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ユヌス・エムレの詩『希望』

ああ神さま、もし私を咎めたいのなら
これが私の率直な答えです

確かに、私は出来損ないの罪人です
しかし、私は王たるあなたに何をしたというのですか

私は何者ですか?あなたが私を創ったのではないのですか?
慈悲深き神よ、なぜ私を罪で汚したのですか。

目を開ければ私は牢獄に囚われの身
周りは悪魔と誘惑と嘘だらけ

それでも飢え死にしたくなくて
何度も何度も 泥水をすすり生きてきました

私のせいであなたの支配は弱まりましたか?
私みたいな人間が神を超えることなど一度でもありましたか?

私はあなたが得るべき恵みを食べましたか?
あなたからなにかを奪い、あなたが飢えることなどありましたか?

私の命を奪ってもなお、まだ復讐を望んでいるのですか?
肉が腐りきって 私は暗い土の中

あなたは天国に至る一本の髪の毛のような細い橋を架け、「渡れ」と仰った
それでも結局私はしくじるのだ 自業自得

この髪の毛のように細い橋をどうやって人が渡れるというのですか?
すべり落ちるか しがみつくか 飛び下るしかない

それでも人は希望を求め 橋を架ける。
もし渡りきることができたなら 神に会えるのだろう

どうか神さま、柱が橋をしっかりと支え
私の後に続く旅人は この橋を渡り切りますように


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