家族の話

私は父が好きだ

いつからかはわからない
いつの間にかそう思うようになった
家族の大黒柱で一番のお調子者
お酒は毎日飲むし、酔っ払うとダル絡みをしてくる
飼い犬のノノがペタペタ足を立てて歩いてるから「ペタペタペタジーニ」とオヤジギャグを言う
ペナジーニ、知らん、ググったら野球選手だった
それから犬の足音がするたび私はペタペタペタジーニと思うようになってしまった
しょうもない。でもそれが好きだった
けして学歴が良い父ではないが、テレビのクイズ番組はいつも正解
ちこちゃんの質問にもなんなく答えられる雑学王
家ではふざけているオヤジだがとても常識のある人
寡黙だがいざと言うと頼りになる人
そんな父が好きだ
でも
今日バイトをしていたら同じくらいのオヤジがお客さんで来店した
酔っていてダル絡みされたけど、こちとら慣れてる
今日は競馬に行ったら30万も当たったらしい
はぁ…見習ってほしい、父よ、
父も競馬をする
ほんの少しのお小遣いで日々の息抜き
ちょっとしか賭けてないから悪ではない
毎週やってるくせに当たらないのはなぜだ
ちょっと話がずれたけど、、
父も競馬やってるんですよ〜でもいつも当たらなくて〜私も興味があるから今度一緒に行こうって話してるんです〜って話したら、お客さんが飛びついてきた
え!!お父さんそりゃ嬉しいだろうねぇ、、うちも同い年くらいの娘がいるんだけどいつもファイティンしてるよ、、お父さん好き?
はい、好きです!
はぁ…羨ましい
という話をしてお客さんはなんかわかんないけど、心にきてるように受け止めてた
最後には握手をした、痛い痛い、力が強すぎるくらい想いが強くて、骨折れるかと思った
お父さんによろしくって、いや会ったことないでしょ笑
でもなんとなくその人の気持ちがわかった気がした
普通は、お父さんと同じ洗濯物いやだ〜って言うのだろう
ダル絡みも思春期の女からしたらくそなんだろう
私は父の酒臭い匂いが好きだしダル絡みがないと会話もできない
一種のコミュニケーションだったのかと感じた
お父さんみたいな人が恋人になってくれたら結婚生活も人生も幸せだと思える。
これはもう親バカなのかわからないけど、それほど父がいい人だということを知ってる 
私は今までたぶん父に反抗したことはなかった
いつも母と喧嘩ばっか
最後に父が出てきてげんこつ
げんこつも私にはいつもこなくて兄たちばかり
でも一回だけあった。忘れた。けど痛みは覚えてる。父を怒らすと怖いものだ
そして思った
家族構成によって、親との接し方によって、そりゃ人格は形成されるし、人との接し方も変わってくる
皆、それぞれの距離があって、あまり関わってない人もいることを知った。それが悪いわけじゃないことを誤解してほしくないのだが、
父がいない、母がいない、一人っ子だからと、
不幸ではない
いないという事実だけであって、そこになんの格差も富裕もない、ただ自分はそうであるというだけであって、だからなんだと思う
自分が幸せだと思ったことに文句を言われる筋合いはない
私は四人兄弟、兄3人いる
だから6人家族の中で、女は二人、男まみれで育ったも同然、だから男友達は多い、だけど男は嫌いだ
そして女の憎たらしい視線争い、女の意地、苦手だ
感情を読み取らないといけないのも苦手だ
とかいろいろある、皆それぞれだから
逆に女の中で育った
父との距離が遠い人は男の接し方がわからない
父と接する機会がないと、世の中の男との接し方も変わってくるのだと感じた
それは母も同じで、
愛情をもらえてるかどうか、巣立てるように育ててるかどうか、束縛が強いか、痛みを知ってるか、
男に敏感なやつ、反抗心が強いやつ、人を信じられない奴、温もりを知らない奴、
やっぱり家族って大事だと思った
でも家族の形はそれぞれある
幸せならそれでいい
自分がどうしたいか築きあげたいか思い描いたものになれるか試していけばいい

あのおじさんもいつか娘にありがとうって好きだよって言われる未来を願う
そして思った
最近私、父に反抗したと


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