奨学金の返済免除申請書に見るJASSO(日本学生支援機構)の底意地の悪さ

珍しく大学公募関係ではない投稿ですが,余りの酷さに辟易としたので書き殴ってみます。

とある大学院生(Aさん)は事故によって障害を負ってしまいました。
Aさんは学部自体から奨学金を借りていたので,障害による返済免除の申請を行うことにしました。しかし,身動きが自由ではない上に本人の身寄りがないことから,(遠慮がちに)私にいくつかの申請の補助を頼んで来ました。

JASSOによる奨学金といえば実質の学費ローンだとか何だとか色々言われて問題の多い制度です。が,多くの学生にとってはこれしかないのも事実です。
Aさんは(詳細はぼかしますが)一生ベッドから動けないかもしれないくらいの障害を負っていますので,奨学金の返済免除を申請することが可能です。そのリンクが以下のページ。

私が色々と準備してあげたのですが,引っかかったのは次の箇所。

(下記の1、2、3の書類が必要です。)

1.貸与奨学金返還免除願または給付奨学金返還免除願(本人、連帯保証人連署。機関保証制度加入者及び給付奨学金対象者は本人のみ。)
※必ずA3用紙に印刷の上、提出してください。
2.返還することができなくなった事情を証明する書類(コピー不可、原本を提出してください。)
3.診断書(日本学生支援機構所定用紙)
※必ずA3用紙に印刷の上、病院の封筒に封入・密封して提出してください。(開封厳禁)封筒が密封していない状態で提出された場合、本機構では受理いたしません。再度、診断書の取得を依頼します。

https://www.jasso.go.jp/shogakukin/henkan_konnan/ippan_menjyo.html

お気づきでしょうか。
診断書を封印しろとか,証明書類を原本で提出せよとかいうのはしょうがないと思うのですが,底意地の悪さを感じるのは様式が全てA3指定だということ。

市販のプリンターでA3を印刷出来るものほとんどありません(電気屋さんに行ってみよう!)。ということは,現実的にはプリンターで一度A4に出力してから,コピー機を使ってA3に拡大するという手をとることになります。
コピー機はコンビニ等で利用は出来ますが,障害を負っている人たちにどうしてそのように不要なことをさせるのでしょうか?また,精神障害の人にとってはそのようなことを考えること自体がそもそも非常に苦痛だと思われます。
実際,Aさんも身動きがままならないため私に頼んできた訳でして・・・。

それ以前に,コピー機等々に詳しくない人は上記のような手段を思いつかないかもしれません(特に今時の学生は全てデジタルで片付けますので,コピー機に余り詳しくない学生が増えました)。

恐らく,JASSOにいえば様式を送ってくれるのでしょうが,そんなことは上のページのどこにも書いていません。・・・もしかしたら送ってくれないのかな?だとしたら,意地悪度は中々のものです。

そもそも,診断書等はアナログなものでも(悪用を防ぐために)やむを得ないと思いますが,どうして「返済を免除してくれ」という申請を今時紙でやらなければならないのでしょうか。ちなみに,経済的な理由による返済の猶予だけは電子申請が可能らしいです。

こういうところに,「出来るなら返済の免除をさせたくない」「申請を出させたくない」「返済の免除を認めたくない」というJASSOの底意地の悪さを感じたのは,私だけでしょうか。
営利企業ならしょうがないですが,JASSOは独立行政法人です。
こんなところが,学生の事実上の生命線となっていることに何とも言えない悲しさを感じた今日この頃でした。

※ちなみにAさんはほぼ確実にJASSOの障害1級が見込める状況ですので,まだ上記のようなハードルを乗り越えようとする意欲がわきます。際どいラインの人は諦めてしまうでしょうね・・・。

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