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【日記】切手を集める|こどもの頃の日記から 31

197X年1月Y日 土曜日

朝、新しい日記ちょうとサインちょうを書って〔買っての誤記〕もらうため、Mさんと買い物にでかけた。
Mさんのにもつが重そうだったので少し持ってあげた。

日記を持つのはとてもうれしい。
いままで Girl Guide Diary に書いていたが
小さすぎて書きたいことが、ぜんぶ書けなかった。

これからはボーイフレンドのことも思うぞんぶん書ける。

おひるにTさん〔父の同僚〕がいらっしゃったのではさみしょうぎをした。
Tさんに、切手をみせてじまんした。

日本に手紙を書いた。

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「サインちょう」とあるのは、通っていたインターナショナルスクールで流行っていた autograph book である。

芸能人のような「サイン」ではなく、
名前は誰もが読めるようにきちんと書くので、
「サインちょう」という日本語は誤解を招くかもしれない。

友だちに「書いてね」って言いながら渡してお願いをするのだが、
頼まれた方は、自分の名前はもちろんのこと
何か好きな言葉を考えて書き添える。

「いつまでも仲良しでいましょうね」というような言葉や、
「あなたのことが大好き」という意味のポエムを書いたり、絵を描いたり、
いわば「友情のしるし」の記録だ。

Roses are red
Violets are blue
Honey is sweet
And so are you

このポエムはよく使われたが、よく使われるのでランクが低く、
「この子にはこれでいいや」と思われている残念な例。
よほど素敵なイラスト入りや手書きのデザイン文字にするのなら別だが。


新しい日記ちょうも買ってもらった。
「ボーイフレンド」ねえ・・・ もう、ノーコメント。

切手のコレクションをしていたのは、学校の教室に切手コレクター用のシステムがあったからだ。

母国の切手や住んでいたことのある国の切手は、同じ物が家にたまる。
そういう切手を学校に持ってきて、教室の stamp box に入れたら、
入れた枚数だけ自分がほしい stamp を box から取り出してもいい
というルール。

クラスメートの国籍の数だけ外国切手が集まった。

当時は母国の親戚や友人たちとの連絡は、切手を貼った郵便。
国際電話はまだ高額だったので、よほど緊急の場合だけ。

誰もがインターネットでメールをするようになって
切手コレクションのモチベーションは低くなったのではないか。
希少価値は高まっているだろうけれど。

この日の日記に「日本に手紙を書いた」とあるのは
祖父母への手紙のことで、これも母に義務づけられていた。

祖父母から届く手紙の封筒に貼られていた日本の切手は、
もちろん教室の stamp box に入れた。2枚目のものから。