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泣かなくなった

すごく涙もろかったのに、最近泣かなくなった。
映画『BLUE GIANT』をAmazonプライムで観た。「泣いた」と人が話すのを聞いていたし、ぐっと胸にくるシーンがあり、ジャズの演奏シーンは素晴らしかった。

以前の自分だったら間違いなくぼろぼろ泣いていただろう、と思いながら、まったく泣かなくなったことを不思議に思った。
前はニュースで死者が出た報道を見ると泣いていたし、YouTubeで好きな歌手の歌唱動画を見るだけで泣いていた。
そもそも夕方になると気分不安定になって毎日泣くような生活だったのだ。

それが、映画やドラマを見て泣いたのが、最近いつだっただろう?と思い出せないくらい、泣いていない。(思い出せるのは去年6月に観た『ウーマン・トーキング』だ)

情緒が安定してきたのだろう。
何もなくても寝る前などによく泣いていた。
それも最近はほとんどない。

2月から介護支援専門員(通称ケアマネ)になるための研修に通い始めた。
試験に合格したのは2021年で、2022年から始まったその研修の途中で、私は適応障害と診断され、通えなくなっていた。
2年ごしに今年、やっと通えるようになった。

2月〜7月まで行われる研修のまだ半分も終わっていない。
しかし、通えている自分に驚きと嬉しさがあった。
“きっと嫌になって泣いてしまう。”
“ストレスで体調がおかしくなってしまう。”
始まる前そう思っていた。
その可能性はまだ今後も拭えないけど、今のところは乗り切れている。

働けるようになりたい。
金銭的な面だけでなくて、社会に貢献したい、と心から思う。

休職してから2年。
最初は働けなくなった自分は社会に居場所がなくなったと感じ、働いていない自分は不完全だと感じ、はやく正常な自分に戻りたい、戻らなければと思っていた。
その焦りすら病状のひとつなのだと、休んで1年ほど経って知った。
「今は休むことに専念しよう」
そう思えたのもその頃だ。

その頃から、食べるのに苦労していた食事がだんだん摂れるようになった。
お金の心配はあったけど、たくさん遊んだ。
桜を見に行き、ドライブに行き、イベントに行き、動物園や水族館に行き、小旅行をし、映画や美術館にたくさん行った。
美味しいものを食べた。
Drに相談し、少量ならお酒も飲めるようになった。
友達も増えた。

様々な人が、社会や現実に直面しながら、自分にできることをして生きている姿は美しいと思う。
私もそうなりたいな、と自然に思うようになった。

まだ就労許可はDrからおりていない。
焦るつもりもない。
無理もしたくない。
最初は週1からのスタートになるだろう。
それでもその日を今は楽しみにしている。

稼いだお金で遊びたい。
服を買いたい。美容院に行きたい。旅行に行きたい。ミュージカルに行きたい。

その日を、楽しみにしている。

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