業しています。ただし、時短営業しているので、営業時間には要注意です。わたしが行ったときは、遅いところで20時まで営業していました。割と品物はあります。お酒の品薄感がありましたが、全然ないということはありません。お酒がないのは、娯楽がないことの裏返しな可能性もあります。

宿泊施設

一般(個人向け)相手には休業中の施設が多いですが、完全にないかといわれるとそうでもないです。わたしは業者として行きましたが、そのときは業者専用の宿泊施設として開けてくれている宿泊施設を利用しました。復興業務に従事する業者さんで宿泊施設に困っているところがもしあれば、休業している宿泊施設にも連絡してみるといいかもしれません。

一般の(被災者でも被災者の関係者でもなく、復興の業務に従事している人でもない)人が被災地に行ってもよいか?

これについては、正直な話、判断を下すのが難しいです。というのは、ステークホルダーが多いのです。一般人が被災地に行くと交通インフラをひっ迫させる恐れがあるので、その観点からすれば行ってはならない、ということが答えになります。一方、宿泊施設や飲食店なんかは、お客さんがたくさんいるほうが売り上げが上がるわけですから、一般人が行くべき、ということが答えになります。個人的には、一般人が行くにはまだ時期尚早かなと思います。被災地を応援したい人は、実際に被災地に行って応援するよりも義援金での支援がいいと思います。それか、加賀(金沢や小松や加賀温泉あたり)に行きましょう。GW明けから北陸応援割が再開されます。対象の宿泊施設を利用する際は宿泊料金の半額が補助されます(補助金額には上限あり)。

せっかくですから、このような制度を使って安く行くといいと思います。
石川県にお金を落とすことも応援のひとつですから、ここはどうか石川県に旅行に行ってみてはいかがでしょうか?

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